SMAPコラム「Map of SMAP」

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TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.9.30更新

中居さんはズルい──「Some girl' SMAP」を初めて聴いて。


堆積されてゆく時間
 ラジオ「中居正広のSome girl' SMAP」を初めて聴きました。そして、こう思いました。
 中居さんはズルい。
 この8文字が、わたしの感想のすべてです。
 中居さんはラジオではいつもこうなのでしょうか? ズルいです。ズルすぎます。
 この番組はいろいろな変遷はあったみたいですが、今年で20年目を迎えたようです。中居さんがひとりでトーク(と言っていいものかどうか、いまだにわたしには決めかねるのですが)する形式になってから、それなりに月日が過ぎているとのことです。
 まず、時間の重みみたいなことを感じさせるんですよね。たとえば、このフリーなスタイル(と形容していいものかどうか、いまだにわたしには決めかねるのですが)に辿り着くまでに、さまざまな時間が蓄積されてきたのだろうなあと、想像させてくれるわけです。毎週お聴きになっていらっしゃる方にとってはごくごく当たり前のことなのだとは思いますが、初めて耳にした者にとっては、時間の地層のようなものが背景に横たわっていることが「馳走」になります。たとえば、優れた料理人の料理を口にして、ただ美味しいと感じるだけではなく、食材が調理される過程に否応なく存在している「手間」を愛おしく思うことに、ちょっと似ているかもしれません。慈しみ、っていうですかね。非常に贅沢な聴覚体験です。
 時間が堆積されている。そればかりではなく、いままさに時間が堆積されていくような感覚も味わうことができます。
 スタート当初は、中居さん、ちょっと声がお疲れ? それとも、(この番組は録音なので)その日最初のお仕事だと、こんな発声なのかな? とか、いろいろ思ったのですが、番組が進んでいくうちに、どんどん気にならなくなっていくんですね。それは耳が慣れていくということもあるのでしょうが、それ以上に、中居さんの声にどんどん精気が宿っていってるように感じられるからなんです。より正確に言うなら、耳をすますことで、中居さんの声がますます活き活きとしてくる、そういう錯覚をもたらしてくれるんですね。つまり、注力することで浮かび上がってくるなにかがある。
 時間を共有するよろこびって、つまり、こういうことだと思うんです。
 わずか30分ですが、それはとても濃密な時間です。

「サシ飲み」空間の創造
 この時間が濃密に感じられることには理由があります。
 ざっくり言いますね。この番組には「サシ飲み」のニュアンスがあるんです。はい、そうですね。差し向かいで酒を飲み交わす。そういうことです。
 もちろん、不特定多数のひとが聴く、というラジオの大前提は当然のようにあるわけですが、この基本を踏まえつつ、「サシ飲み」のような錯覚をもたらす語りの技術が中居さんにはあって、ご本人がどれだけ意識されているかはわからないのですが、そういうパーソナリティを「演じている」というよりも、そういうパーソナリティがごく自然に「発露している」と、おそらくわたしたちは感じているのではないでしょうか。
 これは、わたしが「サシ飲み」好きだから、そう感じているだけかもしれませんが、やっぱり「サシ飲み」のほうが、一対一のほうが、相手の話に集中できるし、相手を「感じる」ことができると思うんです。中居さんは、その感覚を与えてくれます。
 いや、そもそも、ラジオというのはそういうものではないか? DJとリスナーが一対一になるような錯覚をもたらすメディアなんじゃないか? ラジオ好きの方なら、そうおっしゃるかもしれません。だとしたら、中居さんはラジオというメディアが理念として抱えていることを、きわめてカジュアルに、そして、きわめてルーズに体現できる才能の持ち主だと思いますね。
 陳腐なたとえをあえてしますが、居酒屋で「サシ飲み」しているような感覚があるんですね。それは、いわゆるフレンドリーということばに集約されるような大雑把なムードではありません。馴れ馴れしかったり、媚びたりするような素振りは微塵もありませんからね。ある、しかるべき距離はしっかり保つ。超えてはならない一線ははっきり守る。程のよい緊張感があるからこそ、「サシ飲み」は「サシ飲み」として機能するわけですが、中居さんはそうした「ルール」を、わたしのような一見(イチゲン)にも瞬時に理解できるような発声で、伝えてくれました。
 中居さんは、時間の共有だけではなく、空間の共有も可能にしてくれるような語りで、ラジオにおける「サシ飲み」を実現しています。

名残惜しさの積み重ね
 構成は単純です。リスナーからの投書を読む。その多くは質問ですから、それに答える。ただ、それだけです。この夜の放送では、ほぼツアーのことばかり話しておられました。
 興味のあるネタも、興味のないネタもあるでしょう。それは人間として当然のことです。しかし、中居さんの語りを聴くかぎり、どの話に、彼自身の興味が向かっているか、ほとんど差異が感じられないんですね。どの話題に対しても、いい意味で、素っ気ない。差別がない。平等なんです。フラットなのに、開けっぴろげで、でも、肝心なところは見せてなくて、質問に答えているはずなのに、どこか、問わず語りのようで、あるとき、ふっと、その話題を終える。
 この終わり間際の頃合いは見事というより他はありません。さくっと終わる。蒸発するように終わるんですね。
 こちらとしては、名残惜しさが一粒ずつ積まれていくような感じになります。
 なにか結論めいたことを言うわけではありません。また、スムーズに次の話題につなげていくわけでもありません。でも、フェイドアウトとは違うんですね。ちゃんと終わる。ちゃんと終わらせる。
 必ずしも句読点をきっちりつけているわけではないのですが、さっと次の段落に移るような感じですね、文章で言えば。
 相手はいません。たったひとりで話しているから、こういうことができるんだと思いますが、そこからは中居さんの体内時間のようなものも感じられます。というより、嗅ぎ取りたくなりますね。中居さんの生理、というのかな。「生理」を辞書でひくと、「生物が生活していくすじみち」と書いてありますが、ああ、これが中居さんの「すじみち」なのだなあ、と思わせられます。
 テンションがね、ほとんど変わらないんですよね。公的な、たとえばSMAPのことを話すときと、私的な、たとえば家に帰って飲むときのことを話すときに、区別を設けていない。この平坦さに、中居さんというひとの「すじみち」を感じます。
 あと、最後、番組終了間際に、一言で返事が済むような投書を読んだのですが、その一言が、すごくいいんです。
 中居さんはズルいですよ。こんなふうに時間を共有したり、空間を共有したり、ほんとうはどんなひとなんだろうと想像したら……中居さんのことが、もっと好きになってしまうじゃないですか。



文:相田“Mr.M”冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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