SMAPコラム「Map of SMAP」

楽天ブックスが、SMAPやSMAPメンバーの旬な情報を、コラム形式でお届け!
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
Infomation
 世界に一つだけの花
MUSIC
世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.11.18更新

神は細部に宿る──『稲垣吾郎のSTOP THE SMAP』について。


リード=尊重
 稲垣さんのラジオは何度か聴いたことがあって、これはその都度感じてきたことですが、ラジオのパーソナリティとして、非常にゆるぎないものがあると思います。それは、単にラジオと相性がいい、ということだけで済まされる話ではなく、ラジオという異性を相手にとても堂々とお付き合いしている、そんなすがすがしさを感じます。
 あ、いま、思いつきで「異性」ということばを用いましたが、これは稲垣さんの表現全般に通ずることかもしれません。
 稲垣さんの表現は、相手をリードしていながら、そこには「レディファースト」の敬意があります。この場合だと、ラジオという相手を導きながら、重んじている。もちろん、ラジオのなかには聴き手も含まれるのですが、単にお客さんのあしらいが上手い、ということとは別の、メディアそのものに対する尊重が底辺にあるのではないでしょうか。
 わたしたちは誰かにリードされると安心感を得ます。しかし、こころのどこかで、それ以上のことを望んでいます。その場を臨機応変、洒脱に取り仕切ってもらうだけでなく、「もっと大事にされたい」と願っているし、「もっともてなされたい」と欲しています。つまり、不特定多数に向けたサーヴィスではなく、自分というたったひとりの個人に向けた固有の「何か」がもたらされることを期待している。稲垣さんは、そのあたりのことがすべて「お見通し」なのだと思います。
 ラジオのパーソナリティは、個々のリスナーを相手にすることはできません。しかし、ラジオというメディアを大切にすることならできる。ラジオを誠実に取り扱うことで、オリジナルのやり方で、リスナーそれぞれを大事にしたり、もてなしたりすることができる。稲垣さんには、そのような確信があるのかもしれません。
 11月13日の放送内容から、具体的な例を取り上げてみましょう。
 どの色のiPhoneを使っていますか? というリスナーの質問に対して、CMのLAロケのことを穏やかに楽しそうに延々語りながら、するっと、あるとき、スペースグレイです、と答える、その間合い。あるいは、舞台『恋と音楽供拌膾絽演にふれ、自分はカーテンコールで素直になれない、というようなことを詫びるのですが、それが、いい意味で、謝っているようにはまったく聞こえない、その可笑しさ。ある種の落差やギャップというものに、稲垣さんはとても自覚的で、それをラジオにふさわしいかたちで繰り出しています。こうした便利な言葉に頼るのもどうかと思いますが、あえて言うとすれば、そこには真性ツンデレと呼んでもいいような、コントロールと作用があるのではないでしょうか。


冷静=丁寧
 この日、もっとも感動的だったのは、稲垣さんが、お友達の娘さんが生まれる瞬間に立ち会った、というエピソードの披露でした。病院の廊下で、お友達である男性と一緒に、その子の誕生を待っていた様子を、実に映像的に描写されていたのです。お友達がそわそわ落ち着かないのに対して、自分は随分のんびりしていたと、稲垣さんは話します。そうして、待っている場所から、窓の外の桜がよく見えたと続けます。この桜はただの情景描写ではなく、この娘さんのお名前にもかかわってくる「具体」ですが、「桜」がタイトルの一部に含まれた映画に稲垣さんが出演していることを知っているわたしたちは、そのとき、稲垣さんがぼんやり見つめていたであろう桜を、特別な想いで見守ることになります。こうした成り行きを、稲垣さん自身がどれだけ意識されていたかはわかりませんが、わかりやすい熱をこめるような「演出」から遠く離れて、日常と隣接した語らいのなかからスペシャルな出来事を浮かび上がらせていく稲垣さんのリズムとスピードには、冷静さと丁寧さが共にあり、主観に溺れることのない客観性によって、聴き手それぞれに、それぞれの像を付与することになります。たとえばわたしなどは、稲垣さんには、そんなときに、そんなふうにそばにいることを求めてくれる同性のお友達がいるのだ、ということが、とてもうれしく、また、安堵もさせられました。そして、この感慨が、自分自身だけのものである、という満足を、ほとんど根拠もなく得たのです。
 一方で稲垣さんは、プロの歌手はマイクを左手で持つが、一般の方は右手で持つ、という実に理性的な観察をカラオケという場を通して語ったりもします。右脳を使ったら、今度は左脳を使いましょう、とばかりに。こうしたバランス感覚もまた、この番組をすがすがしいものにしている大きな要因です。
 稲垣さんの語りを聴いていて感じるのは、その冷静さと丁寧さが、全体像の実現に向けられているのではなく、あくまでも細部への奉仕になっていることです。ひとつひとつのパーツを大切に扱う。ただ、そのことだけを守っている印象があります。「慈しんでいる」という形容がふさわしいかもしれません。
 ラジオは公的であると同時に、とても私的なメディアです。それは表現がほぼ声だけに限定されるからに他なりません。わたしたちは、あるひとの声だけに意識を集中します。耳をすますことによって「大事にされること」「もてなされること」という対価を、無意識に求めています。稲垣さんは、そうした欲望のすべてに、惜しみなく自身の表現を差し出しているのだと思います。



相田“Mr.M”冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
前週のコラムを読む
翌週のコラムを読む
稲垣吾郎のSTOP THE SMAP
稲垣吾郎のSTOP THE SMAP

毎週木曜21:30より文化放送にてON AIR!

「Map of Smap」バックナンバー

2017.1.5更新
2016.12.21更新
「Map of SMAP」TOPにもどる

オススメのキャンペーン&特集

もっと見る