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第1回 高倉健 追悼特集

1931.2.16〜2014.11.10
追悼・高倉健さん
東映映画の高倉健・・・・・<健さん>ができるまで

文=映画評論家 尾形敏朗
※本文は東映キネマ旬報vol.24 (2015年冬号)掲載の記事と同内容となります

中学生観覧禁止だからますます見たくなる

網走番外地(1965年公開) 亡くなってから一凋開後に高倉健の死が発表されたとき、その虚を突かれたような驚きから、18年前の渥美清死去の時の気分を思い出した。プライバシーに秘密のベールをかけ、渥美清が〈寅さん〉という生涯の当り役に殉じたように、高倉健は、男の理想たる〈健さん 〉のまま、ふっと去って行ったような気がしたのである。

1960年代後半から70年代にかけ、高倉健は、全共闘世代の男性層を中心に時代を熱くした反体制ヒーローだった。70年秋、三島由紀夫の自衛隊乱入事件の時も、三島らは行く車の中で「唐獅子牡丹」を唄ったという。 ただし〈不良性感度〉を謳う東映任侠映画のヒーローゆえに、当時の人気は老若男女すべての層に広がっていたわけではない。 実際、私が中学生の頃は、やくざ映画を見ると不良になると観覧禁止だった。だからますます見たくなったわけだが。 〈俺たちの健さん〉が〈みんなの健さん〉になっていくのは76年に東映を退社してからである。より幅広い役柄を演じ「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」(共に77年)、「南極物語」(83)「鉄道員(ぽっぽや)」(99)、そして遺作「あなたへ」(2012)・・・・・国民的スターとして尊敬され愛された。ここでは〈健さん〉と呼ばれるに至る東映時代の出演作品について書いてみたい。
1955(昭和30)年秋の東映入社からはじまる俳優人生には、さまざまな出会いがあった。まず巨匠、内田吐夢監督。高倉の素質をいち早く見抜いた監督の一人だ。
森と湖のまつり」(58)で主役のアイヌの青年役に抜擢し、徹底的にしぼった。「お前の手は、アイヌの青年の哀しみを、出していないじゃないかッ」と怒鳴り、周りに聞こえるような大きな舌打ちをする。それは「僕の演技がそれ以上出来ないとみて、本当に僕を怒らせようとした」監督の作戦だった。そして、硬さは残るものの素朴かつストレートな演技につながる。北海道の大自然にもよく似合った。〈健さん〉が芽ぶいたのは、この映画からではないか。「さまざまな角度から僕を突ついて、演技ではない怒りや悔しさを引き出しながら、長丁場の撮影を続けてくれました。映画は本物の精神の苦しみや哀しみ、筋肉の痛みなどを必要とする厳しい仕事だと、最初に思い知らされた作品でした」と高倉は語る(*1)。
ちなみに高倉は前年「多情佛心」(小沢茂弘監督)でハーフの軟派なジゴロを演じている。差別に悩む設定が「森と湖のまつり」と似ていて、監督の高倉起用のきっかけかもしれない。
内田監督はまた「宮本武蔵」シリーズ(61〜65)では、萬屋錦之介(当時・中村錦之助)の武蔵に対する宿命のライバル佐々木小次郎に高倉を指名。名作「飢餓海峡」(65)でも犯人を追う刑事役に起用した。
それまで主演映画はあっても今一つ人気に勢いがなく、江利チエミの夫というレッテルが先行していた高倉健。しかし、この「飢餓海峡」と「宮本武蔵」シリーズ最終作「巌流島の決斗」が公開された65(昭和40)年は、一気に大ブレークした年となった。
網走番外地」(石井輝男監督)と「昭和残侠伝」(佐伯清監督)が大ヒット。前年には萬屋のピンチヒッターで主役を演じた「日本侠客伝」(マキノ雅弘監督)があり、3大シリーズが発進。以降、スクリーンいっぱいに映し出される(多くは真っ赤な)筆文字の「高倉健」が東映をリードした。
「網走番外地」の石井監督は新東宝在籍中は「地帯(ライン)」シリーズなど、テンポよくモダンで歯切れのいい演出で知られていた。東映に移籍した第一作「花と嵐とギャング」(61)で高倉と出会う。「ぼくは彼を見たとき、しめたって気がしました。パっと見て、いけるなあって感じがきたんですねえ」(*2)。三保敬太郎の軽快なジャズに乗せて、イキがよくてトッポいギャングを好演。そのキャラクターの気分が「網走番外地」につながる。

男が惚れる〈健さん〉は、愛すべきマザコンでもある

厳寒の網走刑務所。囚人ふたり(高倉健と南原宏治)が手錠につながれたまま脱走。線路の枕木に寝て、通過する機関車の車輪で手錠のチェーンを切る。「ひとりだ。ひとりになったぞ。自由になった!おっかさん、おっかさん、おっかさぁーん!」と叫び雪原に横たわる高倉。
この名シーンはテレビ局の追悼報道でも使われていたが「おっかさぁーん!」の叫びに胸を突かれる思いがした。
「お母さん。僕はあなたに褒められたくて、ただ、それだけで、あなたがいやがってた背中に刺青を描れて、返り血浴びて、さいはての『網走番外地』、『幸福の黄色いハンカチ』の夕張炭鉱、雪の『八甲田山』。北極、南極、アラスカ、アフリカまで、三十数年駆け続けてこれました。」・・・・・・これは高倉の名エッセイ『あなたに褒められたくて』の最終ページにある言葉だ。「望郷子守唄」(72・小沢茂弘監督)の同名主題歌も母を恋う唄である。
男が惚れる〈健さん〉は、愛すべきマザコンでもあった。母性愛をチクリと刺激し、女も惚れた。理想の男を高倉、理想の女には多くを藤純子(現・富司純子)に託して、名匠・マキノ雅弘監督の描く世界が、まさにそれだ。
日本侠客伝 斬り込み」(67)では、「あたし、好きになってしまったの・・・・・・」と藤が想いを告白するまで、終始無言で受け入れる高倉の顔の素晴らしさ。 「侠骨一代」(67)での高倉は、藤が演じる枕芸者に死んだ母の姿を求める。「そんなに見つめないでよ……やるせないじゃない」そして身を売ってまで男に尽くす。
昭和残侠伝 死んで貰います」(70)では「とめやしません。だけど、死なないでください。何年でも待っています。今度は、お願い。あたいだけの義理に、情けに生きてほしい」と殴り込む高倉をせつなく見送る。
これぞ正調マキノ節。こんな日本映画はもう現れない。

  • 昭和残侠伝 一匹狼
  • 昭和残侠伝 唐獅子仁義

殴り込みに向かう〈道行き〉の演技に見たストイック

「昭和残侠伝」シリーズでは、主題歌が流れる中、高倉と池部良の男二人が殴り込みに向かう〈道行き〉が、任侠映画を語るときの絶対的定番となった。第一作でそのシーンを実際に演出したのは当時助監督だった降旗康男(*3)。翌66年に監督昇進。第二作「地獄の掟に明日はない」(66)は、高倉が長崎の原爆症のやくざを演じる異色作だ。高倉とは遺作「あなたへ」まで、生涯の名コンビとなる。
新幹線大爆破 降旗監督「新 網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義」(72)では、刑務所の中で高倉が「昭和残侠伝 死んで貰います」を見る、というセルフ・パロディから始まっている。 高倉が映画の中で対決する憎い敵役と言えば、私は山本麟一のファンだった。高倉にとって山本は明治大学商学部の先輩。プライベートでも共に体を鍛え山野に籠り、つきあいも深かった。しかし撮影に臨む二人は、まさに真剣勝負。山本は次のように語っている。
「ラストの立ち廻りがあるだろう。その撮影が近づくにつれ、健ちゃんも俺も、だんだん口きかなくなってくる。二週間前から、そのために走りこんで体調を整えてな。男のギラギラしたエネルギーみたいなものが出てくるサ。それが一つの迫力になってたんだと思う」(*4)。
二人の壮絶な戦いを見るなら72年の「新 網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義」「昭和残侠伝 破れ傘」共にシリーズ最終作をおすすめしたい。
同じ年、東映任侠映画の花、藤純子が引退。翌73年1月には深作欣二監督・菅原文太主演の「仁義なき戦い」が大ヒット、東映は実録路線へとシフトしていく。高倉は俳優としての自分を見つめ直し、東映を離れてひとりの道を選ぶことになる。
そんな過渡期の75年に主演したのがパニック映画の傑作「新幹線大爆破」(佐藤純彌監督)。爆弾を新幹線に仕掛けた犯人グル―プのリーダー役で新境地を開く。駆け引きの緊迫、アクシデントの連続。とにかく面白さ抜群の映画だ。
78年、高倉は「冬の華」で2年ぶりに波しぶき東映マークに里帰りする。降旗康男監督の演出、倉本聰の脚本は、冒頭に池部良を登場させるなど、東映時代のイメージを踏襲しつつ、あしながおじさん的な物語を構成して、ちょっとフランス映画に似た香りを醸し出した。
この映画では小林稔侍の板前役が評判を呼んだ。以後、着実に演技を磨き、小林は名バイプレイヤーとして「鉄道員」「ホタル」(01)まで高倉健と共にあった。

修羅の果てにできあがった純粋100%の〈健さん〉

ところで72年の東宝映画に「初めての愛」(72)という青春モノがある。その中で加藤治子(当時50歳)が新宿の映画館の前で高倉の看板にうっとり見惚れるシーンがあった。
ライバル会社の映画にも登場するとは、当時の人気の程がうかがえるわけだが、この監督こそ、高倉が東映退社後「八甲田山」、「動乱」(80)、「海峡」(82)とコンビを組む森谷司郎だった。
2.26事件に材を取った「動乱」は吉永小百合との初共演も話題となった。事件後、死刑が決まり面会するシーンの素晴らしさは忘れられない。
向き合い、じっと見つめあう二人。縫いあがった着物を高倉の肩にかけ、着物の留め糸を抜きながら泣き崩れるまでの5分近い長回しは、張りつめた空気に想いがあふれ、必見。二人が流す涙も美しい。 共演した吉永をはじめ、俳優、スタッフたちは、現場での高倉健の集中力のすごさを一様に語っている。高倉にとって映画とは「本物の精神の苦しみや哀しみ、筋肉の痛みなどを必要とする厳しい仕事」。常に体を鍛えてコンディションを整え、役そのものになりきることにすべてを注いだ。
それにしても東映時代の〈健さん〉は、いったい何回血みどろの苦しみや傷を負い、何人の男を斬ってきたことだろう。山本麟一の発言にあるように、その演技が実体験と同じ感覚で人生の一部として肉づけされていったとすれば、〈健さん〉はそうした修羅の果てにできあがったものだ。
だからこそ、長い歳月が磨きあげた純粋100%の〈健さん〉は、見せるやさしさや心づかいも半端ではなかったのである。

<参考資料>

  1. *1:吐夢地蔵有志会編『吐夢がゆく』六甲出版
  2. *2:石井輝男・福間健二『石井輝男映画魂』ワイズ出版
  3. *3:志村三代子・弓桁あや編『映画俳優池部良』ワイズ出版
  4. *4:キネマ旬報社編『シネマ個性派ランド』キネマ旬報社

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