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日本財団 『これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~』

ジャンル別インタビューシリーズ歴史東海大学文学部ヨーロッパ文明学科・専任講師 柳原伸洋氏

ジャンル別インタビュー「歴史」ジャンル

「これも学習マンガだ!」の11ジャンル(※)を1ジャンルごとに各ジャンルの専門家が紹介するインタビュー企画。第10弾は「歴史」ジャンルを取り上げます。東海大学文学部ヨーロッパ文明学科・専任講師の柳原 伸洋氏に「歴史」ジャンルの選書作品の感想や、マンガを活用した講義についてお話を伺いました。
(※)「文学」「生命と世界」「芸術」「社会」「職業」「歴史」「戦争」「生活」「科学・学習」「スポーツ」「多様性」の11ジャンル

プロフィール

  • 柳原伸洋
    柳原伸洋(Nobuhiro Yanagihara)
    東海大学文学部ヨーロッパ文明学科・専任講師
    1977年、京都府生まれ。
    北海道大学文学部、東京大学大学院総合文化研究科を経て、在ドイツ日本大使館専門調査員。2012年4月から現職。専門はドイツ近現代史(空襲研究)、製品文化論そしてサブカルチャー。著書に『教養のドイツ現代史』(共編著、2016年)、『日本人が知りたいドイツの当たり前』(共著、2016年)、ペンネーム「伸井太一」として、『ニセドイツ』シリーズ(全3巻)など。また、ドイツ映画イベントや日独協会イベントにも出演多数。また、2012年から「歴史がどう伝わるか、どう伝えられているか」をテーマに、歴史コミュニケーション研究会を主催している。
  • 山内康裕
    聞き手
    山内康裕(Yasuhiro Yamauchi)
    『これも学習マンガだ!』選書委員
    1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了。2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。
    イベント・ワークショップ・デザイン・執筆・選書(「このマンガがすごい!」等)を手がける。また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、マンガに関連した施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「池袋シネマチ祭」など。「DOTPLACE」にて『マンガは拡張する』シリーズを連載中。「NPO法人グリーンズ」監事、税理士なども務める。

『MASTERキートン』の影響で歴史学の道へ

山内柳原さんは大学でどのような講義を?

柳原ドイツ近現代史を中心にヨーロッパにおけるモノの歴史やサブカルチャーを教えています。研究者としてはドイツと日本の空襲史を研究しています。第一次世界大戦後に空襲のイメージが戦争への動員のためにどう使われたかや、第二次世界大戦後に空襲がメディアや記念碑等によってどう伝えられていったのかというテーマで研究をしています。

山内 子どものころから歴史に興味を?

柳原はい。『MASTERキートン』の影響で(笑)。中学2年生のときに読んで衝撃を受けて、考古学や古代史に関心を持つようになりました。その後歴史にのめり込んでいった高校時代を経て、大学受験の時にドイツ現代史に興味を持ちました。ちょうど歴史認識や戦争責任に関する研究がドイツで盛り上がっていると話題になっていた時だったんです。考えてみると『MASTERキートン』も実はまさに東西の冷戦下の、あるいは冷戦終結後の現代史だったんですよね。そんなわけで『MASTERキートン』の影響の大きさは計り知れないです(笑)

山内そういう作品との出会いは貴重ですよね。中学生の柳原さんと『MASTERキートン』のような幸運な出会いを「これも学習マンガだ!」を通じて増やしていきたいと考えています。ところで先ほど空襲をメディアでどう伝えていったかを研究しているというお話がありましたが、マンガも空襲を描くメディアのひとつですよね。歴史を描くマンガというメディアをどういうものだと考えていますか。

柳原そもそもドイツ語で歴史と物語っていうのは“Geschichte”という同じ単語なんです。元々物語と歴史は近いところにあるんですね。ただ、歴史学研究者間では歴史学に立脚した時に、物語とは一定の距離を置こうというスタンスが一般的です。一方で、マンガは物語を描かないといけないですよね。

山内 個人的には学びの入口としては歴史、物語のどちらもアリだと思います。例えば歴史年表を見るにしても『MASTERキートン』という物語と出会っていたかどうかで見方が違ってくるかなと。

柳原たしかにそうですね。僕は高校時代に図禄をコピーして歴史上の人物の顔や発言なんかを切り取って教科書に貼り付けていたんです。自分用に教科書をカスタマイズするという感じで。同じように歴史マンガをコピーして教科書に切り貼りするのは良いかもしれませんね。

山内黒板に書かれた内容を書き写すだけでは、なかなか覚えられないし楽しくないですよね。でもビジュアルイメージが沸けば一気に楽しくなる。歴史上の人物がどんな姿で、その時どんな風に振る舞ったか。マンガやアニメのキャラクターからイメージするのはごく自然なことだと思います。

柳原先ほど研究者の中では物語とは一定の距離を置くという話をしたんですけれども、その話には実は続きがあって。物語を一回突き放した後に再び手繰り寄せることも必要なんです。学問を続けていると、人物の物語から離れすぎてしまうことがあります。でも歴史は人がいないと成り立たない。だから時々、原点に戻るためにマンガを読むのはとても良いと思うんです。そういう往復関係みたいなものがあったらいいんじゃないかと思っていて。そんな思いから僕は「歴史コミュニケーション研究会」というものを主催しています。歴史コミュニケーションというのは歴史の伝わり方、伝え方のこと。この歴史コミュニケーションにおいて、マンガはかなり重要な役目を果しうると思っています。

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