トップ > 電子書籍 > 開催中のイベント > 気になるあの人の読書生活 第15回 木下半太さん

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負け犬の一発逆転劇『サンブンノイチ』

木下半太さん
――『サンブンノイチ』は、木下さんが主宰する劇団の舞台脚本だったとか。
『サンブンノイチ』はもともと三人芝居で、ワンシチュエーションでストイックなものができないかっていうところで僕が脚本を書き、大阪で小さな劇場を借りてやったのが始まりなんです。お客さんの評判も良かったんで、34歳で上京したときに「またやろか」って話になりまして。たまたま劇団員の中にキャバクラのボーイのバイトをしてる子がいて、オープン前のキャバクラを借りて芝居をしたんですよ。でも怪しいじゃないですか、キャバクラ公演なんて。そんときは、お客さん10人くらいしか入ってなかったですね(笑)。
――この作品のテーマとは?
ズバリ、負け犬の一発逆転。銀行強盗に関わる負け犬たちがたくさん出てきますけど、これは決してアウトローなネタではなくて、どこの誰にでもあてはまるテーマだと思うんですよね。だって、今自分がいる場所が本当に満足できると思える人間ってほんの一握りじゃないですか。僕自身も含めてみんな何かしら自分を変えたい、這い上がりたい、のし上がりたい、輝きたいと思っているはずで…「もっともがいてもがいて、でっかい夢を叶えようぜ」っていうメッセージを作中に込めてます。
――品川ヒロシさん脚本・監督の映画の出来栄えについてはいかがですか?
彼はやっぱり芸人さんですよね。芸人さんって僕もたまに自分の小説に登場させるんですけど、長い長い下積み時代で悔しい思いをたくさんして、そこからどんな手段使っても一発逆転狙っていくっていう仕事だと思うので。とくに「負け犬が這い上がっていく」っていう部分は普通の監督よりもものすごくリアルに描けているんじゃないかと思いました。愛を感じましたよね、負け犬たちへの強い愛を。

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人に見せびらかしたくない本を電子書籍で

木下半太さん
――木下さんの本にまつわるエピソードを教えてください。
僕自身片親で、小学5年生のときに飛行機の事故で突然父親を亡くしたんですよ。それまでは生徒会長やるような超優等生だったんですけど、「人間明日死ぬこともある」と悟ってから僕の反抗期が始まりまして。かといって母親には反抗心を向けられず、さらに野球部だったので不良になるわけにもいかず…。どうしたかっていうと、授業中にわざとジャズ聞いてみたり、小難しい本を読んでみたりしたわけです。野球部の丸刈り坊主がですよ(笑)。ただもう大人になりたくて知的に見せたくて、でもお金もないし図書館の本を片っ端から読んだんですよ。アガサ・クリスティ全巻読破とか。そんなことしてたら学校の図書週間のときに校内放送で「野球部の木下君のように本をたくさん読みましょう」と表彰されちゃいまして。どんだけマジメやねん! みたいな(笑)。
――木下さんにとって本とは?
僕の中心にあるのは映画。映画を撮るっていう夢を叶えるために小説を書いてます。最近思うのは、小説こそが理想の映画に近いんじゃないかって。なぜなら、小説の中でいくらヘリ飛ばそうが潜水艦出そうが“予算ゼロ”なんですよ。実際に映画の世界に関わると、車一台走らせるにも予算的に「ちょ、ちょっと待って下さい!」みたいな。たとえば僕が今読んでる『帰ってきたヒトラー』をハリウッドで映画化するとしたら、まずヒトラーに似た俳優を探さないとあかんし、しかも無名の役者だと観客動員できないからそれなりの主演を用意することになるでしょ。しかもヒトラー役をブラピが喜んでやってくれるんならいいけど、エージェント的に絶対難航するじゃないですか。おそらくあのハリウッドでさえもいろんな制限・工夫の中で映画をつくっているわけですよ。そういう意味で小説を読むとゾンビが何匹出てこようと、ギャラはゼロ。かといって、ゾンビが100匹出てきたからって面白い作品になるわけじゃない。『サンブンノイチ』はキャバクラを舞台にしたワンシチュエーションストーリーですけど、小説も映画もそういういろんな制限やしばりがある中で描くからこそ面白い作品が出来ると思うんですよね。
木下半太さん
――楽天Koboを使ってみて、何か思うことはありますか?
めっちゃ軽い! 目がまったく疲れない! 欲を言うと、ビジュアルがもっと紙の本に近いといいですよね。パチンと閉じたり開いたりできるような。本って“知的アクセサリー”のひとつだと思うから、「あ、あの人本読んでる。しかも小難しそうな内容の」っていうのが傍目からわかると、使う人がもっと増えていくんちゃうかなあ(笑)。逆に読んでても“知的アクセサリー”にならないし、持ち歩けない漫画とかは電子書籍にぴったりだと思うんですよ。だって『ワンピース』60巻とか絶対に持ち歩くのムリでしょ。僕、ポルノも読みますけどそういう人に見られて恥ずかしい類の本とか狙い目かもしれないですね(笑)。

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木下半太さんのオススメBOOKS

一気に読み進めたくなる痛快サスペンス

  • 『復讐はお好き?』

    カール・ハイアセン 著


    セリフが秀逸。ユーモアサスペンスですが、ユーモアの度合いが抜群で、自分の作品づくりの参考にしています。

  • 『スティック』

    エルモア・レナード 著


    あのタランティーノが敬愛する作家。小悪党を書かせたら、レナードの右に出る者はいないと思います。

  • 『悪夢の観覧車』

    木下半太 著


    僕の3作品目ですが、自分でもなぜこの作品が描けたのが不思議なくらいよく出来てます(笑)。この作品に出てきた人物が『ブンノイチ』シリーズにも登場するので、そのあたりも楽しんでもらえるはず。

プロフィール

木下半太さん(きのしたはんた)
1974年大阪府生まれ。劇団「渋谷ニコルソンズ」主宰。映画専門学校を中退後、脚本家、俳優として活動を始める。2006年『悪夢のエレベーター』(幻冬舎文庫)で作家デビュー。『サンブンノイチ』(角川文庫)が、品川ヒロシ脚本・監督のもと映画化。2014年4月1日全国一斉ロードショー。
木下半太さん

編集後記

木下さんの、「知的アクセサリーの一つとしての電子書籍」という視点はとても興味深い意見でした。
想像力を限りなく広げられる読書をサポートする便利なツールとして、皆さんにKoboをどんどん使っていただきたいと感じました。
kobo aura

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