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2021-01-19

『源氏物語』を嗜もう!オススメ漫画5選

『源氏物語』を嗜もう!オススメ漫画5選

千年の時を超え読み継がれる古典文学『源氏物語』。紫式部が平安時代の宮中を舞台にして描いた華やかな恋愛絵巻ですが、古典だけに読了するにはハードルが高いという人は多いのではないでしょうか。そんな人にオススメなのが、コミカライズ作品。シリアスはもちろん、まさかのギャグもあり。好みの作品にトライしてみましょう。

マンガペディア

『源氏物語』/花村えい子

源氏物語の主人公・光源氏の生涯に焦点をあて描きだす古典絵巻。漫画界のレジェンド達が、日本の古典文学を原典に沿った形でコミカライズするマンガ古典文学シリーズの1つ。平安時代、桐壺帝の第二皇子として誕生したエピソードから始まり、成長し絶世の美男子となった光源氏が重ねていく恋愛を通じて、その孤独や苦悩をもシリアスなタッチで浮かび上がらせていく。上巻に古文の人気予備校講師・望月光、下巻に源氏物語の現代語訳も手掛けた作家・瀬戸内寂聴の解説も収録。

本作を手掛けたのは、60年に及ぶキャリアを誇る花村えい子。繊細で流麗な筆致で描きだされる作品世界は幅広く、キュートな美少女のイラストや少女漫画はもちろん、成長した読者へむけてレディースコミックをいち早く手掛けたことでも知られています。そんな作者の力量でもって、華やかな平安貴族の世界を美麗かつ繊細に描きだしているのはもちろん、複雑な背景から女性遍歴を重ねていくことになる光源氏や、彼をとりまく女性達の感情を陰影豊かに浮かび上がらせてもいます。本作は、主人公である光源氏の生涯を描く形をとり、実母・桐壺と実父の帝とのエピソードを描く「桐壺」から始まり、源氏が亡くなる「雲隠」までを描いています。第三部と呼ばれる「宇治十帖」を含む、光源氏の死後は省略されています。

『源氏物語~愛と罪と~』/森猫まりり

源氏物語の恋愛模様を現代風のアレンジも加えドラマチックに描く少女漫画。物語は光源氏が幼い頃に亡くなった実母・桐壺の更衣と帝の愛の物語から始まる。平安時代、亡き父の願いを叶えるためだけに後宮に入った桐壺の更衣だが、偶然から帝と恋に落ちることになる。身分が低く、何の後ろ盾もない彼女は、周囲の嫉妬からつらい思いをするようになっていくが、帝は桐壺の更衣を愛するあまり、彼女を手放すことができずに苦しむのだった。

本作は原典に沿った形で物語が進みますが、細部については作者のアレンジが加えられ、より現代の我々にも共感しやすい形で描かれています。例えば、帝はもちろん美男子なのですが、サラサラの前髪をたらした現代風の描かれ方をしており、現代の読者も受け入れやすいでしょう。また、桐壺の更衣と帝の出会いのエピソードも印象的です。宮中で孤独を感じていた桐壺の更衣は、迷いこんできた老猫を可愛がっていました。実は、その猫は、権謀術数渦巻く宮中に同じように寂しさを覚えていた帝が密かに面倒を見ていたのです。猫が縁結び役となって2人は恋に落ちるのです。時代を超えて共感できるときめきポイントがちりばめられ、源氏物語のラブストーリーを素直に堪能できる作品になっています。

『源氏物語 あさきゆめみし』/大和和紀

源氏物語を少女漫画としてよみがえらせた大河ロマン。平安時代、桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏は、幼い頃から光り輝くような美貌と才能に恵まれていた。しかし、成長した光源氏は幼い頃に亡くした実母・桐壺に生き写しであった義母・藤壺へ、次第に許されぬ恋心を抱くようになる。その苦しみから逃れるように、源氏は理想の女性を追い求めて様々な女性達と恋愛を重ねていく。そうして愛を交わした女性達の人生をも変えていくことになるのだった。

源氏物語の54帖にも及ぶ世界を、14年にわたる連載で描ききりました。作者にとってもライフワークのような作品であり、代表作の1つ。繊細で美しい絵柄が、才能にあふれ光り輝くように美しいという光源氏の存在にリアリティを与えます。また、十二単をはじめとした、美しく描かれた衣装も多くの読者を魅了しました。本作をきっかけに古典作品に興味をもった読者は多いでしょう。平安貴族の生活様式や文化も丹念に描写され、当時の人々の暮らしぶりも本作を通してうかがい知ることができます。原典の流れの通り、本作も光源氏の誕生の秘話から始まり、長じた光源氏が重ねていく恋愛遍歴が描かれていきます。しかし、原典では描かれていない細部についてはオリジナルを加え、物語により奥深さを与えて、心に響く作品に仕上がっています。

『源氏物語 千年の謎』/宮城 とおこ, 高山 由紀子, 川崎 いづみ

源氏物語誕生の経緯を物語世界と交錯させながら描いたスペクタクルロマン。平安時代、藤原道長の娘・彰子(しょうし)の世話係として宮中に入った紫式部。古今東西の物語を好むという帝を彰子のもとに呼び寄せるため、そして、当代一の物語を描いてほしいという道長の願いを叶えるために、紫式部は筆をとり、光源氏という主人公を生みだしていく。本作は高山由紀子による原作小説をコミカライズした作品。原作小説は2011年に同名タイトルで映画化されている。

本作は紫式部が執筆を進める現実世界と、絶世の美男子・光源氏が恋愛を重ねていく物語世界が並行して進んでいきます。義母・藤壺への想いを抱きながらも、六条御息所、夕顔、葵の上といった女性達を夢中にさせてしまう光源氏。光源氏が魅力的であればあるほど、彼とかかわりをもった女性達は嫉妬を募らせていきます。やがて物語が、六条御息所が嫉妬心のあまり生霊となっていくあたりに差し掛かると、なぜか現実世界の紫式部の周囲にも異変が。いち早くその異変に気付いた陰陽師・安倍晴明が動きだすことになります。実は、紫式部は藤原道長に密かに想いを寄せており、その強すぎる想いが六条御息所の嫉妬心と共鳴して、思いもよらない事態をひきおこしていたのです。

『はやげん!はやよみ源氏物語』/花園あずき

源氏物語全54帖をぎゅっと1冊にまとめたギャグ漫画。日本最古の長編小説ともいわれる源氏物語を、独自の解釈で大胆にアレンジして切れ味鋭いギャグも盛りこんで描く。54帖の中の1帖をダイジェスト版としてコンパクトにまとめている。絶世の美男子にして生粋のプレイボーイである光源氏を「マダオ(「ま」るで「だ」めな「お」とこの意)」として描いたり、彼の最愛の女性である紫の上が「バイオレンス嫁」として登場したりと楽しい作品だ。

登場人物も多く人間関係も複雑な源氏物語の、54帖全部を読み通すのはなかなか大変なことです。しかも、平安時代と現代では大いに感覚が異なっているから尚更です。例えば、光源氏が義母である藤壺に許されない恋心を抱いてから、紫の上をさらうまでの所以は、現代の読者には理解しづらいでしょう。しかし、藤壺と光源氏の恋愛は理解しやすいでしょう。藤壺は14歳で後宮に入り、その当時の光源氏は9歳。義母と息子とはいえ、年齢も近く、光源氏が12歳で元服するまでは姉弟のように過ごしています。光源氏が実母の面影を宿した、年上の綺麗なお姉さんである藤壺に恋心を抱くのは不自然ではありません。このように重要なエピソードがコンパクトにわかりやすく説明されていきます。切れ味鋭いギャグで登場人物の特徴も際立ち、数多い登場人物も覚えやすいです。巻末には人物紹介や親子関係の相関図なども収録され、手軽な入門編にぴったりの1冊です。

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