SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.8.26更新

割り切れないから面白い──『HERO』は格段に進化している。


第1シーズンを超えた
 いろいろな考え方があるとは思います。ですから、これは、あくまでもぼく個人の感想です。
 結論から言いますね。『HERO』って、第1シーズンより、第2シーズンのほうが、面白い。好みの話をしてもね、なんか喧嘩になるだけのような気がするので、第2シーズンのほうが優れている、という断言に留めておきますが、なんなんでしょう。TVシリーズとしては、13年ぶりですよね。13年ぶりの第2シーズンのほうが面白いって、国内でも国外でも、そういう例があるのかどうかわかりませんけど、たぶん、かなりスゴいことで。でも、それが、なんていうか、驚くべきこと、というよりは、ごくごく当然のような成り行きで、そうですね、言ってみれば「平常心」みたいな状態で、そうなっちゃてるみたいな、いやはや、なんともはや。ぶっちゃけ、余裕すら、感じるんですね。
 時代というものに対する密着度、っていうんですかね。そりゃあ、2001年と2014年じゃ、あまりにも時代が違うし、連ドラが置かれている立場も、全然違うし、時代に対するスタンスも、当然のように違っていて当たり前だと思うんですが、フィクション(虚構)とリアル(現実)のはざまに、ぷすっと穴開けるセンスみたいなものが、13年前より圧倒的に見事なんですね。
 時代は、いまのほうがはるかにややこしいだけに、頃合いとか、サジ加減とかが、絶妙にならざるをえないわけですけどね。だから、方向性が違うんだよ、そもそも、と言われれば、はい、そうですか、と応えざるをえないんですが、第1シーズンって、もっと、ドラマというもののフォーマットを信じきってるところがあって、それゆえの横綱相撲、それゆえのセッションみたいな印象だったんです。豪快だけど、大味でもあって。もちろん、それが魅力だったわけで、多くのひとに愛された要因ではあると思います。
 第2シーズンは、当たり前ですが、そんなふうに呑気じゃあないんですね。かなり綿密で、一体感があって、すごく細やかです。同じことをやっているようで、密度が全然違う。行き届いている、というのかな。それはね、たぶん、全然安心してないからだと思います。ホームじゃなくて、アウェイで闘い続けてる、善き緊張感っていうんですかね。
 第1シーズンに愛着とか未練とかある方には大変申し訳ないんですが、第1シーズンが下り坂をこがずにサーッと降りてくるママチャリだとすれば(その疾走感がみなさん大好きだということは重々承知しております)、第2シーズンはあれです、山道をマウンテンバイク(MTB)でくねくねギアチェンジしながら、でも華麗に駆け抜けてるっていうか、単純に言いますけど、技術が全然違う。
 回数を追うごとに、あれ? あれ? とは思ってたんですがね、大塚寧々さんが出た回ではっきりわかったっていうか、あ、走ってるコースが全然違うわって。違いすぎる、だから、テクも違ってて当然っていうか。で、第7話(演出:平野眞)でハッキリしたと思うんです。第2シーズンのほうが面白いんじゃない? って。

「公」と「私」は共にある
 この回は熱海編っていうか、久利生と麻木が、ほぼ熱海に行ったきりになるっていうか、城西支部が取り残されて、ある距離感のなかで、物語が展開していくんですね。
 「夜の馬場検事」というフレーズが反復されますね。あれがまあ、一種のサインというか、馬場検事と田村検事の秘密が、城西支部の面々のあいだで、ついに共有されてしまうという、川尻部長にとっては地獄のようなエピソードであるにもかかわらず、そういった過去やプライベートの露呈というか、露出が、まあ、なんとも平和に、晒されていく。このあたりの呼吸はもう抜群だと思うんです。
 ぼくたちが生きている2014年は、とても不寛容な時代であると思われますが、ここで起きていることは非常に寛容に映る。そして、この寛容さが、この回のお題である、DVにつながっていくんですね。
 DVの問題は難しいです。それぞれの事情があるだけに、何がいい、悪いでは片付けられない、つまりは「割り切れない」ことだと思うんですね。共依存ということがよく言われますが、どっちが依存してるのか、わからない、いや、それ以前に、誰かが誰かに依存することは、あるいは、誰かが誰かに依存されるのはよくないことなの? という疑問すら浮上します。
 こうした「割り切れない」問題を、あくまでも軽やかに描くために、久利生と麻木は、城西支部から離れて熱海にいる、つまり、この距離感が、ある種の安定剤になり、柔軟剤になるわけですね。ちょっと時間を置いて考えてみましょう、ちょっと離れてみて冷静になってみましょう、と説明するまでもなく、久利生と麻木が熱海にいることで、ある程度フラットに、この問題に向き合える。そういう構造が選び取られています。しかも、麻木は風邪で寝込んでいて、基本的には使い物にならない。久利生と麻木のいい感じの夜のシーンもありますが、このエピソードはなんと言っても、久利生がほとんど単独で熱海にいる、ということが重要です。
 久利生がプールサイドでサンドイッチ食べてるシーンがありますね。あの場面が熱海と城西支部をつないでいるわけですが、ここで木村拓哉さんは、久利生公平という人物のメンタリティを決して「割り切る」ことなく、非常に豊かな曖昧さで体現していたと思います。この豊かな曖昧さが、中村ゆりさんを事情聴取するときの久利生の「幅」につながっていきます。このあたりのコーディネートは、本当に緻密だと思います。
 中村ゆりさんを事情聴取するとき、部屋に外光が入り、緑豊かな景色が背後に広がっているのは、演出上の必然です。演出の、そして脚本の意図を完璧に受容している木村さんは、ここで「公人」でもあり「私人」でもある、つまり、自分自身を「割り切ることのない」久利生という人間を、非常に短い時間であらわして見せます。「社会人」と「一個人」と形容してもよいかと思いますが、こうしたカテゴライズは、そもそも厳格に峻別されているわけではなく、「ここからは公人」、「ここからは私人」みたいなことはないのだ、ということを、それとは裏腹な台詞で、逆説的に伝えてしまう木村さんの表現力は、さり気ないだけに、深く研ぎすまされています。
 これがね、ちょっと、素通りしてしまそうになるくらい、一切のデフォルメがないんですね。むしろ、気づかないほうがいいんじゃないか? っていうくらい、微細なニュアンスです。
 そこに麻木がいなかった、ということのイレギュラー感もあり、久利生がすっと第2ボタンをはずしてる、そんな無防備さも、たまらなく。ああ、ぼくたちは、まだまだまだまだ、久利生のことを何も知らないんだな、と時間差でじわっとくるあたり、第2シーズンのオトナ度はハンパないと思うのです。



文:相田☆冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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木村拓哉主演の「HERO」が新ヒロインに北川景子を迎えて復活!毎週月曜21時放送。

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