2024-06-10
『ミステリと言う勿れ』最新14巻発売!推理マンガのおすすめ10選!謎解きの快感が病みつきになる、誰もが知る名作から注目のミステリーまで一挙まとめ
ミステリーは、ドラマや映画、小説など、さまざまな媒体で人気のあるジャンル。その中でも「推理マンガ」の魅力といえば、個性的な探偵役による退屈しない推理と、視覚的にも分かりやすく、インパクトのあるトリックでしょう。今回は、今読み返したい有名長寿マンガから、始まったばかりの話題の新作まで、おすすめの推理マンガを10作ご紹介します。
安定感抜群の長寿シリーズ! これを読めば間違いなし!
名探偵コナン
ホームズばりの推理力で、大活躍の高校生名探偵・工藤新一。ところがある日、事件を追っていた彼は、妙な薬の力で、なんと子供に戻ってしまった…!?仮の名を“江戸川コナン”。小さな名探偵が登場だ!!
“コナン女子”の増加で更なる人気を集める『名探偵コナン』(青山剛昌/小学館)。高校生名探偵・工藤新一が、事件を追っている最中に薬を飲まされ、子供に戻ってしまった…というあらすじを知らない人はいないでしょう。テレビアニメや映画の大ヒットなどを受けて「原作も読みたい!」と思っている人はたくさんいそうですが、既に原作は90巻以上刊行されています。「今から揃えるのは大変!」というあなたには、テーマごとに発売されている総集編をすすめたいです。黒の組織との重要なエピソードを集めた『名探偵コナンvs.黒ずくめの男達』や、安室透の活躍がみられる『名探偵コナン 安室透セレクション』などが発売されています。興味のある切り口から、原作コナンに入門してみてはいかがですか…?
▼『名探偵コナン』最新105巻発売中!
金田一少年の事件簿
名探偵・金田一耕助の血を引く金田一一(きんだいちはじめ)は、幼なじみの七瀬美雪(ななせみゆき)の頼みで演劇部の合宿に参加することになった。だが合宿先となる孤島のホテル「オペラ座館」では恐ろしい事件が一たちを待ちかまえていたーー。演劇部の演目「オペラ座の怪人」になぞらえたように起こる凄惨な連続殺人。第1の殺人後、姿を消した謎の男「歌月」。そして部員たちの心に影を落とす、女子部員"月島冬子"の自殺……。一は、この惨劇の真相にたどりつくことができるか!?
『金田一少年の事件簿』(天樹征丸、金成陽三郎:原作、さとうふみや:漫画/講談社)もコナンと並ぶ国民的な人気シリーズ。主人公・金田ーー(きんだいちはじめ)は、遅刻・早退は当たり前、テストは赤点でスポーツもまるでだめ…という“問題児”ですが、実は名探偵・金田一耕助の血を引き、IQ180の天才的な頭脳を持ちます。その鋭い洞察力や「じっちゃん」に教わった手品などの特技を生かしながら、数々の難事件を解決していきます…。連載開始から25年以上経っていますが、近年もその勢いは衰えるどころか、新たな展開をみせています。金田一がしがないサラリーマンになった最新シリーズ『金田一37歳の事件簿』(天樹征丸:原著、さとうふみや:著・文・その他)や、人気エピソードを犯人側の視点でおもしろおかしく描くスピンオフ『金田一少年の事件簿 犯人たちの事件簿』(天樹征丸、金成陽三郎、さとうふみや:原作、船津紳平:漫画)なども連載中です。
Q.E.D. 証明終了
本物"を求めるミステリー・ファンの間で超ウワサ! MIT帰りの天才少年・燈馬(とうま)×元気全開の女子高生・可奈(かな)ーー事件とナゾが、ふたりを待つッ!! 世界一のゲーム会社で起きた密室殺人事件とは……!? 第1話「ミネルヴァの梟(ふくろう)」編をはじめ、巨匠が遺した人形館に交錯する、人の欲と想いの軌跡を描いた「銀の瞳」編を収録! あなたも"知的エンターテイメント"に……いざッ!!
『コナン』や『金田一』ほどではないかもしれないですが、『Q.E.D. 証明終了』(加藤元浩/講談社)も根強い人気を誇る名作です。2009年にNHKでドラマ化された本作は、本編が全50巻で完結し、現在は続編『Q.E.D.iff ー証明終了ー』が連載中。MIT(マサチューセッツ工科大学)の数学科をわずか15歳で卒業した天才少年・燈馬想(とうま そう)は、ある理由から日本の高校に通っています。元気いっぱいの暴力系ヒロイン・水原可奈に連れられながら、身の周りで起こる事件に関わっていきます…。基本的にひとつの事件が巻数をまたがない(1巻2話構成)ので、少しずつ読み進め、集めていくのもアリでしょう。
▼『Q.E.D. 証明終了』新シリーズ!『 Q.E.D. iff ー証明終了ー』発売中!
C.M.B. 森羅博物館の事件目録
CMBと刻まれた"3つの指輪"は「知の守護者」の証ーー神からの謎掛けに挑む!! 魅力的な謎と緻密なロジック、そして躍動するキャラクター! 『Q.E.D. 証明終了』の加藤元浩が繰り出す、ネオ・ミステリ!!
『Q.E.D. 証明終了』作者のもうひとつの推理マンガが『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』(加藤元浩/講談社)。『Q.E.D.』と世界観を共有しており、クロスオーバーしている話もあります。主人公・榊森羅(さかき しんら)は、「知の守護者」の証である“C”“M”“R”と刻まれた3つの指輪を受け継いだ、世界中の珍しいものが集まる森羅博物館の館長。基本構成は『Q.E.D.』と変わらないですが、こちらは人体発火現象や幽霊騒ぎなどの“怪奇現象”をメインに扱い、それらの謎を科学の範囲で解き明かしていきます。
10巻以下で読みやすい! 長すぎない推理マンガ
僕だけがいない街
毎日を懊悩して暮らす青年漫画家の藤沼。ただ彼には、彼にしか起きない特別な症状を持ち合わせていた。それは…時間が巻き戻るということ! この現象、藤沼にもたらすものは輝く未来? それとも…。
2016年にアニメ化・映画化されたことでも話題となった『僕だけがいない街』(三部けい/KADOKAWA)。編集者からのダメ出しが続き、日々思い悩んでいる青年漫画家・藤沼悟には、事件や事故をきっかけに時間が巻き戻る“再上映(リバイバル)”という特殊能力がありました。その影響から、彼は否応なく過去の“ある事件”と向き合うことになります…。サスペンス的な要素が強い作品ですが、散りばめられたヒントから“犯人”を推理することも可能です。衝撃的な1巻の結末を読めば、おそらく最後まで一気読みしたくなるはず。外伝を含め全9巻で綺麗に完結しているので、休日にどっぷりハマってみてはいかがですか?
掟上今日子の備忘録(コミカライズ)
記憶が一日しかもたない忘却探偵・掟上今日子(おきてがみ・きょうこ)が、忘れる前に最速で事件を解決する!!!
『掟上今日子の備忘録』(西尾維新:原作、浅見よう:漫画/講談社)は、2015年に新垣結衣・岡田将生主演でドラマ化された同名小説(西尾維新:著、VOFAN:イラスト/講談社)から始まる「忘却探偵シリーズ」のコミカライズ作品です。幼いころから数々の事件に巻き込まれ、常に犯人扱いをされてきた不幸な青年・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は、ことあるごとに忘却探偵・掟上今日子(おきてがみきょうこ)に事件の解決を依頼していました。彼女は1日しか記憶がもたない代わりに、どんな事件も1日で解決する“最速の探偵”でもあって…。ひとつひとつの事件がコンパクトにまとまっているうえ、原作では想像するしかなかった今日子さんのかわいい表情もみられるお得な作品です。全5巻。
虚構推理(コミカライズ)
怪異になってしまった一人の少女と、怪異にさえ恐れられる一人の男が出会った時、生まれるものはーー!? "推理"、"妖怪"、"都市伝説"、"恋"……予測不可能な物語が幕を開ける!!
『虚構推理』(城平 京:原作、片瀬茶柴:漫画/講談社)は、『絶園のテンペスト』(左有秀:構成、彩崎廉:作画/スクウェア・エニックス)や『スパイラル~推理の絆~』(水野英多:画/スクウェア・エニックス)の原作者・城平京の小説をコミカライズしたものです。マンガ版の人気ゆえに、原作の続編も決定しています。内容は、怪異や都市伝説の謎を解き明かしていく伝奇ミステリー。深夜に鉄骨を振るうという都市伝説“鋼人七瀬”に、怪異たちの“知恵の神”となった美少女・岩永琴子と、怪異すら恐れる異形の存在・桜川九郎が、“虚構の推理”によって立ち向かいます。原作発売時に「これはミステリーなのか」と議論になった本作は、あなたの思う“推理”の概念を覆すかもしれません。
始まったばかりの期待の新作たち! 追いかけるなら今!
ミステリと言う勿れ
話題沸騰★青年・久能整!ついに登場!!
『BASARA』『7SEEDS』の田村由美、超ひさびさの新シリーズがついに始動!! その主人公は、たった一人の青年!
しかも謎めいた、天然パーマの久能 整(くのう ととのう)なのです!!
解決解読青年・久能 整、颯爽登場の第一巻!!
冬のある、カレー日和。アパートの部屋で大学生・整がタマネギをザク切りしていると・・・警察官がやってきて・・・!?
突然任意同行された整に、近隣で起こった殺人事件の容疑がかけられる。
しかもその被害者は、整の同級生で・・・。
次々に容疑を裏付ける証拠を突きつけられた整はいったいどうなる・・・???
新感覚ストーリー「ミステリと言う勿れ」、注目の第一巻です!!
『ミステリと言う勿れ』(田村由美/小学館)は、『BASARA』『7SEEDS』(同じく小学館)で知られる田村由美の最新作で、タイトルに思わずツッコミたくなるほど良くできた本格ミステリーです。天然パーマが印象的な主人公・久能整(くのう ととのう)は、大学に友達がいない変わり者。しかし、気になることがあると口を挟まずにはいられず、いつも人をハッとさせるようなことを言います。Episode 1「容疑者は一人だけ」では、彼自身に殺人事件の容疑がかけられ、警察の取り調べをうけることになるのですが、逆に警官ひとりひとりの悩みを見抜き、的確なアドバイスをしてしまうほど…。次々と証拠があがる中、彼は自分の容疑を晴らせるのでしょうか。
▼『ミステリと言う勿れ』最新14巻発売中!
▼『ミステリと言う勿れ』関連記事
二科てすらは推理しない
二科てすらと名乗る女子高生に痴漢の疑いを晴らしてもらった百地俊太(愛称、桃太郎)は、彼女が「机上の空論」と呼ぶ思考実験にかかわり、日常に潜む謎に挑むことに。しかし鉄橋から飛び降り自殺を図るかのような行動をとり、自らを「見た目は女子高生だが実はおっさんだ」と言うてすらの謎は深まるばかり。正体不明の女子高生とフツーのサラリーマンの「推理しない」新感覚ミステリー第1巻!
『二科てすらは推理しない』(PEACH-PIT/講談社)は、『ローゼンメイデン』(集英社)『しゅごキャラ!』(講談社)のPEACH-PITが描く推理マンガ。厳密には、この作品は真相を証明するのではなく、あくまで思考実験によってありうる可能性を導き出しているにすぎないため、“推理をしない名探偵ミステリー”と銘打たれていますが…推理マンガとして紹介する分には問題ないはず(笑)。ある日、サラリーマンの百地俊太(ももち しゅんた)は、満員電車で痴漢の疑いをかけられてしまいます。そんな彼を救ったのは、謎の美少女・二科てすらの“思考実験”でした…。自らを「見た目は女子高生だが実はおっさんだ」という彼女とともに、百地はいくつかの“日常の謎”に行き当たります。厳密性の高い正確な論証よりも、手がかりから可能性を発想していく楽しさを重視する人におすすめです。
探偵ゼノと7つの殺人密室
記憶のない探偵が挑む殺人密室ミステリー!
あらゆる難事件を解決してきた探偵・ゼノ。
だが彼は自分が「何者」か分からない記憶をなくした名探偵だった!
ゼノの記憶の鍵を握るのは、闇の顔を併せ持つ高名な建築家・甲斐七楼!!
甲斐は自らが設計した完全犯罪が可能な7つの殺人密室を解き明かすようにゼノに依頼。
報酬はなんとーーーゼノの失った記憶だった!!
稀代のシナリオメイカー・七月鏡一と新進気鋭の漫画家・杉山鉄兵が贈る記憶を失った名探偵が挑む“殺人密室”ミステリー、開幕!!
『探偵ゼノと7つの殺人密室』(七月鏡一:原作、杉山鉄兵:作画/小学館)は、コナンを擁する『週刊少年サンデー』で連載が始まったばかりの推理マンガ。原作者の七月鏡一は、『ARMS』(皆川亮二/小学館)の原案協力や、『牙の旅商人 ~The Arms Peddler~』(梟:作画/スクウェア・エニックス)の原作でも知られています。記憶のない名探偵・ゼノは、事件を通して人の心を知るために探偵になりました。そんな彼のもとに、高名な建築家・甲斐七楼(かい しちろう)が現れます。甲斐は、失われたゼノの記憶を報酬に、自らが設計した7つの“殺人密室”を解き明かせと依頼し…という設定。マンガならではの大胆な“建物トリック”がふんだんに使われており、絵的なインパクトで読ませる作品です。
さて、気になるものはあったでしょうか。推理マンガは、基本的にひとつひとつのエピソードは短いため、空いた時間に少しずつ読み進めていくこともできます。マンガの世界で、気軽に謎解きの快感を味わってみてはいかがですか?
文=中川 凌