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2021-12-13

舞妓さんになるために、日々きびしい稽古! オススメ漫画5選

舞妓さんになるために、日々きびしい稽古! オススメ漫画5選

舞妓は京都の花街に欠かせない存在。舞妓目当てに観光客が訪れるなど、アイコン的な存在となっています。かつては九歳から、現代では中学校卒業後から修業をはじめる舞妓の日常は、芸の修業に座敷にとかなりハードです。知られざるきびしい稽古の日々を描いた舞妓漫画を紹介します。

マンガペディア

『舞妓さんちのまかないさん』/小山愛子

舞妓たちが住む屋形(やかた)のまかないさんを務める少女が作る日々のごはんと、幼馴染をはじめとした舞妓たちの日常を描くほのぼのごはん漫画。主人公・野月キヨは中学卒業後、幼馴染の戸来すみれと共に、舞妓になるために青森から京都祇園にある屋形「市」にやってきた。しかし、キヨには素質がないからと、青森に帰るように言われてしまう。そんな時、屋形に暮らす舞妓たちの食事を作るまかないのおばちゃんが倒れてしまう。青森で祖母と共に料理を作ってきたキヨは、市のまかないさんとして舞妓たちの食事を作ることになるのだった。

舞妓は京都に住む人だけがなるものではありません。全国各地から舞妓に憧れて集まった少女たちが、「屋形」で共同生活を行いながら、舞妓としての技術を身につけていくのです。人が暮らしていくうえでは家事雑事が発生するものですが、舞妓たちが行うわけではありません。日々の雑務と掃除は舞妓になる前の「仕込み」と呼ばれる舞妓候補生たちが行い、食事はまかないと呼ばれる料理担当者が作るのです。舞妓たちは何をしているのかと言えば、日中は芸の習い事に費やされ、日が暮れてからはお座敷に出ます。帰宅は深夜になるから、家事をしている時間などありません。まかないのキヨは、舞妓たちの朝昼晩の食事やおやつを作っているのですが、置屋ならではの食事ルールがあるのが面白いです。夕飯は座敷に出る前なので、皆紅をさした状態です。紅が取れないように、何でも小さく一口サイズに作ります。一口サイズの食事をとることが、舞妓になった証明となるのです。日々忙しい舞妓たちを支えるまかないごはん、素朴な料理が多いところもほっとします。

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『玄椿』/河惣益巳

舞の天才と呼ばれる芸妓である主人公が、自分の芸の血を残すために数多の男性と関係を持ちながらも、芸の道に邁進していく絢爛豪華な愛憎劇。祇園甲部の置屋「清白屋(すずしろや)」には、京都随一と呼ばれる舞の名手・胡蝶が所属していた。ある日胡蝶は、歌舞伎俳優であり歌舞伎踊りの家元である若宮虹四郎(こうしろう)を訪ねる。そこには稽古中の息子、周一の姿もあった。自分の方が上手く舞えると言って稽古場を後にした胡蝶は、その後座敷で周一と再会するのだった。

舞妓の見習いを「仕込み」といいますが、実は舞妓自身も見習いの立場であるというのは、あまり知られていません。舞妓が座敷に上がりながら芸事を習得し、二十歳前後になると芸妓になります。芸妓とは、舞踊や音曲、三味線などの鳴物で客をもてなし、座敷を取り持つ女性のことです。清白屋の胡蝶は舞の名手です。舞妓や芸妓が集まる座敷は衣装からして華やかなものですが、胡蝶が座敷に上がるとその容姿も相まって一層華やかです。簪を多くつけた日本髪に豪奢な着物と、踊りには向かない衣装のような気もするのですが、着物だからこそ女性の持つ嫋やかな部分が強調される気がして引き込まれてしまいます。一見さんお断りの店が多いせいか、一般人が舞妓芸妓を座敷に呼べる機会はあまり多くありません。だからこそ妄想が働くのですが、本作の世界観は想像する京都花街の世界そのものといった様子で、現実とは思えません。胡蝶の舞は、読者をも日常とは異なる世界へいざなってくれます。

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『華なりと』/倉科遼, 月島薫

サッカーが大好きな主人公が、修学旅行先で舞妓に出会ったことから舞妓を志し、一人前の舞妓として座敷に上がるまで先輩や同期たちと切磋琢磨していく青春物語。中学三年生の相原琴美は幼い頃から男子に混ざってサッカーをしてきたスポーツ少女。家族にはガサツである性格を嘆かれていた。だが、修学旅行で京都にやってきた琴美は、偶然舞妓と遭遇する。自分とは真逆の女性らしい姿に感銘を受けた琴美は、自分も舞妓になると決心するのだった。

柔らかな京言葉におっとりとしながらも洗練された所作。舞妓が「女性らしさの象徴である」と感じた琴美の感覚は読者も共感する部分ではないでしょうか。もちろん普段の舞妓は普通の少女なのですが、舞妓姿の時はイメージを崩さないように言動が著しく制限されます。舞妓としてのアイコンを保てるのは、舞妓たちの努力があってこそなのです。琴美は舞妓たちとは真逆の、ドロと汗にまみれた日常を過ごすスポーツ少女です。なにせ修学旅行先にまでサッカーボールを持ち込むのだから筋金入りでしょう。そこまでサッカーに打ち込んできたのに、いきなり舞妓になると決心したのですから、琴美にとって舞妓との出会いはよほど衝撃的な出来事だったのでしょう。とはいえ、舞妓への道は生易しくはありません。普段の言動はもちろん、必須技能である舞を覚えるのも一苦労です。修業には忍耐が必要という意味では、スポーツに通じる部分もあるのでしょう。折れない心こそ琴美の最大の武器だと言えます。

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『紅匂ふ』/大和和紀, 岩崎峰子

昭和二十年代の京都祇園を舞台に、置屋の女将に見初められたことで舞妓芸妓となることになった主人公が、百年に一人と言われるほどの舞妓に成長していくサクセスストーリー。京都の山科で十一人兄弟の末っ子として生まれた珠子は、兄弟ともあまり話さず独りで遊ぶことが好きな風変わりな子どもだった。ある日置屋「石橋」の女将お福が珠子の両親を訪ねてくる。姉の千恵子を芸妓にという打診だったのだが、お福は珠子を気に入り、自分の跡取りとして育てたいと両親に願い出る。珠子は自身で置屋に行くことを選ぶのだった。

現代では義務教育後からしか修業はできませんが、本作の舞台は昭和二十年代。まだお座敷文化が身近であり、女性の働き口として珍しくない時代です。とはいえ、齢三つにして芸の道に身を置くことになるという状況は、現代では想像するのがなかなか難しいです。通いというわけではなく、もちろん住み込みです。姉というよりも親くらいの年齢差のある姉芸妓たちの中で、自身も一人前の舞妓を目指すというのはとても大変なことです。置屋に入り珠子から改名した咲子が舞妓の咲也(さくや)としてデビューするまでの日々も描かれていますが、とにかく覚えることが多いです。舞だけでなく鳴物やお客との付き合い方、先輩や同期の芸舞妓たちとの付き合い方など、気を遣わなければならない範囲が途方もなく広いです。そして驚くのが、営業活動が必要という点です。黙っていればお座敷に呼ばれるというわけではないのです。自分を売り込んでいくのだから、ベストなパフォーマンスを見せなければなりません。咲子にプロ意識が目覚めるのもうなずけます。現代とは少し事情は違いますが、仕事に対して妥協しない咲子の姿がまぶしく映ります。

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『女帝花舞』/和気一作, 倉科遼

銀座の女帝と呼ばれる母親を持ったがゆえに周囲から偏見の目で見られ続けた主人公が、母親に反発し自分の力で生きていくために京都で芸妓として生きていく愛憎渦巻くサクセスストーリー。高校二年生の進藤明日香は、銀座の夜の世界に君臨する女帝と呼ばれる、彩香を母に持っている。それ故に男女問わず偏見の目で見られ続けてきた。テレビで見た祇園の舞妓に憧れを抱いた明日香は、育ての母である安西の死をきっかけに京都に行くことを決意。高校を中退し、単身京都に向かい屋形「よし野」の門をたたくのだった。

倉科遼原作の大人気シリーズ『女帝』の続編は、彩香の娘である明日香の物語です。母親は地方から銀座に出てきてのし上がっていきましたが、娘は東京から単身京都へ。芸舞妓としての地位を築いていきます。芸舞妓の仕事はもちろん芸を披露することなのですが、お酌をしたり話をしたりといったもてなしも仕事のうちです。本作は芸舞妓の仕事の中でもそういったもてなしの部分が色濃く出ており、それ故に明日香も様々な事件や騒動に巻き込まれていきます。京都の花街がある祇園という場所が観光地である点や、芸を見せるという部分がクローズアップされるせいか、実は水商売であるという印象が限りなく薄いです。お座敷には酒類が置かれていますし、成人ならば客と一緒に芸妓も飲むことがあります。本作を読んだとき、そういえばそうだったと気が付く読者も多いのではないでしょうか。華やかな舞が披露される座敷の中で、社会の闇が見え隠れします。

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