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日本財団 『これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~』

マンガは夢のかたまり

橋本これもびっくりしましたよ。『ヒノコ』。

山内面白いですよね。漢字が苦手な子もこれを読んだら、苦手意識がなくなるかも。

橋本 そうですよね。これも解説は本当にわずかで、あとは全部ストーリー。でも、漢字がストーリーの一番大事な要素として使われていて、ちゃんと少女マンガ的に自然に盛り上がりを作っているわけです。だから一部分を読むだけでも漢字に興味を持てると思うんですよね。いわゆる昔ながらの学習マンガで良くないと思うのは初めから順番どおりに全部読んでいかないと理解できないところ。つまみ食いができないんです。

山内ヒノコ』もそうですが、雑誌連載をしているマンガは一話一話の完成度をシビアにみられることが多いんだと思います。一話ごとに評価をされて、評価が低いと打ち切りになってしまう可能性がある。そういう背景もあって部分的に読んでもエッセンスがすぐわかるような作品が多いんだと思います。

橋本学校の歴史の教科書は時系列にきっちり並んでて、最初から順番通りに進むじゃないですか。僕は世界史を途中でやめちゃったからギリシャまでしか知らなくて(笑)でもNHKの大河ドラマみたいに人間に焦点を当てると、ひとりの主人公がその時代をどう経験していったかというその人の視点で語られるから面白いんですよね。

山内人の視点のほうがやっぱり感情移入をしやすいですもんね。

橋本 教科書って神の視点なんですよね。「この時代はこれがあった」と滔々と語られて。ありがたいお経をいただきます、みたいな。だから眠くなるわけでね。例えば、仏教を学ぶって言っても手塚治虫の『ブッダ』を読むか、大乗仏教の経典を読むかで全然違うわけですよ(笑)目標が違うから仕方がないのかもしれないけれど、入口としてはどっちが最適かは明らかですよね。

山内SF短編集の『アフター0』はどう読みましたか。

橋本 宇宙で生活したらどうなるのか?というようなマンガはもともと好きでたくさん読んでいるんですが、僕の場合は科学の視点で実現可能か検証しながら読んじゃいますね。例えば宇宙空間にこんなでかい大仏を上げるのは可能なのかとか。ストーリーを追うのは二の次になっちゃいます。

山内そういう読み方ができるのはうらやましいです(笑)

橋本 もちろんフィクションとは分かっているんです。でもそれがどれぐらいの実現性があるのかというのを想像して楽しむところはやっぱりあります。そうだそうだと同意をすることもあれば、自分だったらどうするかなと考え込んでしまうことも。

山内昔のマンガを読んでいて、当時空想で描かれたこの技術はそろそろ実現可能だと思ったりすることも?

橋本 それもありますね。最新技術のニュースを見て「これってあのマンガに出てきたやつだ」って気づいたり。マンガにはそういう共通の話ができる土台みたいな意味がありますよね。「それって『ドラえもん』のあの道具だよね?あれからもう30年経ってるの!?」とかね。やっぱりマンガは夢のかたまりですから。実際は形がないものでも、マンガにするとこういう風な形になり得るんだっていうことを示してくれる。『ドラえもん』はその集大成ですよね。タイムマシーンっていうと普通、大きな宇宙船のような形を想像するけど、引き出しを開いたらとか、風呂敷かけてとかね、マンガだとそういう風になっちゃうわけですよ。

山内そういうマンガ的な表現にインスピレーションを得ることってあるかもしれないですね。

橋本 マンガには先見性がありますよね。マンガはアイデアの宝庫。そのアイデアの99.9%がとんでもないものなんですけれど。でも、ひとつひとつ検証していくと、そのなかでも実現するものがある。そういう点は、科学の研究を進めていく姿とすごく似ている面があるんです。マンガのとんでもないアイデアへの突っ込みどころが科学の入り口になっていることもある。そうやってどんどん突っ込みを入れたりして、科学に親しみのない人が科学について気軽に話しえるような状況が広がれば理想的ですね。

構成・編集 岩崎 由美

対談中に紹介された作品一覧

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