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2014年11月5日更新

楽天Koboブックエキスパート 本のフルコース

楽天Koboのブックエキスパートが選ぶオススメの本をフルコース仕立てでご紹介!本日のコース料理は『国内ミステリーのガストロノミー』になります。ご堪能ください。

前菜

5つのオチを楽しむアミューズ 人情噺寄せ「やさしい死神」

やさしい死神

「死神にやられた」昏倒した師匠のことばの意味は?同じ時刻に来る救急車要請のいたずら電話の謎は?

噺家,寄席,裏方の人びと…ちょっと珍しい、落語の世界を舞台にした連作短編集です。部員ひとり・編集長ひとりの落語専門誌「季刊落語」編集部が総力を挙げて(※2人)事件を解決!最新第3巻となる本作では、編集部員・間宮さんの探偵としての成長も楽しめます。でも落語に限らず物知りで頼れる編集長・牧大路さんとの掛け合いももっと見たいです。

なおメニュー名の「寄せ」は「寄席」とかけております。お後がよろしいようで。

スープ

MIT産天才による冷製(クール)謎解き「Q.E.D. 証明終了 32巻」

Q.E.D. 証明終了 32巻

初回掲載から15年以上を数える、ミステリーコミックのロングセラー。1巻に2作品ずつ収録されているボリューム感も大好きです。主人公の燈馬想くんは飛び級でMITを卒業後、日本の咲坂高校に編入という経歴の持ち主のため、ポアンカレ予想など数学にまつわる謎も何作か出てきて興味深いです。(たとえ数式が全然分からなくても!)

ご紹介の32巻は「マジック&マジック」と「レッド・ファイル」収録。愛すべき準レギュラー・咲坂高校ミステリ同好会メンバーも、億万長者アラン・ブレードさんも出てこないのですが、非常に珍しい燈馬くんの表情が見られる「マジック&マジック」が大好きなのです。なお燈馬くんの母方の従弟・榊森羅くんの活躍は「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」シリーズで楽しめます。

肉料理

毒舌混じりの回想重ね焼き 抹香風味「神様の裏の顔」

神様の裏の顔

魚料理は第34回横溝正史ミステリ大賞受賞作です。せっかくなので「poissonポワソン」(魚)と「poisonプワゾン」(毒)の日仏バイリンギャグでも絡められたらよかったのですが、毒殺ネタというより登場人物たちの毒舌モノローグがメインです。

多くの人に慕われ尊敬されていた元・校長の通夜の席、親族や参列者による故人の思い出を回想を繋ぎあわせていくと、とても聖人とは言えない故人の意外な行動が浮かび上がってきた…?

だんだん核心という名の味に辿り着く過程の、ユーモア混じりでテンポの良い読(食)感もすばらしいです。

肉料理

謎の屍体 メッセージ添え ロンドン風解剖学(アナトミー)仕立て「アルモニカ・ディアボリカ」

アルモニカ・ディアボリカ

肉料理はこちらしかないでしょう!聖ジョージ病院の外科医で解剖学の先駆者、ダニエル・バートン先生が活躍する、第12回本格ミステリ大賞受賞「開かせていただき光栄です」待望の続編です。

舞台は前作から5年後、1775年のイギリス。今回は胸に「アルモニカ・ディアボリカ」(悪魔のアルモニカ)と記された死体の謎に迫ります。弟子の肥満体(ファッティ)ベンに骨皮(スキニー)アルも息災そうで何よりです。1775年というと産業革命初期。アメリカ独立戦争が始まり、イギリスも大きな変化のうねりの中にありますが、そんな当時のロンドンの様子もうかがえる長編歴史ミステリーの良作です。

なお杉田玄白「解体新書」が世に出たのが1774年。解剖に縁のある時代設定ですね。

デザート

チョコレート盛り合わせ「銃とチョコレート」

銃とチョコレート

富豪の家から次つぎ盗まれる金貨や宝石。怪盗が残していくという、「GODIVA」と記されたカード。怪盗を追う名探偵・ロイズと、探偵に憧れる少年・リンツ…ワクワクするような大冒険が始まりそうな導入ですが、どっこいそうは行かない意外な展開に、ページをめくる手は止まりません。

それにしても、子どもがチョコレートやお菓子を食べたいなあと憧れに満ちた目でお店に立つ描写って、映画でも小説でもどうして胸を切なくさせるのでしょうか。リンツ少年と周囲に、幸せとチョコレートが満ちますように!と祈りつつ、楽しかったディナーを終えましょう。ごちそうさまでした。

裏メニュー

「ビストロ・パ・マル」のヴァン・ショー(ホットワイン)「タルト・タタンの夢」

タルト・タタンの夢

「パ・マル」は、シェフを入れた従業員がたった4人の小さなビストロ。フランス語で「悪くない」を意味するこの店には、多くの客と、ときどき料理にまつわる不思議な謎が訪れます。

謎に関する相談の場面や、関係者の告白の場面に、よく店長の三舟シェフから出されるのが、このヴァン・ショー(ホットワイン)。ワインをスパイスとともにお湯で割り、オレンジやレモンを添えたこの飲み物は、なんとメニューには載っていないお店の隠れ名物だそう。

温かいヴァン・ショーで人びとの心も謎もほぐれ、「パ・マル」に元の穏やかな時間が流れると、読み手の自分もほっとした気分になれます。

いかがでしたか?美味しい料理との出会いも、良い本との出会いも、舌や目だけではなく五感で喜びを感じるような、いわば快楽ではないでしょうか。じっくりお楽しみいただけたなら幸いです。あなただけのフルコースも、楽天Koboの本棚に作ってみてくださいね。本日は、ご来店まことにありがとうございました。

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