2026-02-10
新書大賞2026『カウンセリングとは何か』ほかおすすめ新書ランキング

中央公論新社主催「新書大賞2026」が発表され、『カウンセリングとは何か』が新書大賞に選ばれました。新書大賞は1年間に刊行されたすべての新書から、その年の「最高の一冊」を選ぶ賞です。受賞作品をランキングでご紹介します。
目次
- ・新書大賞とは
- ・新書大賞2026 受賞作品
- ・大賞『カウンセリングとは何か』東畑開人/講談社現代新書
- ・2位『ユダヤ人の歴史』鶴見太郎/中公新書
- ・3位『福音派ー終末論に引き裂かれるアメリカ社会』加藤喜之/中公新書
- ・4位『ケアと編集』白石正明/岩波新書
- ・5位『過疎ビジネス』横山勲/集英社新書
- ・6位『物語化批判の哲学』難波優輝/講談社現代新書
- ・6位『「あの戦争」は何だったのか』辻田真佐憲/講談社現代新書
- ・8位『日本経済の死角』河野龍太郎/ちくま新書
- ・9位『内務省 近代日本に君臨した巨大官庁』内務省研究会/講談社現代新書
- ・10位『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』飯田一史/平凡社新書
- ・もっと「新書大賞」を見る!
新書大賞とは
新書大賞は、1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞として、中央公論新社が主催しています。新書大賞2026は19回目の開催です。
「新書大賞2026」は、2024年12月~2025年11月に刊行の新書を対象に、新書に造詣の深い書店員 、書評家、各出版社の新書編集部員などが、読んで面白かった、内容が優れている、といった観点で投票し決定しました。
新書大賞2026 受賞作品
大賞『カウンセリングとは何か』東畑開人/講談社現代新書
人生の変わる場所──。
カウンセリングが、いま社会へとひらかれる。臨床心理学の歴史に打ち立てられた、新たな金字塔。
■精神分析、ユング心理学、認知行動療法、家族療法、人間性心理学──
バラバラに乱立する心理学を俯瞰し、メタな原論が示される。
■身体を動かす、世界を動かす、からだを動かす、視点を動かす、心を揺らす──
カウンセリングは聞くだけじゃない。アクティブに5つの介入がなされる。
■いかに生き延びるか、いかに生きるか──
カウンセリングには二つのゴールがある。生活を守ることと、人生をちゃんと生きること。
「カウンセリングとは、近代の根源的なさみしさのなかで、人が可能な限り、正直に、率直に、ほんとうの話をすることを試み続ける場所である。」──「5章 カウンセリングとは何だったのか──終わりながら考える」より
2位『ユダヤ人の歴史』鶴見太郎/中公新書
ユダヤ教を信仰する民族・ユダヤ人。
学問・芸術に長けた知力、富のネットワーク、ホロコーストに至る迫害、アラブ人への弾圧ーー。
五大陸を流浪した集団は、なぜ世界に影響を与え続けているのか。
古代王国建設から民族離散、ペルシア・ローマ・スペイン・オスマン帝国下の繁栄、東欧での迫害、ナチによる絶滅計画、ソ連・アメリカへの適応、イスラエル建国、中東戦争まで。
三〇〇〇年のユダヤ史を雄大なスケールで描く
3位『福音派ー終末論に引き裂かれるアメリカ社会』加藤喜之/中公新書
アメリカにおける福音派の巨大な存在感は、近年よく言及される。しかし、彼らはどのように影響力を拡大し、トランプ大統領の誕生や再選、あるいは政治的・文化的闘争に関係していったのか。本書は、第二次世界大戦後のアメリカの軌跡を、福音派とその背景にある終末論に着目して描き出す。そこからは大統領の政治姿勢はもとより、中絶や同性婚、人種差別、イスラエルとの関わりなど多くの論点が見えてくる。
4位『ケアと編集』白石正明/岩波新書
もはやこれまでと諦めてうなだれたとき,足元にまったく違うモノサシが落ちている.与えられた問いの外に出てみれば,あらふしぎ,あなたの弱さは克服すべきものじゃなく,存在の「傾き」として不意に輝きだす──.〈ケアをひらく〉の名編集者がみんなの弱さをグッと後押し.自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書.
5位『過疎ビジネス』横山勲/集英社新書
福島県のある町で、「企業版ふるさと納税」を財源に不可解な事業が始まろうとしていた。著者の取材から浮かび上がったのは、過疎にあえぐ小さな自治体に近づき公金を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げし、問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態だった。福島県国見町、宮城県亘理町、北海道むかわ町などへの取材をもとに、著者は「地方創生」の現実を突きつけていく。本書は「新聞労連ジャーナリズム大賞」受賞の河北新報の調査報道をもとに、さらなる追加取材によって新たに構成、「コンサル栄えて、国滅ぶ」実態を暴く。
6位『物語化批判の哲学』難波優輝/講談社現代新書
物語はなぜ苦しいのか?「物語」が過剰に要求される現代社会で、「人生とはかくあるべきだ」という押しつけに抗う。
新進気鋭の美学者による「次世代の哲学」。
【抜粋】
清涼飲料水の広告の少女はいつもドラマティックな青春を謳歌しているし、「推し」はファンの期待した筋書きどおりに振る舞うし、就活面接では挫折経験を「美談」として語らねばならない。
私は端的にこう思う。何かがおかしい、と。
人々はあまりにも強い物語の引力に引き寄せられて、もはや物語に支配されつつあるのではないか、と私は危惧し始めた。
だから、私はこれから、物語に対抗したいと思う。何かしらの物語が私たちの幸福を奪うのだとしたら、もはやそんな物語は廃棄されるべきだろう。私はよき物語を愛している。それゆえ、物語を批判したいと思う。愛するということは、支配されるわけでもなく、支配するわけでもなく、独特のバランスのなかで惹かれ合い、反発し合うことなのだと考えている。
第一部の「物語篇」では、物語化の持つ魔力と危うさを論じていく。第二部の「探究篇」では、物語の危険を避け、物語を相対化できるような思考を「遊び」を手がかりに探索していこう。その中で、改めて物語との向き合い方がみえてくるはずだ。
物語化批判、そして、遊びの哲学を始めよう。
6位『「あの戦争」は何だったのか』辻田真佐憲/講談社現代新書
日本はどこで間違えたのか?
掲げた理想はすべて誤りだったのか?
「大東亜」は日本をどう見ていたか?
戦後80年、今こそ問い直す「私たちにとっての戦争」とは。
『「戦前」の正体』の著者が、右でも左でもない「われわれの物語」を編みなおす
現代人のための新・日本近現代史!
「日本の過ちばかりを糾弾することでも、日本の過去を無条件に称賛することでもない。過ちを素直に認めながら、そこに潜んでいた“正しさの可能性”を掘り起こす、言い換えれば「小さく否定し、大きく肯定する」語りを試みることである。それこそが、われわれの未来につながる歴史叙述ではないだろうか。
本書は、そのようにしてあの戦争を現在につながる大きな流れへと接続し、「われわれ」の物語を創出するための試みである。」 ーー「はじめに」より
8位『日本経済の死角』河野龍太郎/ちくま新書
「失われた30年」で日本の生産性は上がっているのに、実質賃金が上がらないのはなぜなのか? 労働法制、雇用慣行、企業統治、イノベーション……日本経済の長期停滞をよみとく際の「死角」や誤算を白日のもとに晒し、社会が陥りかけている「収奪的システム」から抜け出す方途を明示する。予測的中率に定評のある最注目のエコノミストによる、まったく新しい経済分析の渾身の快著。経済構造に関わるあらゆる謎が氷解する。
9位『内務省 近代日本に君臨した巨大官庁』内務省研究会/講談社現代新書
警察、地方、厚生労働、国土交通、神社…、巨大すぎる「省庁の中の省庁」を通史と多様なテーマで論じ、近代日本を考える決定版!
10位『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』飯田一史/平凡社新書
なぜ町から本屋が消えていくのか? 複合店化、大型書店の登場、ネット書店の台頭……戦後書店史をたどり、出版流通の課題を考える。
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