2024-08-23
軍や国家の歪みを描いた、著者渾身の歴史小説『二月二十六日のサクリファイス』
二・二六事件の“真の犠牲(サクリファイス)”は誰だったのか―
石原莞爾とともに事件の捜査をすることになった憲兵隊員を通して軍や国家の“歪み”を描き出す、衝撃の長編歴史小説。
侍従武官長として天皇に近侍している本庄繁陸軍大将を義父に持ち、蹶起した青年将校ともつながっていた山口一太郎大尉。
二・二六事件の重要容疑者である彼の調査を憲兵隊員・林逸平が任せられるも、なぜか戒厳司令部参謀・石原莞爾が協力すると言い出してきた。
獄中でも、ストーブのある部屋での兵器の開発を許される山口を取り調べるも――。
正義とは何か、国家としての大義はどこにあるのかを鋭く突き付ける、著者渾身の勝負作!
■目次
昭和十一年三月
柴有時の章
昭和十一年三月
上國西彦の章
昭和十一年三月
石橋恒喜の章
昭和十一年三月
青柳芳彦の章
昭和十一年三月
栗原安秀の章
昭和十一年三月
本庄繁の章
昭和十一年三月
田中弥の章
昭和十一年三月
昭和十一年四月
山口一太郎の章
昭和十一年四月
エピローグ 昭和二十七年
■著者
谷津 矢車(やつ・やぐるま)
1986年東京都生まれ。駒澤大学文学部卒業。2012年、『蒲生の記』で第18回歴史群像大賞優秀賞受賞。13年に『洛中洛外図狂伝 狩野永徳』でデビュー。18年に『おもちゃ絵芳藤』で、第7回歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞。その他の著書に、『ぼっけもん』『ええじゃないか』『宗歩の角行』『廉太郎ノオト』『吉宗の星』などがある。
執筆:株式会社PHP研究所