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日本財団 『これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~』

スペシャル特集vol.09ジャンル別インタビューシリーズ「職業」 認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長 工藤啓氏

ジャンル別インタビュー「職業」

「これも学習マンガだ!」の11ジャンル(※)を1ジャンルごとに各ジャンルの専門家が紹介するインタビュー企画。第8弾は「職業」ジャンルを取り上げます。若者を対象にした就労支援を行っている認定特定非営利活動法人 育て上げネット工藤啓氏に「職業」ジャンルの選書作品の感想や、子どもの世界を知るためのマンガの活用法についてお話を伺いました。
(※)「文学」「生命と世界」「芸術」「社会」「職業」「歴史」「戦争」「生活」「科学・学習」「スポーツ」「多様性」の11ジャンル

プロフィール

  • 工藤啓
    工藤啓(Kei Kudo)
    認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
    平成13年 Bellevue Community Collage(米国)卒業
    同年、ニートやひきこもりなど就労に対して困難さを抱えている若者を対象とした若年就労支援団体「育て上げ」ネット設立、平成16(2004)年NPO法人化。
    すべての若者が社会的所属を獲得し「働く」と「働き続ける」を実現できる社会を創るというビジョン実現のために「若者と社会をつなぐ」ことをミッションとする。同時に、事業型NPOの先駆けとして、行政・企業・NPOのセクターを超えた生態系創出を広範な視点をもって推進。
    金沢工業大学客員教授。東洋大学非常勤講師。一億総活躍国民会議委員、内閣府「パーソナル・サポート・サービス検討委員会」委員 、厚生労働省「地域若者サポートステーション事業の今後の在り方に関する検討会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等を歴任。著書は「NPOで働く−社会課題を解決する仕事−」(東洋経済新聞社)「大卒だって無職になる−“はたらく”につまずく若者たち−」(エンターブレイン)、「無業社会-働くことができない若者たちの未来-」(朝日新書)など多数。
  • 山内康裕
    聞き手
    山内康裕(Yasuhiro Yamauchi) 『これも学習マンガだ!』選書委員
    1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了。2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。
    イベント・ワークショップ・デザイン・執筆・選書(「このマンガがすごい!」等)を手がける。また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、マンガに関連した施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「池袋シネマチ祭」など。「DOTPLACE」にて『マンガは拡張する』シリーズを連載中。「NPO法人グリーンズ」監事、税理士なども務める。

社会問題はまず知ってもらうことから

山内まず「育て上げネット」について教えてください。

工藤ひきこもり状態の若者や少年院の退院者など働いていない若い世代に対して社会参加や就労を支援するNPOです。現在は小学4年生から中学3年生までの経済的に苦しい家庭の子ども約120人とその保護者への支援や、全国約100の高校に授業をしに行って生徒さんと将来の話をする活動も行っています。

山内「これも学習マンガだ!」では希望の図書館や書店に無料で冊子等をお配りしているんですが、高校図書館からの問い合わせが一番多いんですよ。特に今回お話を伺う「職業」ジャンルの作品は進路に悩む高校生向けに高校図書館が独自に特集を組んで紹介いただいた例もあります。高校生のように社会との関わり方を意識し始める年齢の人たちに自分の知らない世界やさまざまな職業を知ってもらいたいという想いを込めて作品を選んだので、この反響はとても嬉しかったです。

工藤そうなんですね。「職業」で選ばれている13作品を見てみると、特定の職業そのもののことが分かる作品が選ばれている印象ですね。例えば消防士という比較的メジャーな職業のことが分かる『め組の大吾』とか。ただ「職業」という言葉に縛られずに、もう少し広く考えることもできるかなと思ってまして、今回この取材を受けるにあたって僕なりに職業や働くことに付随するテーマで4作品を選んできました。

山内ありがとうございます。ぜひ、教えてください。

工藤まずは認定NPO法人フローレンスの活動を題材にしている『37.5℃の涙』。まだまだ知られていない病児保育の現場を描いています。フローレンスや育て上げネットに限らず、NPOには2つのミッションがあるんです。ひとつは問題を解決するというミッション、もうひとつは問題を社会化するというミッション。問題を社会化するというのは、問題を多くの人に知ってもらって、みんなの問題として認識されることです。この『37.5℃の涙』はまさに問題の社会化のきっかけとなるような作品だと思います。マンガというエンターテイメントの力を使って「こんなのもあったんだ」ともっと気づいてもらえる状況を作り出したいですね。

山内そうですね。実際僕もこの作品で病児保育士のことを初めて知りました。

工藤中卒労働者から始める高校生活』は働きながら通信制高校に入学する高校生が主人公の作品です。働きながら学校に通う彼らの苦しみというのは当事者でないとなかなか知ることができないものでもあります。「正社員は安定している」「30代にもなってファストフード店で働くのってちょっと…」等、働くことや職業に関してなんとなく社会で共有されている価値観ってありますよね。でも、そもそも素晴らしい職業って何なのでしょうか。「学歴って何なんだろう」とか「大学を出た方がいいのか」とか、もっと言うと「幸せって何か」みたいな話が「職業」より手前にあるはずなんです。

山内確かにそうですね。

工藤次に紹介したいのは『双子の親になりました』です。実は僕、9か月前に双子が生まれまして。4歳と2歳と1卵生の双子で全員男の子。4人の息子の父親です。妻はいわゆるワーキングマザーです。このマンガを読むと、いかに多子世帯におけるワークライフバランスが難しい問題であるかが良く分かります。

山内確かに、双子が生まれると生活が一変しそうですね。家族を持つ前に知っておくと良いテーマかもしれません。

工藤最後に紹介したいのは『モリのアサガオ』。日本には死刑制度があって、誰かが法的に誰かの命を奪わなきゃいけない。誰も人の命を奪う仕事なんてやりたくないですよね。でも誰かがやっぱりそれをやっている。戦争マンガにみる職業軍人もそうですけれど、これって本当に職業として必要なのかとか、人の命を奪う事が仕事となっていいのかという話や社会制度の問題など非常に考えさせられる作品だなと。

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