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SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2013.9.24更新

スタート直前! 『安堂ロイド』をめぐる二、三の覚え書き

謎に満ちた15秒の予告編
9月22日
  『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』の予告編15秒を見る。わからない。10回ぐらい繰り返して見たが、さっぱりわからない。
 若い。明るい。テンション。エナジー。ファニー。プリティ。若い。明るい。しかし、その印象が映像の筆致によるものなのか、ドラマ全体のフォルムなのか、あくまでもプロモーションとしてのイメージにすぎないのか。それがわからない。「かつまでやるってゆったろ」という声。おそらく劇的な場面なのだろうけど、血なまぐさいビジュアルなのに、悲痛な叫びというよりは、ある種の宣言、プレイヤーとしての選手宣誓のように響く。アニメーション『REDLINE』のボイスアクトのアプローチが、『ハウルの動く城』のときとまるで違っていて驚いたことを思い出す。キャラクターの違いではなく、アプローチの違い。今回のドラマは、どちらかといえば映画寄りの芝居になるのではないかと予想していたが、どうも違う。映画でもないし、ドラマでもないニュアンスのアプローチ。では、アニメーション? いや、既存のもので言えば、コマーシャルフィルムの感触に近い。だから、明るい。眼鏡のせいか? 白衣のせいか? よくわからない。たぶん、これまでとはまったく違うタイプの芝居になると思われる。
 とりあえず、いまの段階で思いつくことをメモしておこう。

人間の似姿、神の似姿
 一、木村拓哉を、誰かと、何かと、比較するべきではない。彼の表現には、先行する俳優史に参照すべき存在が見当たらない。だから、相違点を探ること自体が不毛。今回、要注意なのは、彼が二役を演じること。天才物理学者と、アンドロイド。殺される者と、護りに来るモノ。この両者を、比較することは慎まなければならない。同一の作品のなかで、木村拓哉と木村拓哉を較べることに、たぶん意味はない。差異によって浮上する表現には結局のところ限界がある。そもそも木村の表現は誰にも似ていない。しかしながら、アンドロイドは人間の似姿なのである。そして、人間は神の似姿だと言われている。つまり、このドラマは、誰にも似ていない木村拓哉が、似姿と似姿が織りなす万華鏡を醸成するということ。それだけに、どう見つめるかが肝要であり、フラジャイル(取り扱い注意)なのである。どう「似ている」か、ではなく、どう「似せた」のか、そのことに留意する必要がある。人間は、アンドロイドを、人間に「似せた」。神は、人間を、神に「似せた」。それがいったいどういうことなのか、思考しながら、木村拓哉、最新の演技を凝視したいと思う。
 二、だが、あえて比較しよう。SMAPのメンバーと。中居正広は、人物を顕微鏡でのぞきこみ、その「核」の部分を慎重に取り出し、育む。稲垣吾郎は、爪の先まで神経を行き渡らせながら、現前の世界をコントロールする。草剛は、動態としての自身をさらしながら、役を呼び寄せる。香取慎吾は、ただそこに立ちつづける。言い換えるならば、中居は植物学者のような強靭な繊細さを持ち、稲垣はコンダクター(指揮者)のごとき大らかな支配力を抱え、草はアスリートを思わせる求心と共振にわが身を投げ出し、香取はひたすら影として作品に豊かなグラデーションを付与する。
 木村拓哉は、潜りこむ。木村は言うなればダイバー(潜水夫)である。彼が今回、どこに向かって潜っているのか、それを見極めなければならない。木村拓哉の表現は素潜りである。酸素ボンベはない。マスクもない。シュノーケルもない。フィン(足ひれ)もない。あるのは肌だけ。あるのは身体だけ。だからこその挑戦に、心して臨む必要がある。

欠落があるから、知ることができる
 三、これは、現在と100年後の未来、ふたつの世界の物語になると思われる。こちらと、あちら。時間を超えること、空間を超えること。未来のモノが、現在に存在すること。木村拓哉が体現するアンドロイドは、そうしたことすべてを表象する必要がある。そして、そのことが「愛」を知っていくことにつながっていくはずだ。
 だとするならば、今回の木村には「欠落」が必要になる。時間を超えること、空間を超えることで、失われてしまったもの、あるいは、あらかじめ失われていたものが、その演技から見出されなければいけない。満たすのではなく、足りていない状態をかたちづくることが求められる。
 それらは決して、若さや明るさなどといった表象にとどまるものではないはずだ。あるいはテンションやエナジーといった短絡的なものでもないはずだ。さらに言えば、ファニーやプリティといった愛でる視線からもたらされるものでもないはずだ。
 似姿だからこそ、欠落しているものがある。しかし、イミテーションにはイミテーションのかなしみがあり、イミテーションのよろこびがあるに違いない。
 足りないものがあるからこその、固有性。はたして、それは何なのか。『安堂ロイド』は15秒の予告編を大胆に裏切るだろう。そして、裏切られたと感じたとき、初めて、木村拓哉、全力の表現を受け取れるだろう。

文:相田冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜
安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜

木村拓哉が天才物理学者とアンドロイドの2役で、時空を超えた愛に挑む!毎週日曜21時放送。

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