心から好きな人に出会いたいと思っている、上京2年目、20歳の大学生。

歯学部の大学生。ズバッとものを言ってしまう、はっきりとしたタイプ。

人生初のクラブの雰囲気に戸惑う優貴が出会ったのは、派手髪でサングラスをした少し見た目の怖い男子でした。
その男子の名は伊織。優貴は自分の苦手なタイプの登場に戸惑ったことに加え、はっきりものを言う伊織に不信感を抱きます。

すると、クラブを後にした優貴の元に「伊織くんが優貴に謝りたい」という連絡が。
伊織はクラブで酔っ払ってしまい、優貴に介抱されていたのです。
優貴と伊織はこれをきっかけに連絡を取り合う仲になります。

優貴と伊織が連絡を取り合うきっかけとなったメッセージアプリ。
優貴は、伊織にお礼の連絡を入れます。

迷惑をかけたことを謝る伊織は、優貴にクラブに来た理由を聞きます。
その目的が「運命の人探し」ということを知った伊織は、運命の人探しを手伝うことを約束します。

次第に距離を縮めていく2人。
優貴、伊織たちの恋愛模様から目が離せません！
『運命の人に出会う話』終始胸キュン必至です。

『運命の人に出会う話』©あなしん／講談社

女子高生の木下うたげは、大人気アイドル・F/ACE（フェイス）の福原多聞(ふくはらたもん)くんを推しています。
ある日、推し活の資金調達のため、ハウスキーパーのバイトで向かった先は、なんと多聞くんの家でした。

多聞くんはステージの上ではキラキラ輝くアイドルですが、本性はそれとは正反対の陰キャでした。
アイドルの多聞くんとの違いに驚くうたげでしたが、多聞くんの私生活をサポートしていくことになります。

自己肯定感が低い多聞くん。
そんな多聞くんがうたげのサポートに感謝をする名シーンです。
うたげにとっては、多聞くんは自分の最推しでありますが、同時にバイト先のお客様。
うたげの気持ちが、多聞くんに届いたシーンでもあります。

オンとオフが激しめで、呼んでいるこちらも「多聞くん今どっち！？」と思わず言いたくなってしまいます。
『多聞くん今どっち！？』で新しい推し活を体感してはいかがでしょうか。

©師走ゆき／白泉社

『私たちが恋する理由』はオフィスを舞台に、複数組の男女の物語がオムニバス形式作品です。
寡黙だけど情に厚い上司・黒澤智也（くろさわともなり）とコンプレックスを抱える高身長女子・森田葵(もりたあおい)の不器用な恋。

ガッシリ体型男子・大島蛍(おおしまけい)と妄想好きな小柄女子・小津京(おづけい)。

さまざまなコンビによる、ホロ苦でときには甘い恋が展開されていきます。

1つ目のありがとうは、黒澤と葵のコンビ。
お酒の席で意気投合した2人。
お互いに知らないことが多かった2人が、氷が溶けていくように打ち解けていきます。
黒澤と葵の、少しあざとい様子も見どころです。

2つ目のありがとうは、大島と小津の蛍京(けいけい)コンビのお出かけシーン。

2人で買い物に行った時、大島は小津に靴をプレゼントします。
「ありがとう」は店員さんのセリフですが、小津が大島に飛びつくように喜んでいる姿は微笑ましいです。

『私たちが恋する理由』は他にもさまざまなコンビが登場します。
どのコンビも胸キュンなやり取りばかりで、大人心がくすぐられます。
また、好きなコンビを見つけて楽しむのもおすすめです。

「私たちが恋する理由」©ma2/シュークリーム

野本さんは料理が大好きですが、ひとり暮らしで少食なため、作ったところで食べきれないことが悩みでした。
職場のストレスから料理に没頭し、うっかり一人で食べきれないほどご飯を作ってしまいます。
そんなとき、マンションのエレベーターで両手に大量のフライドチキンを持った女性と出会います。

お隣のお隣に住む春日さんでした。
料理をたくさん作りたい、けど食べられないという悩みを持っていた野本さんは、春日さんを勇気を出して夕食に誘ってみることにします。

そして2人はしばしば一緒に食卓を囲むことになるのです。

『作りたい女と食べたい女』の感謝の名シーンは、そんな食事のシーンから。
春日さんは、野本さんが作った料理を美味しそうに完食します。
「おいしかったです」という春日さんの言葉に、料理をするようになったきっかけを思い出した野本さん。
野本さんが心の底から嬉しかったことが現れているシーンです。

またこの作品には、美味しい料理がたくさん登場します。
オムライス、バケツプリン、おでん…
どの料理も食欲がそそられるものばかりです。

春日さんの食べっぷりも圧巻で、読みながらご飯が食べたくなること間違いなしです！

©ゆざきさかおみ／KADOKAWA

『作りたい女と食べたい女』は『このマンガがすごい！2022（宝島社）』オンナ編第2位、ドラマ化もされました！「女性の生きづらさ×美味しいごはん」が多くの共感と注目を集めています！

『今宵もお待ちしております』は、バーを舞台に、さまざまな恋愛を美しく味わい深いカクテルとともに描く、オムニバス形式の作品集です。

とある路地裏にひっそりと佇む、レンガ造りでレトロな雰囲気のバー。

店の中には、人形のように美しいバーテンダーがひとり。

「今宵もお待ちしておりました」

の声で迎えられカウンターにつけば、店の名と同じ"更"（さら）と名乗る彼女の手による、最高の一杯が得られる夢のようなひとときがそこにあります。

"更"の不思議な魅力に吸い寄せられるように、今日も人びとが訪れるのです。

バー"更"の扉を開く客はさまざまです。

結婚目前で裏切りに遭った憎しみを、「ホワイトレディ」の爽やかさに浄化された女。

安定と挑戦の2つの道で迷った時に、「ジン・トニック」のバリエーションから攻めと冒険を感じた女。

そして更とは同業者であるバーテンダーの梶悦司は、高校生の時に憧れていた教師・小野美令と、"更"へやって来ます。

「ギムレット」の作り方から、自分とは明らかにレベルの違う更の姿を目にした悦司は、美令がここへ自分を連れてきた意図と、担任だった頃の教えを思い出し、言葉が溢れるのでした。

一人ひとりに多くの感情が行き交う夜の街に、美しく静かに在る秘密めいたバー"更"。

今日も「あなたのための一杯」と、心に残るストーリーが待っているのかもしれません。

©北川みゆき／小学館

さて、「ギムレット」といえば、『今宵もお待ちしております』内でも紹介されていた、レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』。

探偵フィリップ・マーロウが主人公の本作品は、ハードボイルド小説の名作として知られています。

カクテルのギムレットがたいへん印象的に使われており、「ギムレットには早すぎる」の名ゼリフでも有名です。
（清水俊二訳では「ギムレットにはまだ早すぎるね」）

候爵令嬢のエリアーナは本が大好きで、周囲から「虫かぶり姫」と呼ばれていました。
エリアーナは、王太子のクリストファーの名ばかりの婚約者として過ごしています。
また、エリアーナの周囲には、高貴で魅力的な男性がおり、常にたいせつにされていました。
そんなある日、エリアーナは、クリストファーが他の令嬢と仲睦まじくしている様子を目にしてしまい…！？

本が大好きなエリアーナに、婚約者であるクリストファーが、貴重な本を渡します。
貴重な本を探してプレゼントしてくれたことに、エリアーナは感激し、心から感謝をします。
目を輝かせながら喜ぶエリアーナの姿に、本好きな様子が伺えます。

2022年10月にTVアニメ化された『虫かぶり姫』。
エリアーナの本を愛してやまない様子と、恋愛が不得手なのか、勘違いをしている様子がとても愛らしいです。

©喜久田ゆい・由唯・椎名咲月／一迅社

恵まれないと感じる自分の目の前に、自分の欲しいものすべてを持っている（ように見える）存在がいたら。

目に入るからこそいっそう羨ましく妬ましくて、あの人になってみたい、入れ替わるものなら入れ替わりたいと思ってしまったら…

そんな思いを持たれたことはあるでしょうか。

『ふつつかな悪女ではございますが ～雛宮蝶鼠とりかえ伝～』の主人公・黄玲琳（こう・れいりん）は、そんな羨望や嫉妬を一身に受ける側でした。

血筋、性格、容姿に技芸すべてをそなえ、次世代の妃へ淑女教育を授ける「雛宮」で未来の皇后を確実視された、非の打ち所がない雛女（ひめ）の玲琳。

それを宮中一の嫌われ者で雛宮でのライバルにあたる朱慧月（しゅ・けいげつ）に妬まれ、互いの身体を入れ替えられてしまいます。

慧月の身体になった玲琳は、玲琳（魂は慧月）を害した罪まで着せられ、朱家のボロ食料庫跡での謹慎生活を強いられることに。

蝶よ花よとかしずかれてきた雛女には、とても耐えられない屈辱と生活です。

しかし、完璧な淑女と讃えられる中、唯一の欠点ともいうべき病弱さゆえ常に“死”と隣り合わせで過ごしてきた玲琳は、むしろ慧月の健康な身体、豊かな土と自由を手に入れたことを喜んでしまいーー！

肉体が慧月と入れ替わり、過去の慧月による傲慢な振る舞いのツケまで払わされるように、女官たちからも嫌がらせをされ蔑まれる玲琳。

しかし玲琳は持ち前の鋼メンタルとポジティブ思考で、次々と逆境をはねのけていきます。

さらに慧月自身も気づいていなかった慧月の魅力を挙げ、玲琳として享受していた人びとの優しさがその人のごく一部の面だったと語り、何より健康な慧月の身体でさまざまな経験を得たことに、感謝すら表すのです。

かたや慧月は、せっかく玲琳（の身体）になったのに、あまり幸せそうではありません。

すぐ発熱し、呼吸もやっとな玲琳の弱い身体。

なのに病を押し勉学や刺繍などの自己鍛錬に励んできた玲琳を知り尽くしているため、ただ寝かせていてはくれない女官。

遠くから羨むだけでは分からなかった玲琳の辛苦や影の努力、強く己を律する姿に向き合わされ、戸惑う毎日を送っている慧月が、玲琳からの意外な感謝の言葉で、大きく動揺する名シーンです！

©尾羊英・中村颯希・ゆき哉／一迅社

よしきは同じ集落で暮らす幼なじみの光に、違和感を覚えるようになります。
その違和感とは、光が別のナニカにすり替わっているというもの。

同時期、集落ではさまざまな事件が頻発します。
集落がナニカに侵される…
奇妙な気配を感じるなか、よしきは光の姿をしたナニカと共に生活を送り続けます。

『光が死んだ夏』の感謝のシーンは一味違います。
奇妙なナニカへの畏怖を抱く人物から、警鐘を鳴らされるシーンをご紹介します。
よしきの恐怖心と、幼なじみで親友の光から離れたくないという複雑な思いが見えてきます。

光の姿をしたナニカとは一体。
よしきと、集落の運命を左右する恐怖を目に焼き付けましょう。

©モクモクれん／KADOKAWA

ごく普通の会社員・浅倉芽郁（めい）。

兄が身体を壊し、実家の和菓子屋「浅桜堂」をいきなり社長として継ぐことに！？

兄の親友で部下の南雲楓が、秘書として全力で補佐するものの、南雲のスパルタ教育と24歳の若さ＆未経験の社長業に先行き不安…？

『恋はつづくよどこまでも』『つまり好きって言いたいんだけど、』などヒット作連発！

円城寺マキの最新ラブコメディです！

家業と関わりがない会社でごく普通に働いていた芽郁にとって、いきなりの社長業は戸惑うことばかり。

同業者の懇親会に参加しても、「お嬢さん」扱いをされ、ここぞとばかりに嫌味を言ってくる業界人たちに、常にクール（自己申告）めに控えている南雲さんがバシッと言ってくれました……！

自信喪失気味だったところに、普段はそんなこと言ってくれなさそうな人のこの言葉！

これは好きになっちゃいますね！

と期待に前のめりになりましたが、2人の関係は、あんこでいえばまだまだ「ゆで始め」…でしょうか。

じっくり甘くなっていきそうな、お仕事ラブコメです！

©円城寺マキ／小学館

いかがでしたか。
「ありがとう」の言葉一つとっても、さまざまな意味があります。
どの感謝のシーンがお好みでしたでしょうか。

ここまで読んでくださって「ありがとう」ございました！