TOP >「Map of Smap」TOP > vol.55

SMAPコラム「Map of SMAP」

楽天ブックスが、SMAPやSMAPメンバーの旬な情報を、コラム形式でお届け!
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.8.5更新

一緒にやってきたのは事実──『27時間テレビ』を観て(後編)


「疲れたふりをするな」
 フジテレビの公式サイトには、いまも「さんま×SMAP」とだけ記されている。その枠は、「さんタク」として始まりながらも、あの正月恒例の番組の存在そのものが壮大な予告編だったと思わせる、おそるべき展開を見せた。いや、そもそも「さんま中居の今夜も眠れない」の15年間も、このときのために用意されていたのではないかと、わたしは戦慄した。幾つかのアクシデントに遭遇しながらも、明石家さんまは、今年のメインコピー<武器はテレビ。>そのままのファイティングポーズを崩さず、おそらくフジテレビの生放送にしか許されない暴挙を敢行した。
 極論すれば、<武器としてのテレビ>を背負っていたのは、さんまそのひとだった。さんまは、あのとき、その<武器>をSMAPに突きつけたのだ。
 さんまがここで行なったのは、決して斬新なことではない。むしろ伝統芸能と呼んでいいようなことである。ペンギンの着ぐるみを着た5人のPVを撮る。その、そもそも巨大な無駄としか言いようのない企画のなかで、延々<ダメだし>をする。言ってみれば、これはコントの基本だ。疲れのピークをさらに更新するような、途方もない不毛が、きわめて原始的なサイクルのなかで繰り広げられた。
 疲れたふりをするな──さんまが『27時間テレビ』の最後にSMAPに贈ることになることばは、既にこの枠そのものが発していた。
 これがテレビだ──さんまは全身全霊をこめて、あのあまりに単純なシークエンスのなかで、それを伝えていた。
 結成27年になるグループが、テレビがなんであるかを知らないはずはない。だが、だからこそ、あの<ダメだし>は理屈を超えたメッセージ足りえていた。
 5人の胸になにが去来していたかはわからない。けれども、わたしは彼らの姿に、6人時代のSMAPを見ていた。

代わりは誰もいない
 かつて。こんなときがあったのではないだろうか。先輩たちに、これがテレビだ、これが武器だと突きつけられたときが。
 前編で書いた通り、わたしはSMAPのオリジナリティは<非武装>だと考えている。武器を持たない。武器を突きつけられても、決して武力で反撃しない。やり返さない。ただ、受け入れる。ただ、受けとめる。撃たれても、転ばされても、立ち上がる。そこに立っている。立ちつづけている。SMAPの歴史はそのようにあった。6人のころも、5人のいまも。
 わたしがもっとも胸打たれたのは、「未定」企画だった。部屋に5人だけを閉じ込める。撮影スタッフさえいない密室に、疲労困憊の極限のまま放り込まれたSMAPは、ノープランのまましゃべりつづけた。SMAPの<防波堤>は言うまでもなく中居正広である。SMAPのなかにおいても、MCであろうとする中居は、<非武装>SMAPがギリギリの土壇場で依って立つための<砦>と言っていい存在だ。この「未定」企画でも、口火を切り、なんとか場をまわしていこうとする。しかし、この、テーマがまったく与えられていない、あまりといえばあまりの企画に、苛立ってもいる。この、本来であればいちばん冷静であるはずの<防波堤>が揺らいでいるとき、他の4人はどうしたのか。
 ざっくり言おう。4人は、何もしなかった。ただただ、SMAPのメンバーとして、そこにいた。それが、何よりの手助けだった。木村拓哉と稲垣吾郎は、この『27時間テレビ』のなかで、意外なほど優秀な司会ぶりを見せたものの、この5人だけの空間で出しゃばることはなかった。誰かに中居の代わりが務まるわけではない。そのことを全員が理解していた。肌で感じていた。そのさまに、わたしは感動した。
 香取慎吾は、「解散」ネタを継続した。草剛は、フォローにならないフォローを入れた。稲垣吾郎は、あくまでも彼のペースを崩さなかった。そして、木村拓哉は、ただ中居を見ていた。だれもが、自分のできることだけをしていた。
 これがSMAPなのだ。これが武器を持たないということなのだ。たとえ、どんなことが起ころうとも、ジタバタしないで、手ぶらでそこに立ちつづけること。これがSMAPの強さだ。SMAPだけの強さだ。
 ひとは、自分のできることだけをすればいい。これが勇気でなくて、何が勇気だって言うんだ。

SMAP=0
 「ノンストップLIVE」の最終盤で「BEST FRIEND」が歌われたとき、わたしたちの予感は確信に変わったはずである。その予感はさまざまなかたちで散りばめられていた。たとえば全員ドラマのタイトル曲「俺たちに明日はある」が6人時代の楽曲であったこと。あるいは、のっけから中居正広が彼のことを口にする展開だったこと。
 想定外のことが起きても、彼らは歩いた。彼らは歩かなければいけなかった。歩かなければ、森且行からの手紙は届かなかった。
 森の代わりは誰にも務まらない。このどうにもならない認識から、5人SMAPはスタートしている。だからこその試行錯誤があり、だからこその国民的大ヒットがあった。苦しみも、栄光も、森がいないことに較べれば大したことではない。5人SMAPはそのように歩いてきたし、いまも歩いている。
 香取慎吾は、自ら「解散」ネタを口にしながら、「SMAPは絶対に解散しない」と何度か言った。森不在のまま、5人で18年ものあいだ歩いてきたのに、解散するわけにはいかないのだ。
 わたしはかつて、「SMAPは1を欠いている」と書いた。「SMAP=−1」だと。しかし、『27時間テレビ』を完走したいま、SMAPはようやく「0」になったのではないかと考えている。SMAPは18年かけて、「−1」を「0」にした。森から届いた手紙は、きっとその証明だ。
 SMAPが、「0」を「1」に変化させるのは、いつのことになるのだろう。何年かかってもいい。彼らが歩きつづけることを、わたしたちはついいましがた目撃したばかりだ。
 永遠なんて言わない。たったの50年、一緒にずっと歩こうじゃないか。



文:相田☆冬二

※このコラムは、楽天エンタメナビのオリジナル企画です。
前週のコラムを読む
翌週のコラムを読む
Mr.S
Mr.S

9月3日発売!2年ぶり21作目のオリジナル・ニューアルバム。初回&限定盤予約受付中。

「Map of Smap」バックナンバー

2017.1.5更新
2016.12.21更新
「Map of SMAP」TOPにもどる