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伊勢神宮へ初詣に行く時に知っておきたい5つの謎

2016年の先進国首脳会議が伊勢志摩で開催され、「伊勢志摩サミット」という言葉も記憶に新しいですよね。伊勢神宮が半日間、内宮の一般参拝が禁止されるなど、厳重な警備体制も話題になりました。

このサミットの開催に合わせ、テレビや雑誌等で伊勢志摩が取り上げられることも増え、伊勢志摩に訪れた方や行ってみたい方も増えたのではないでしょうか?伊勢志摩と言えば、伊勢海老をはじめとする海鮮や、伊勢うどん、赤福など胃袋に嬉しい魅力も大きいですが、なんといっても一番の名所「伊勢神宮」は外せないでしょう。

 「伊勢神宮」というのは実は通称で、正式名称は地名の付かない「神宮」と言い、皇祖神 天照大神 (アマテラスオオミカミ) を祀る神社で、2013年にとり行われた20年に1度の式年遷宮でも注目を集めました。伝統と歴史を持ち、日本随一のパワースポットとしても有名です。

実は、この「神宮」には中二心をくすぐられる様々な謎や不思議がいっぱい詰まっているのです。今日は、「神宮」参拝が10倍楽しくなる あまり知られていない「神宮」の不思議を5つに厳選してご紹介したいと思います。  

 

1. 狛犬・注連縄 (しめなわ)・お賽銭箱がない


「神宮」には、普通の神社によくある狛犬や注連縄、お賽銭箱がありません。狛犬や注連縄がない理由についてはよく分かっていないそうです。

お賽銭箱がないのは、「神宮」が「私弊禁断」といって天皇以外の奉幣 (貢物を渡すこと) を禁じていることに由来しています。奉幣が禁じられているということは、個人的なお願いごともNGというわけです。拝殿に白い布が敷かれていてそこにお金が投げられていたりしますが、それは「お賽銭禁止」といってもお賽銭を投げる人がいて社殿の床が痛むからその防護措置のようです。皇祖神を祀る特別な神社ならではのルールですね。  

 

2. 皇祖神が祀られる「内宮」よりも「外宮」に先に参拝する参拝順序


「神宮」には、「外宮 (げくう)」と「内宮 (ないくう)」の2つの正宮があります。この参拝順序として「外宮」を先にするというのが正式だと言われています (外宮先拝・外宮先祭)。

「内宮」には皇祖神である天照大神が祀られており、「外宮」には天照大神の食事のお世話をする豊受大神 (トヨウケノオオカミ) が祀られています。つまり、外宮先拝は、「外宮」の豊受大神に挨拶をしてから「内宮」の天照大神に挨拶をしなさい、ということになります。

ところが、一般的に神社では、より格の高い神様 (もしくは古くから祀られている神様) を先に参拝することが正しい参拝順序とされています。つまり、そのまま解釈をしてしまうと、豊受大神の方が天照大神よりも格が高いことになってしまいます (内宮の方が外宮よりも先に創建されているので、外宮の方が古いからということではない)。この理由についても諸説あるもののハッキリしたことは分かっていません。  

 

3. 女神を祀る「外宮」の社殿が男神仕様


神社の本殿の屋根を見ると祀られている神様が男神か女神かが分かるって知ってましたか?

神社本殿の屋根にある「千木 (ちぎ) の形」「鰹木 (かつおぎ) の数」で祀っている神様が男神と女神かが分かると言われています。

千木の先端部分が地面に対して垂直になっているものを「外削ぎ」と言います。千木が外削ぎで鰹木が奇数本の場合は、男神を祀っていると言われています。

一方、千木の先端部分が地面に対して水平になっているものを「内削ぎ」と言います。千木が内削ぎ鰹木が偶数の場合は、女神を祀っていると言われています。

外宮も内宮も女神を祀る伊勢神宮は、両方とも「内削ぎ」&「鰹木が偶数」となっているはずなのですが、「外宮」の千木は「外削ぎ」&「鰹木が奇数」(つまり、男神仕様) となっていることが、「神宮」の不思議の1つとなっています。

ちなみに、「神宮」は、別宮・摂社・末社は、そこに祀られている神様に関係なくすべて外宮は「外削ぎ」、内宮は「内削ぎ」となっています。これらの理由についても諸説ありますが、ハッキリとしたことは分かっていないそう。  

 

4. 今の地に落ち着くまで60~90年に渡って24回も移転している


「神宮」には、天照大神の神霊が宿るとされている三種の神器の一つ「八咫鏡」が安置されています。実は、この「八咫鏡」は第10代 崇神天皇の時代まで皇居内に安置され、宮中で祀られていました。ところがこの崇神天皇の時代に疫病が流行り、それを鎮めるために宮中に祀られていた天照大神が八咫鏡と共に皇居の外に移されました (同時に、同じく宮中に祀られていた倭大国魂神 (ヤマトノオオクニタマノカミ) も皇居外に)。

この時、天照大神の転居先探しを命じられたのが、初代斎王 豊鍬入姫 (トヨスキイリビメ) 。途中で倭姫命 (ヤマトヒメノミコト) にバトンタッチしながら60〜90年の歳月をかけて24回の遷座を繰り返し、ようやく今の地に落ち着いたとされています。

ちなみに、各地に拡がる「元伊勢神社」と呼ばれる神社は、この時に一時的に遷座された神社と言われています。今では皇祖神として丁重に祀られ篤い信仰を集める天照大神も、昔は結構苦労してたんですね…。

 

5. 天皇による公式参拝は明治天皇が初


天皇の祖神 (皇祖神) である天照大神を祀る「神宮」ですが、実は天皇による公式参拝は明治天皇が初めてだったそうです。伊勢行幸をした持統天皇でさえ神宮に参拝したという記録が残っていません。不思議ですね…。これにも諸説ありますが、実際のところはよく分かっていないとか。

 

伊勢の「神宮」にまつわる5つの不思議。いかがでしたでしょうか?

ムー大陸とかピラミッドとかアトランティスに少年時代 (今も?) ワクワクしていた私は、いろいろな想像 (妄想) を巡らせられて大興奮しているのですが、その一端でもお伝えできていれば幸いです。多くの神社が創建された古墳時代から平安時代にかけては、「呪い」や「怨霊」というものが「最新科学」として信じられていたということもあり、その当時の建築には一つ一つに意味が込められています。そんな当時の信仰に思いを馳せながら伊勢志摩を訪れてみると、史跡や神社をより一層楽しめるのではないでしょうか。

 

 

 

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