2023-09-15
米澤穂信さんの最新作『可燃物』が好評配信中!
群馬県警を舞台にした新たなミステリシリーズ始動!
史上初の4大ミステリランキング第1位に輝いた直木賞受賞作『黒牢城』の米澤穂信さんによる最新作『可燃物』が、7月の発売以来、多くの読者に読まれています。
著者初となる警察を舞台にした今回の作品は、雪山で見つかった男性の遺体、ばらばら遺体遺棄事件、立てこもり事件……など、さまざまな種類の謎解きが楽しめる5編からなる作品集です。
表題作「可燃物」は、太田市で次々に起こった7件の不審火事件の犯人を追う物語。火災はいずれも、収集日の前夜に出された可燃ゴミが燃やされたものだった。1件目は幸いにも火の勢いが弱かったため、第一発見者によって消火されたのだが、続く6件の不審火もまた、火は小さく、いずれも大事には至らなかった。ゴミ集積所にある「生活ゴミ」ばかりが狙われたこの放火の目的はいったい何なのか?捜査線上に浮かび上がった証拠品とある男。しかし葛(かつら)警部は、男の犯行動機をつかめずにいた。可燃ゴミだけが狙われるのは、なぜなのか……。
捜査能力は卓越していながらも、余計なことは口にせず、上司・部下とも距離があり無骨に見える主人公、葛警部。しかし彼の捜査は、淡々と着実に進んでいきます。伏線が張られながらも、読者がなかなか見破れない犯人やトリックの数々が紐解かれてゆく様子が壮快な作品集です。
米澤穂信さんファンはもちろん、初めて読むミステリ作品としてもぴったりの『可燃物』。本格ミステリ×警察小説のおもしろさをぜひこの機会に味わってください。
執筆者:文藝春秋 デジタル・マーケティング部