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本は優秀な娯楽

冲方丁さん
――『天地明察』『光圀伝』に続き、冲方さんが手がける歴史小説としては3冊目となる「はなとゆめ」が刊行されました。かの『枕草子』で有名な清少納言の生涯を描いた本ということですが。
執筆にあたって最初はさまざまなコンセプトを考えたんですが、最終的に落ち着いたのは清少納言という人物の視点で当時の文化風土を描いていくということ。彼女の人生自体が主である中宮定子との出会いを経てドラマチックになっていく、というものになっていますのでそれを素直に書いていくことを大事にしました。とくに強調したかった点は、彼女自身が最も辛く苦しい時代に、『枕草子』という最も美しいものを残していったということ。その部分をきちんと維持しながら、清少納言の心と自分の筆を同化させることに力を尽くしました。
――作品の一番の読みどころは?
 やはり清少納言が中宮定子と出会って関係性を築いていくところでしょうか。主従関係であり時に姉妹のようであり、お互いを信頼し合い、支え合う。清少納言は中宮定子の存在によって「枕を書く」という大きな使命を得ましたし、中宮定子は天皇への愛情を一番に理解してくれるかけがえのない人物を得た。女性同士の主従関係、上司と部下の理想の在り方、そこを軸に読んでいただくといろいろなことを感じてもらえると思います。

冲方丁さん
――冲方さんのブックライフについてお尋ねします。作家デビュー以前、幼少期から青年期にかけては本とどのように関わっていたのですか?
子どものころは父の仕事の都合で、シンガポール、インドネシアと海外で生活していました。ほとんど娯楽がないので、よく辞書を読んでいましたね。当時の僕が手に入れることができた日本語の書物はバラバラで、『ドラゴンボール』の12巻一冊とか、少年ジャンプ一冊とか、前後のストーリーがわからないからひたすら想像するんです。何度も読んで「きっとこういう話なんだろうな」と。でも、東南アジアと日本では文化形態が全然違うので『ドラえもん』の漫画の中にこたつとか出てきても、「これ何だろう?」と意味がわからないんですよ。学校に通うシーンなんかも「この人たちは車じゃなくて歩いて学校にいくんだ!」と驚いたりして(笑)。

――当時の冲方さんにとって、日本語で書かれた本を読むのは楽しみだったのでしょうね。
日本語に飢えていますからね。いまならネットでいくらでも読めるんでしょうけど、当時は居住環境に自分が知っている言語がひとつもないという状況でしたので。どうたとえたらいいのかな。海外の戦地に派遣された兵隊さんたちは、本国から送られてきた物資を包んでいる新聞を奪い合って読んだっていいますけど、それに近いかもしれませんね。読みたい、知りたい、触れたい。自分の国の言語というのは、その人にとって“栄養素”のようなものでもあると思います。

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――冲方さんならではの本の読み方はありますか?
“そのときにあるものだけ”で読むことができるというところでしょうか。たとえば『ハリーポッター』の第3巻だけで、前後を想像して読むことができるんです。シリーズものや漫画は全巻読むクセがついていなくて、書籍も端から端まで読むというよりは重要なポイントだけ拾い上げていくような読み方です。大昔の人が葉っぱをかじって、これは薬になるとかならないとかを吟味するように、断片的に話の内容を頭に入れながら“木(=本)”の生態を類推しているんです。要は、出回っている本が多すぎてそうせざるを得ない状況なんですよね。ただし「これはすごいぞ」という本は、何年もかけてじっくり読み込んでいきます。『神話の力』はその筆頭で、もう15年がかりで読んでいます。聖書などの類も折を見て読み返しますね。

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ゲーム感覚で読書を楽しめるkoboのバッジ機能

冲方丁さん
――楽天<kobo>を使ってみて、どんな印象を持ちましたか?
読んだ本の量や時間などによってもらえるバッジ機能、あれは非常にゲームっぽい感覚ですよね。ゲームって完全な二人称で、プレイヤーが行動しないかぎり何も始まらない、進まない。かなりの労力をプレイヤーに要求します。その代わりにアイコンや武器などの“ご褒美”を与えていくことで、先に進ませていきますよね。こういった二人称媒体の工夫がなされていることが非常に印象的でした。Koboの中にはあらかじめゲーム的なおもしろさが組み込まれているので、書籍を読む用途にだけとどめておくのはもったいないと思いますよ。たとえば、大学の講義や受験勉強への応用。学芸書や参考書などを入れて、自分がどの本のどのレベルにいるのか、バッジの種類や獲得数で把握できるようにするとか。小中学校でもKoboに教科書を入れて学んでいけば、はなまるがどんどん増えていく、1500文字の英単語のうち「あなたが覚えたのは30字です」と教えてくれる…とか、いろんなことができそうです。
――学術的な本をKoboの中に入れて読みたいなと思われたのですね。
そうすると、執筆の際の資料の読み込みもラクになりそうですよね。いまは、自分がどの範囲を網羅したかっていうのをいちいちページで追っていくのが大変で。さらにKoboで好きなページを自由に切り取れて、スケッチできたりすれば最高ですね。僕、自分の本の読み方で 「破く」というのがありまして…。必要なものだけ切り取り、まとめて自分だけの資料本をつくったりしているんです。昔、仕事の打合せ中にそれをやったら「本を大事にしろ!!」とめちゃくちゃ怒られてしまいましたけど(苦笑)。

――電子書籍も、今後いろいろな使い方の可能性がありそうですね。
いま、コーマック・マッカーシーの本を翻訳版で読んでいますけど、たまに原文が知りたいっていう時に洋文と和文をパパっと切り替えられるとか、英語だけでなくてフランス語やドイツ語、ハングルと自由に言語を行き来できると楽しいと思いますよ。あとは電子書籍にはビジュアルも差し込めるので、辞典が見られたらといいなあと。月や雲の写真、いろいろなものを入れてみたい。こうして考えていくと、使い方のアイデアが尽きないですね。
電子書籍

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冲方丁さんのオススメBOOKS

善とは何か、正義とは何か、生きるとは何かを問いかける3冊
  • 『ザ・ロード』
    コーマック・マッカーシー 著
    おすすめコメント
    文明が滅び、その中で主人公である父親と息子が延々と辛い旅を続けていくというロード・ノベル。食べるものが何もない、人が人を食っていくという不毛の世界で、いかに人を食わずに「人」でいられるか。人間の価値観はどこから来ているのかを考えさせられる作品。
  • 『これからの正義の話をしよう』
    マイケル・サンデル 著
    おすすめコメント
    著者のサンデル教授は、アメリカの名門・ハーバード大学で最も人気のある授業を受け持つ政治哲学者・倫理学者。カントの哲学をこのようにわかりやすく書いた本を初めて読みました。哲学の入門書としても大変素晴らしいと思います。
  • 『神話の力』
    ジョーゼフ・キャンベル 著
    ビル・モイヤーズ 著
    おすすめコメント

     「人間が自分の中に 『幸福』を求めた時にどんな障害が発生するのかということを神話が論じている」というのが、神話学者・ジョーゼフ・キャンベルの言葉。インタビュアーであるビル・モイヤーズとの 対談形式でつづられています。この本を買ったのが20歳の時。何度読み返したかわかりません。

プロフィール

冲方丁さん(うぶかた・とう)
1977年岐阜県生まれ。1996年、大学在学中に『黒い季節』で第1回スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。ゲーム、映像、コミック、小説とメディアを横断した執筆活動を精力的に行う。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞を受賞。2009年、初の時代小説『天地明察』、続いて2012年『光圀伝』を刊行。最新刊は11月8日発売の『はなとゆめ』(角川書店)。
冲方丁さん

編集後記

冲方さんの歴史小説最新刊『はなとゆめ』の背景を伺うことができて、とても貴重なインタビューとなりました。冲方さんには、ゲーム感覚で読書を楽しめるKoboのバッジ機能に注目していただき、こんな機能があったら便利!というユニークなアイデアもいただくことができました。

冲方丁さんにお使いいただいている、電子ブックリーダー「Kobo Aura」はこちら→

※お話頂いた内容は Kobo Auraをご利用いただいた感想です
機種によって操作内容が異なる場合があります。

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