ページトップへ戻る
  • フェイスブックでシェアする
  • ツイッターでシェアする

日本財団 『これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~』

生き方、死に方を問う作品たち

山内 すでにたくさんのマンガを紹介していただいていますが(笑)、最後に改めて江口さんのおすすめマンガを教えてもらえますか?

江口 「社会」という切り口を意識して何冊か持ってきました。まずは『ザ・ワールド・イズ・マイン』。 人間の贖いきれない自然の脅威やメディア論など様々なメタファーが含まれている作品です。これも90年代の作品ですね。個を失った烏合の衆としての大衆が描かれているのですが、それが今のソーシャルメディアの「炎上」ととても似ていて、ハッとさせられます。強烈な個をもった2人が自分たちのやりたいこと、世の中に訴えたいことを社会に切り込んでいく。切り口は違いますが、『沈黙の艦隊』に通じるものがあると思います。いろんな感情が生まれる作品です。

山内 この作品、読むのに体力使いますよね。

江口 このインタビューの話をもらって、改めて読み直したんですが、全部読むのに2日かかりました(笑)
他には『太陽の黙示録』が好きです。聡明な主人公が第三国を作るという話ですが、まず未曾有の大地震によって日本が真っ二つになるという設定がすごいですよね。また、最後には環境問題や国のありかたを考えされるような話が出てきます。日本が分断されて、パニックの中で人がどう動くのかをシミュレーションしているマンガでもあります。三国志をモチーフにした作品なこともあり、とても好きな作品です。

山内 他にもってきていただいたのは…『レッド』ですか。

江口 これこそその時代を直接的に反映している作品ですよね。日本ではまだ数少ない近代の歴史の出来事を微細に表現している作品です。しかも、この作品の舞台は60年代から70年代の日本を舞台にした全共闘の話です。全共闘に関する書籍は一般書ではたくさん出ていますが、マンガでこれを題材にしたものは珍しいと思います。特に秀逸だと思うのが、人が死ぬ順番でナンバリングされているという表現手法。そして、そこに生きている当時の人たちの圧倒的な躍動感。人間は必ず最後は死ぬということを表現しながら、どういう風に生きて、どのように考え、どういう風に死ぬか?ということを描いているんですよね。

山内まさに、社会と個を行き来する人間のありかたを考えさせる作品ですね。私も改めて読んでみたくなりました。本日はたくさんの興味深いお話しをお聞かせいただき、ありがとうございました。

構成・編集 岩崎 由美

対談中に紹介された作品一覧

  • フェイスブックでシェアする
  • ツイッターでシェアする
このページをお友達に教える
  • ツイート
現在地
トップ > 特集 > スペシャル特集vol.04:ジャンル別インタビューシリーズ「社会」

オススメのキャンペーン&特集

もっと見る

  • 買い物かご
  • お気に入り
  • 閲覧履歴
  • 購入履歴
  • クーポン