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SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
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収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2015.2.24更新

「華麗なる逆襲(tofubeats remix)」は、第6母音をプッシュする。


Ms. Sへの手紙
 夢って、願えばかなうものなのですね。もちろん貴女に出逢えたこと以上の夢の実現なんてありませんが、それでも、これはぼくにとって、ずっと夢だったことです。
 一昨年、そう、「Joy」でSMAPが生まれ変わったころから、呪文のように唱えていたことがありました。SMAPとtofubeatsのコラボです。tofubeatsは、神戸生まれ神戸育ち、ブレイクしてからも神戸を拠点に活躍するトラックメイカー/DJで、ぼくがいま世界で最も期待している音楽家です。tofubeatsとググれば、YouTubeなどで極上の音楽が流れ出ますから、詳細は省きますが、たとえば彼の名を一躍世に知らしめた「水星」という名曲だけでも、どうか聴いてみてください。メジャーデビューはなんと森高千里との競演。リミキサーとしても抜群の手腕を誇っています。曽我部恵一はtofubeatsにリミックスを依頼した楽曲「ロックンロール」のあまりの出来に、なんとリミックスをA面にしてシングルをリリースしました。公式PVの音源もtofubeatsリミックスなのですから、もはや既に伝説と言っていい快挙です。くるりの「ロックンロール・ハネムーン」もtofubeatsは原曲を凌ぐリミックスに仕上げています。
 SMAPは6人時代にリミックスアルバムをリリースしています。日常のソウルと平常心のファンクを奏でることができるSMAPは、正しく「踊れる」音楽なのです。それはファンがコンサートで身体を揺らすためだけのものではなく、必ずしもスマッピーではない音楽リスナーがたまたま耳にしても、ついマインドがバウンスしてしまうようなクラブ対応ミュージックだとぼくは考えています。かく言うtofubeatsも、DJとしてクラブでSMAPをかけたことがあるんですよ。その曲のタイトルはあえて伏せますが、大音量で鳴り響くその曲が、どれだけオーディエンスを高揚させたことか! ちなみに、その曲はtofubeatsが4歳のときにSMAPがリリースした曲でした。
 tofubeatsは、SMAPが武道館で初のコンサートを開催する直前の1990年11月に生まれています。まだシングルデビューこそしていないものの、SMAPは既にSMAPとして存在していました。そうです。四半世紀に満たないtofubeatsの全人生より、SMAPのキャリアは長い。今回の巡り合わせは、そのことも鑑みて、より一層感動してしまうのです。
 tofubeatsが作り出す音像と、SMAPの歌世界は、きっと溶け合うはず。ぼくには、その確信が、初めてtofubeatsを耳にしたときからありました。でも、その理由がなんなのかはわからなかったんです。でも今回の通常盤シングルにおさめられた「華麗なる逆襲(tofubeats remix)」を耳にして、やっとわかったんです。


脱いでしまえばおなじ
 これはtofubeatsが手がけたリミックスのなかでは決して派手な作りではありません。SMAPに対しても、楽曲に対しても、当たり前の敬意が感じられる、丁寧さがあります。解体したり、デフォルメしたりしないで、磨いてる。磨くことで、SMAPがもともと持ってる丁寧さが浮き彫りになっている。そういう磨き方をしてるんですね。外側をピカピカにするんじゃなくて、内面から灯りが光りだすような磨き方。五人の歌唱も、オリジナルヴァージョンとは異なる顔を見せてくれます。
 中居正広の声は、もっと艶っぽく。稲垣吾郎の声は、もっと伸びやかに。木村拓哉の声は、もっと震えて。香取慎吾の声は、もっとアダルトに。草剛の声は、もっと深く泳いで。もっと。もっと。もっと。
 テクニックに頼らない、SMAPの歌唱にはひたむきな丁寧さだけがあって、そこにはこれ見よがしな素振りがありません。かつてぼくは、「SMAPは低空飛行なのだ」と書いたことがありますが、tofubeatsの音像はその低空飛行にぴったり張り付き、低空で飛行することがいかに素晴らしいかを、綿密に伝えてくれます。決して日常から乖離しないんですね。地面を感じながら飛んでいる。それがSMAPの歌です。tofubeatsもまた、ことさらにビートを強調したり、違う次元に運んだりするのではなく、音数を減らしたフラットな快適さで、ぼくたちが生きるこの世界の「すぐそば」から音楽を送り届けます。
「華麗なる逆襲(tofubeats remix)」にぼくは、オリジナルヴァージョンより、親近感を抱きます。オリジナルヴァージョンがどこかストーリーを演じている趣があるのに対して、ジャケットを脱ぎ、シャツのボタンをはずしたような風情があります。ボックス席ではなく、テラス席のすがすがしさ。赤ワインではなく、白ワインの心地良さ。「脱いでしまえばおなじ」ということばを、ふと口にしても、それが決してエロティックに響かずに、笑顔で握手するようなニュアンスをまとうこと。しあわせのなかにあるせつなさ。軽さのなかにある豊かさ。明るさのなかにスライスされた人生の真実が練り込まれているのはtofubeatsならではの技です。
 香取慎吾の「面倒臭いぜ」のフレーズのカッコ良さが際立っているのもツボ。あと、草剛の「ハロー」は、「は」と「へ」のあいだにある何かで、それは「ひ」でも「ふ」でもない、もちろん、「ほ」でもない、文字にすることができない6つめの「は行」なのだと気づきました。たぶん、「あいうえお」以外の母音というものがぼくたちの心のなかにはあって、SMAPもtofubeatsもその「第6の母音」をプッシュしてくれるのだなあと思います。
 tofubeatsがいずれSMAPのアルバム曲を書き下ろすことを、次なる夢に据えながら、この手紙を終えます。

追伸

 偶然ですが、tofubeatsがDJでかけたSMAPの曲の一節が、「華麗なる逆襲」の歌詞に潜んでいて、びっくり。これって、偶然じゃなくて運命ですよね。ヒントはサビです。久しぶりに、あの曲も聴いてみたくなりました。



相田“Mr.M”冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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華麗なる逆襲 (tofubeats remix)は通常盤に収録!

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