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2018-09-07

2020年、女性の過半数が○○○○○に?!これからの人口減少社会で起きること『未来の年表』

2020年、女性の過半数が○○○○○に?!これからの人口減少社会で起きること『未来の年表』

人口減少社会への問題提起がされて久しくなります。『未来の年表』『未来の年表2』から、これからの日本におこることを知っていきましょう。

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人口減少社会への問題提起がされて久しくなります。

年間出生数はついに2016年には100万人を切り、つづく2017年も94 万 6,060 人(2016年比マイナス3 万 918 人)となりました(厚生労働省「平成29年(2017)人口動態統計月報年計」より)。年代別人口を鑑みれば今後この数字が増えることはなく、かつ死亡者数は2017年で134万人とこちらは前年より増加しており(同)、人口の減少は止められない傾向となっていますが、それへの政府や国会の対策が十全であるかには諸意見あるところ。

そんな人口減少社会の日本において「このままだったらいつごろ、どういうことになるか」を年表形式で見える化したのが、ベストセラー『未来の年表』です。

『未来の年表』とは

未来の年表

未来の年表

(『未来の年表』より)

『未来の年表』ではここでご紹介したカレンダーの各年のトピックが解説されていきます。
『未来の年表2』ではより具体的に、実際の暮らしに人口減少がどう影響してくるかを、あたかもギフトカタログが生活のさまざまなシーンに即して紹介されるかのように一覧化されています。

未来の年表2

(『未来の年表2』より)

こうして見るだけだと「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな、どうしてこうなるの…?という疑問が湧く項目もあるかと思います。人口が減るとひとくちに言っても、「高齢者が減る」「労働人口が減る」「子どもが減る」などでそれぞれ影響が異なります。

個人的にハッとしたのが、「これまで人手不足といえば景況に大きく左右されるものだったのが、今後は『絶対的な後継者不足』に陥る」という労働人口減に対する著者の指摘(『未来の年表』より)。

労働人口減少の影響は2冊いずれも詳細に記されていますが、「パイロット2030年問題」などもそのひとつ。国内には約6,400人(2017年1月1日現在)のパイロットがいますが、多くはバブル期に採用されたベテラン機長で、40代後半に偏っているそう。彼らが2030年頃から大量に定年退職し始め、パイロット不足が深刻化するのではないか…というのが『未来の年表2』で予想されている危機です。
パイロットが不足したらどうなるか。帰省や旅行に便利だったあの路線も廃止になるかもしれない。電車やバスなどの空港へのアクセス手段も減るかもしれないし、そもそも「運転する人不足」という点では電車やバスも同様です。
自家用車で行くとしても、高齢者ドライバーの事故数などは既に社会問題化しています。

こうして影響をあれこれ考えていくのは一種の思考実験のようである意味楽しくはあるのですが、このままだと未来がろくなものにならないかもな…とちょっと暗澹たる気分になります。仏教では「生老病死」を人間の根本的な苦しみとしていますが、たしかにこのような未来に生きることを思うと、生はけっこうな苦になるでしょう。
ここで終わってしまえば『未来の年表』は言うなれば「絶望の黙示録」といった様子ですが、「では、どうやっていくか」という提言がされているのも本書の特徴です。
よかった、救いの書になった!

著者・河合雅司さんは都道府県の再合併や第3子以降への思い切った給付金など国家レベルの対策提言(『未来の年表』)だけではなく、個人、企業、地域でそれぞれ具体策を挙げ、「戦略的に縮む」ことを提案しています(『未来の年表2』)。

大切なのは、目を背けないこと

危険が差し迫ると頭を穴の中に突っ込んで現実を見ないようにするさまを指して「ダチョウの平和」というそうですが、著者は対策が一朝一夕にはできず、効果が現れるのに数年から数十年かかり、日々単位では変化を把握しづらい人口減少問題こそ、「ダチョウの平和」に陥りやすい問題だと指摘します。

まずはこれからの人生を、人口減少社会という視点で見つめ直してみるのはいかがでしょうか。
『未来の年表』『未来の年表2』はその大きな助けになると思います。

それでは、今日も素敵な読書のお時間を!

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