SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.9.16更新

「2」に彩られたアルバム『Mr.S』は、SMAPの最高傑作である。


SMAP初の「2枚組アルバム」
 もし、SMAPにサインしてもらえるとしたら、これにしてほしいというのがあって、それは『La Festa』ってミニアルバムなんだけど、それは10インチというサイズもさることながら、あの5人の写真が大好きだからなんだ、それぞれの様子がね、すごくいいんだ。なにがいいって、5人の座り位置っていうか、距離感がね、SMAPってこうなんだなと、こういうことなんだよなって、理屈じゃなくて、伝わってくる感じ、その感じがSMAPだって思うからなんだ。裏ジャケも含めて、ビーチ・ボーイズの世界的名盤『ペット・サウンズ』をまんまサンプリングしたデザインも大好きさ、あのロゴにもSMAPを感じるなあ、すごく。1998年8月26日リリースだから、もう16年前だよ、この写真を見ると、あらためてSMAPの本質ってこれなんだなあと思う。たぶんね、それが、ぼくにはぐっとくるんだろうね。
 『La Festa』は、5人それぞれのソロ曲だけを収録した非常にイレギュラーなCDだったけれど、それから約5年後の2003年6月25日リリースの『SMAP016/MIJ』からSMAPはアルバムを2枚組編成にするようになって、メンバーソロ曲だけのCDをDisc 2に据えるのが定番になった。つまり「分化」するようになったんだよね、SMAP楽曲とソロ楽曲を。『SMAP015/Drink! Smap!』までは、ソロ曲も特定のメンバーだけが参加している曲も、1枚のアルバムのなかに収録されていた。つまり、全部、SMAPの曲だった。ひとりでもSMAPだし、ふたりでもSMAPだった。インストゥルメンタルの曲もSMAPであるかのように。ぼくはそれが好きだった。
 『Mr.S』は2枚組だけど、Disc2が『La Festa』スタイルじゃなくなってる。Disc1とDisc2が「分化」されてない。つながってるんだ。『SMAP016』から『GIFT of SMAP』までが、あくまでも「1+1」アルバムだったとすれば、『Mr.S』はSMAPにとって初めての「2」アルバム。もっと言ってしまえば、2枚で1枚、そんな印象さえある。

「二重の扉」が作る虚構性
 インストのテーマ曲でスタートするのは『SMAP006〜SEXY SIX〜』以来の定番。『SMAP007〜Gold Singer』ではテーマ曲がラストに来たり、5人SMAP最初の『SMAP009』ではテーマ曲がなかったりしたけど。テーマ曲で始まりテーマ曲で終わる構成は前々作『We are SMAP!』からかな? いや、あれはラストは同名異曲だった。前作『GIFT of SMAP』からだね。でも、何度も再生しているうちに気づいたんだ。SMAPはファーストアルバムから、それをやっていたって。『SMAP001』が何から始まったか憶えてる? 「Can’t Stop!!-LOVING-」からだよ。そして、ラストも「Can’t Stop!!-LOVING-」だった。アルバム・ヴァージョンで始まり、シングル・ヴァージョンで終わった。つまり、デビュー曲は、あのアルバムにおけるテーマ曲だった。
 『Mr.S』はテーマ曲で始まりテーマ曲で終わる。入口があって出口があって、出口からまた入口に戻れるような構造になっている。(colorful)から(monochrome)へ、そしてまた(colorful)へ。「2」枚組だからこそ、可能なかたちだ。
 このテーマ曲を第一の「扉」としよう。『Mr.S』には第二の「扉」がある。それは「Mr.S-SAITEIDE SAIKOU NO OTOKO-」と「好きよ」だ。
 「Mr.S」はさまざまな読み取り方が可能だと思うけど、ぼくはこれは女性目線の歌と捉えている。「あなたがまさかMr.S?」という歌詞は、やはり女性のことばだと思う。そして「好きよ」は間違いなく、女性目線の歌だ。ここにも「あなた」というフレーズが出てくる。
 つまり、どちらもSMAPが女性に扮している曲なんだ。歌謡曲には、「男歌」「女歌」という伝統がある。女性歌手が男性目線で歌う歌が「男歌」、男性歌手が女性目線で歌う歌が「女歌」。つまり、このアルバムは「女歌」で始まり、「女歌」で終わっている、とも言える。テーマ曲と「女歌」。つまり「二重の扉」で閉じられたアルバムなんだ。
 さらに今回のテーマ曲を手がけたのが、宝塚歌劇団に所属する太田健さんだということに留意すると、「二重の扉」の意味はさらに深まると思う。宝塚は言うまでもなく、男装の女優たちが歌い踊るステージだ。歌謡曲で言えば「男歌」の世界。「男歌」から「女歌」へ、そして「女歌」から「男歌」へ。これは、とてつもなくコンセプチュアルで、フィクショナルなアルバムだと思う。

突き抜ける「ふたつのフィナーレ」
 楽曲は粒ぞろいという域をはるかに超えている。
 「無我夢中なLIFE」は、まるで6人SMAP最後のシングル「はだかの王様〜シブトクつよく〜」にタイマン張ってるみたいな名曲だ。ついつい陥りがちな諦念を、平常心の爆走で追い抜いていく。「悲観は気分であり、楽観は意志である」というフランスの哲学者の名言を思い出すよ。で、この感覚の必要性は、1990年代のあのときよりも2010年代のほうが切実だという気がする。
 「藍色のGANG」は草剛さんのソロ曲だけど、ソロもSMAPなんだ、という『SMAP015』までの感覚に完全に回帰している。ロカビリー調というよりも、草さんがロカビリー歌手に扮してるような虚構性は、ツアーを観ていても観ていなくても、充分伝わってくる。草さんはこれまでのソロ曲でも、俳優としての力量を発揮してきたけれど、「藍色のGANG」はそれが極まった例だと思う。しかも「ひとり舞台」のはずなのに、SMAPというステージに完全におさまっているのは、『Mr.S』というアルバム全体が実に懐の深い大きなフィクションを醸成しているからに他ならない。
 まるでベン・フォールズ・ファイヴのようにピアノが疾走、曲を先導=煽動していくアクロバティックな楽曲「アマノジャク」が成立してるのも、この頑丈な虚構性によるものだ。
 そして木村拓哉さんの「One Chance!」。木村さんのソロとしては『La Festa』収録の「HA」に匹敵する出来だと思う。好きよ。もう、それ以上のことばはいらない気がする。
 ここからの流れはもう怒濤と言っていい。「Joy!!」から、稲垣吾郎さんと草さんのコンビネーションが冴えまくるディスコティークな「DaDaDaDa」、そして、今後もSMAPの新たなる代表曲のひとつとして語り継がれていくに違いない「ビートフルデイ」へ。ちょっと、フィナーレ感がハンパなくて、でっかいクラッカーが炸裂するみたいな。前に「Joy!!」でSMAPは生まれ変わったって話したと思うんだけど、「DaDaDaDa」ほどダンサブルかつメロウな曲っていままでなかったし、「ビートフルデイ」ほど突き抜けた解放感に到達したこともなかったと思うんだ。「ビートフルデイ」はソロ曲が全部合わさったような高揚感もあって、ちょっと信じられないことが起きてるって、何度聴いても思う。
 木村さんと稲垣さんの「よわいとこ」は、デュエットと呼ぶべき傑作。互いに助け合おうとすることで、心が通い合ってるっていうか。つい、6人SMAPを思い出しちゃったよ。
 「やりたい放題」は「シャレオツ」でSMAPが確立したアーバンでアダルトで、ナイティでファッショナブルな世界観のラインで最高のシャンパーニュカクテルみたいな味わい。スピーディなんだけど、往年の歌謡曲を彷彿させるところがたまらないよ。
 で「Mistake!」。シングルとは全然印象が違うアルバム・ヴァージョンで、ここでアルバムは二度目のフィナーレを迎える。この時代と添い寝するようなアレンジには、ただただ圧倒されるね。
 香取慎吾さんの「SKINAIRO」から「The Future」、稲垣さんの「Dramatic Starlight」の3曲はどれもテクノな曲で、音楽界で言うところのチルアウト、つまり、高ぶった精神を沈静化するような働きがある。そして「好きよ」に辿り着く。
 SMAPの歴史は『Mr.S』の破格のスタイル構築のためにあった、と断言してもいい最高傑作だと思うな。



文:相田“Mr.M”冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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