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2023-01-19

第168回芥川賞・直木賞決定!芥川賞『この世の喜びよ』『荒地の家族』直木賞『地図と拳』『しろがねの葉』のW受賞!

第168回芥川賞・直木賞決定!芥川賞『この世の喜びよ』『荒地の家族』直木賞『地図と拳』『しろがねの葉』のW受賞!

第168回(2022年下半期)芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)受賞作品が発表され、芥川賞『この世の喜びよ』井戸川射子・『荒地の家族』佐藤厚志/直木賞『地図と拳』小川哲・『しろがねの葉』千早茜のW受賞となりました。候補作品と歴代受賞作品をご紹介します。

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芥川賞・直木賞とは/由来/違いなど

「芥川龍之介賞」「直木三十五賞」とは…

芥川賞・直木賞ともに1935(昭和10)年に制定。

自身も作家であり、文藝春秋社主宰の菊池寛が同時に創設。

芥川賞は新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれ、直木賞は新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象という違いがあります。

いずれも年2回、1月・7月に受賞作品発表。

第168回芥川賞・直木賞について

第168回(2022年下半期)芥川賞・直木賞候補作品は12月16日(金)に発表されました。

2023年1月19日(木)に選考会が開かれ、芥川賞『この世の喜びよ』井戸川射子・『荒地の家族』佐藤厚志/直木賞『地図と拳』小川哲・『しろがねの葉』千早茜 のW受賞が決定しました。

第168回芥川賞『この世の喜びよ』井戸川射子/講談社

思い出すことは、世界に出会い直すこと。
最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス!2022年10位、野間文芸新人賞受賞。注目の新鋭がはなつ、待望の第二小説集。
幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。
ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(本書より)

第168回芥川賞『荒地の家族』佐藤厚志/新潮社

元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点かーー。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。

第168回直木賞『地図と拳』小川哲/集英社

【第13回山田風太郎賞受賞作!】

「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」

日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。

ひとつの都市が現われ、そして消えた。

日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。

第168回直木賞『しろがねの葉』千早茜/新潮社

戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!

第168回芥川賞 候補作品

『ジャクソンひとり』安堂ホセ/『文藝』冬季号

着ていたTシャツに隠されたコードから過激な動画が流出し、職場で嫌疑をかけられたジャクソンは3人の男に出会う。痛快な知恵で生き抜く若者たちの鮮烈なる逆襲劇!第59回文藝賞受賞作

『開墾地』グレゴリー・ケズナジャット/『群像』11月号

何かを追いかけているのか、

それとも何かから逃げているのか。


父のルーツの言葉、母語の檻、未知なる日本語

父と息子、故郷へのそれぞれの想いが静かに共振する


留学先の日本から、サウスカロライナに帰郷したラッセル。

葛の繁茂した庭、南部ならではの湿気、耳に届く哀切な音楽ーー

青年は、遠くイランからこの地に根を下ろした父の来し方に想いを馳せる。


デビュー作『鴨川ランナー』で、言語と自己のはざまの揺らぎを描き、

京都文学賞を受賞。


越境文学の新たな領域をとらえる著者の、注目の最新刊。

『グレイスレス』鈴木涼美/『文學界』11月号

デビュー小説『ギフテッド』に続き、芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。主人公は、アダルトビデオ業界で化粧師(メイク)として働く聖月(みづき)。彼女が祖母と共に暮らすのは、森の中に佇む、意匠を凝らした西洋建築の家である。まさに「聖と俗」と言える対極の世界を舞台に、「性と生」のあわいを繊細に描いた新境地。

第168回直木賞 候補作品

『光のとこにいてね』一穂ミチ/文藝春秋

『スモールワールズ』を超える、感動の最高傑作

たった1人の、運命に出会った

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。

運命に導かれ、運命に引き裂かれる
ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語

『クロコダイル・ティアーズ』雫井脩介/文藝春秋

美しい妻は、夫の殺害を依頼したのか。家族の間に疑心暗鬼が広がってーー

夫を殺した犯人は、かつての恋人だった。この男が裁判で「妻に殺害を依頼された」と証言。美しき未亡人は、悪女なのか、それとも。

『汝、星のごとく』凪良ゆう/講談社

その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

歴代芥川賞・直木賞受賞作品(最新)

【第167回芥川賞】高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』

【第167回直木賞】窪美澄『夜に星を放つ』

【第166回芥川賞】砂川文次『ブラックボックス』

【第166回直木賞】今村翔吾『塞王の楯』

【第166回直木賞】米澤穂信『黒牢城』

【第165回芥川賞】石沢麻依『貝に続く場所にて』

【第165回芥川賞】李琴峰『彼岸花が咲く島』

【第165回直木賞】佐藤究『テスカトリポカ』

【第165回直木賞】澤田 瞳子『星落ちて、なお』

【第164回芥川賞】宇佐見りん『推し、燃ゆ』

【第164回直木賞】西條奈加『心淋し川』

【第163回芥川賞】遠野遥『破局』

【第163回芥川賞】高山羽根子『首里の馬』

【第163回直木賞】馳星周『少年と犬』

歴代芥川賞・直木賞受賞作品(一覧)

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