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日本財団 『これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~』

スペシャル特集vol.04ジャンル別インタビューシリーズ「社会」編集者・ジャーナリスト / TOKYObeta Ltd. 代表取締役 江口晋太朗氏

ジャンル別インタビュー「社会」

『これも学習マンガだ!』の11ジャンル(※)を1ジャンルごとに各ジャンルの専門家が紹介するインタビュー企画。第3 弾は「社会」ジャンルを取り上げます。編集者・ジャーナリストである江口晋太朗氏に「社会」選書作品についての感想や、マンガから見えてくる社会と個人の在り方について語っていただきました。
(※)「文学」「生命と世界」「芸術」「社会」「職業」「歴史」「戦争」「生活」「科学・学習」「スポーツ」「多様性」の11ジャンル

プロフィール

  • 江口晋太朗
    江口晋太朗(Shintaro Eguchi)
    編集者・ジャーナリスト /
    TOKYObeta Ltd. 代表取締役
    1984年生まれ。福岡県出身。情報社会の未来やソーシャルイノベーション、参加型市民社会のあり方などをテーマに、企画制作やプロデュース活動、リサーチ、メディア運営を行うTOKYObeta Ltd.代表取締役。
    コミュニティデザインマガジン「マチノコト」を運営するNPO法人マチノコト理事、アートプロジェクトを推進する特定非営利活動法人インビジブル理事、インディーズ作家を支援するNPO法人日本独立作家同盟理事などを務める。
    ネット選挙解禁に向けて活動したOne Voice Campaign発起人。Open Knowledge Foundation Japan、Code for Japanのメンバーとしてオープンガバメントを推進する活動も行う。著書に『ICTことば辞典』(三省堂)『パブリックシフト ネット選挙から始まる「私たち」の政治』(ミニッツブック)など。
  • 山内康裕
    聞き手
    山内康裕(Yasuhiro Yamauchi) 『これも学習マンガだ!』選書委員
    1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了。2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。
    イベント・ワークショップ・デザイン・執筆・選書(「このマンガがすごい!」等)を手がける。また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、マンガに関連した施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「池袋シネマチ祭」など。「DOTPLACE」にて『マンガは拡張する』シリーズを連載中。「NPO法人グリーンズ」監事、税理士なども務める。

不条理との向き合い方を学べるマンガ

山内 江口さんにとってマンガは子どものときから身近なものでしたか?

江口母親がマンガ好きだったので家にマンガがたくさんありました。母はスポ根好きで、『キャプテン』は家にありましたね。野球部という組織を描いていて、少年マンガにありがちな必殺技が出なくて、主人公が鈍くさい(笑)。現代的な野球マンガから逸脱してて、面白い作品ですよね。幼稚園のときには既に家に「週刊少年ジャンプ」(以下、ジャンプ)がありました。それからジャンプ王道系作品の単行本のほとんどは収集していました。

山内 マンガ好きには実にうらやましい環境ですね(笑)。

江口ONE PIECE』が始まった頃がちょうど中学生だったかな。その頃には「週刊少年サンデー」(以下、サンデー)「週刊少年マガジン」(以下、マガジン)にも手を出し…。『キャプテン』以外にも母が『Major』『サラリーマン金太郎』『はじめの一歩』を買ってたのですが、実は本人はスポーツができないんですよ(笑)。だから作品の世界に没入できるらしいとか。私は少年マンガ以外も幅広く読んでいて、『彼氏彼女の事情』とかも読んでました。
私は今ちょうど31歳なのですが、ジャンプ黄金世代のときに小中学生で、マンガ以外では、ファミコン、スーパーファミコン、プレイステーションなどのゲームも一通りなぞっている世代。いわば、豊かなコンテンツ文化を浴びてる年代だと思います。基本的に18歳まではそういうのしかやってこなかったので、文芸書などのカタイ本は一切家にありませんでしたね。

山内 今はどれくらいマンガを読んでいますか?

江口マンガ雑誌は一通りチェックしていますね。「ジャンプ」「サンデー」「マガジン」「ヤングサンデー」「ヤングマガジン」「ヤングジャンプ」「スピリッツ」「モーニング」「イブニング」「チャンピオン」など、改めて、自分でもよくマンガ読んでるなと思いますね(笑)。発売曜日をチェックしていて、行けるタイミングでコンビニに行く。もう習慣ですね。もちろん気にいった作品は単行本も買っています。

山内相当ですね(笑)。では、その中でもどういう作品が好みですか?

江口最近は青年誌好みになってきています。少年誌の作品は昔のもののほうが好みかな。でも、 ジャンプで連載中の『僕のヒーローアカデミア』はジャンプ王道のヒーロー像作ろうとしている感じがあるので注目しています。あとは意外と動物マンガも読みます。いまだと『いとしのムーコ』、連載が終了した『チーズスイートホーム』など、ほのぼのとして好きですね。あとは『バーテンダー』。この作品は「これも学習マンガだ!」に入ってきてもいいのかな、とも思います。他には『悪の華』や『』など人の心の闇や葛藤を描いている作品も好きです。

山内ジャンルを問わず幅広く読まれていますね。

江口マンガはその時代を反映していると思っていて、できるだけ色んなジャンルを読もうというスタンスでいます。その時代とその年代の人に受け入れられているもの、関心を持たれているものを知りたいと常々思っています。加えて、青年誌系のマンガの中には作者の視点で世の中をどう見ているのかを知ることができる作品があるので注目しています。『重版出来!』『王様達のヴァイキング』なんかがそうですよね。現実世界をなぞりながら、働く現場の様子や技術の発達と人のあり方、心理描写や悩みを表現している作品に惹かれるのかもしれません。

山内そんなマンガ通の江口さんから見て、「これも学習マンガだ!」の意義ってどういうところにあると感じますか?

江口昔の人が持っていた、職業観や倫理観、未来観、目指していた世界を知ることができるという点で意味があると思います。そうした視点で読むとマンガを読むときの指針になると思います。「社会」のラインナップで言うと、心をざわつかせる内容のものが多いので、ハッキリ言って、読後感がスッキリしないものもある。誰しも、自分に都合の良いものだけを情報選択しがちですが、「これも学習マンガだ!」をフックに、「痛みはあるけど考えさせられる」という体験を提供できれば良いのではないでしょうか。あとは、作品を読んでおしまいにするんじゃなくて、読んでからの共有体験があるといいかもしれません。例えば、学校で感想を発表しあうのって難しいんですか?

山内今後はそういう取り組みも積極的にフォローしたいと思っています。ただ、嬉しいことに、今、全国の高校図書館から問い合わせをたくさんいただいていて、中には実際に図書館で選書作品を紹介する棚を作ってくれているところもあります。高校生の将来の選択や自分がどう生きていくのか?を考える時の手助けとなっているという報告もありました。

江口人が社会で生きていく中で、例えば、人と人との摩擦の中で生まれる不条理なものを目の前にした時に、自分ひとりで解決するのは難しいですよね。そんな時にマンガでその不条理との向き合い方を追体験して学ぶのはとても良いことだと思います。

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