SMAPコラム「Map of SMAP」

楽天ブックスが、SMAPやSMAPメンバーの旬な情報を、コラム形式でお届け!
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.10.21更新

草剛 in the house ! 『独身貴族』DVDリリース記念。


妄想させる力について
 連続ドラマ『独身貴族』がDVD化されます。スタートから1年が経つのですね。
 どの回も一回ずつしか観ていないので、いま観たら、どんなだろう? とも思うのですが、自分はファーストインスピレーション(第一印象)がすべてだと考えているので、やはりその感覚で書いてみることにします。
 目を閉じるまでもなく浮かんでくるのは、靴を磨いている草さんの姿ですね。草さんは、番組開始直前の取材で、この役が自分に近いということと、脚本家がかなり自分を見抜いた上で執筆しているのではないかということを述べていたと記憶しているのですが、まあ、わたしたちにとっては、当たり前のように、草さんがジーニストである、という厳然たる事実と重なってきますよね、この役は。
 非常にハイクラスな生活を送っている、という設定とはほぼ無関係に、この主人公は「貴族性」を感じさせるのですが、自分が収集したものを愛で手入れするという行為のほとんどが「おたく」呼ばわりされる昨今において、いやいや、それは「おたく」ではなく、「貴族」なのだよ、とつぶやきたくなるようなニュアンスが、あの靴を磨いている姿にはあります。繰り返しになりますが、それは彼が大切にしているコレクションが高級靴だからではありません。たとえば、もし、あれが高級靴ではなく、フィギュアだったとしても「貴族性」は漂ったと思います。
 もちろん、草さんの私生活は存じ上げませんが、草さんもまた、所有されているジーンズたちと、あのような「とき」を過ごしているのではないか、と妄想させてくれるんですね。
 この「妄想させる」ということが、演技のひとつの大きな局面なんです。草剛はジーニスト「だから」、高級靴コレクターの映画プロデューサーを演じることができたのだろう、と想定するのは間違いであって、わたしたち視聴者が、この役を表現する彼の芝居と、彼のプライベートとを、つい「接続してしまいたくなる」状態が、ここでは作り出されているんですね。で、それは、技術なんです。
 つまり、リアル(現実)によってアンリアル(フィクション)が支えられるのではなく、アンリアル(キャラクター)がリアル(演じ手の私生活)を抱擁してしまう現象こそが、優れた表現なんです。

深海をまさぐるということ
 ひとはよく、あのひとは「地」で演じているとか、あのひとの芝居からは「素」が感じられるとか、軽はずみなことを口にしてしまいますが、もし、「地」や「素」というものが存在するとして、それが伝わったとしたら、それは「伝わるように」表現した、ということなのです。わたしたち観客が、それを「見抜いた」のではありません。「伝わるように」演じて「くれている」ということを忘れるべきではありません。
 厳密に言えば、「地」や「素」というものはない、とわたしは考えています。もちろん、ひとがひとである以上、基盤となるパーソナリティは存在します。そして、パーソナリティは千差万別です。しかし、人間のパーソナリティというものは、「地」とか「素」とかいう便利なことばでまとめられるような底の浅いものではありません。パーソナリティというものは「深海」なんです。そこに、どんな未知の生物が蠢いているかは、だれにもわかりません。本人にもわかりません。
 俳優は、虚構の人物を出現させるために、あらゆるものを動員します。自身の肉体は、その最前線に立つ「武器」であり、「道具」です。この肉体には、あらかじめ「深海」としてのパーソナリティが内蔵されていますので、意識的にしろ、無意識にしろ、この「深海」をまさぐることにもなります。
 使えるものは、なんでも使います。そうでなければ、魂にかたちを与えることなどできないからです。
 わたしたちが、この主人公と、ジーニストである草さんを、あるとき「接続したくなり」、その先に「貴族性」を見出すことになるのは、この俳優が「深海」をまさぐった結果、そのような平易な「入口」を出現させたからに他なりません。
 ご承知のように、「入口」とは、そこで自閉するためのものではありません。その先の世界に「入っていく」ためのものです。
 「入口」ではなく、「窓」と言い換えてもよいかもしれません。わたしが、いまここで語っていることは、ひとつのサンプルにすぎません。草さんは、この役に無数の「窓」を与えています。そして、「窓」とは、言うまでもなく、ガラスでも枠でもなく、その向こうにある世界を見つめるためのものです。
 わたしたちは、ひとりひとりが、それぞれ、草さんが作り上げた「窓」を見つけ、そこから、ダイヴしていくべきです。
 ひとには先入観という能力があります。先入観は主にネガティヴな意味に使われることがほとんどですが、わたしが思うに、先入観とは可能性のひとつです。わたしたちは、先入観によって、俳優が作り出す「窓」を見つけ、その先に、その向こう側に、拡がっている世界に没入することができます。先入観こそが、先入観を解放する手だてなのです。 



相田“Mr.M”冬二

関連コラム:vol.13『独身貴族』の星野守=草剛の非凡さについてお話ししましょう はこちら
関連コラム:vol.15オトナのドラマ「独身貴族」ともっと仲良くなるためのヒント はこちら
関連コラム:vol.20いよいよ大詰め! 『独身貴族』の構造をおさらい はこちら

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
前週のコラムを読む
翌週のコラムを読む
【DVD/Blu-ray】独身貴族
【DVD/Blu-ray】独身貴族

草剛主演の甘く切ないトライアングルラブコメディ。

「Map of Smap」バックナンバー

2017.1.5更新
2016.12.21更新
「Map of SMAP」TOPにもどる

オススメのキャンペーン&特集

もっと見る