
選定理由文責:公益社団法人 全国学校図書館協議会
第71回 青少年読書感想文全国コンクールの課題図書を小学校低学年から高校生まで一堂に集めました。
今年も気になる作品が勢ぞろい!あれもこれも読んでみたくなる作品ばかりです。
父親の転勤でライオンのくにに引っ越したねずみの家族。
ライオンが怖くて仕方がない子ねずみだったが、あることをきっかけにライオンと対決することに。
使う言葉も習慣も体の大きさも違う彼らはわかりあうことができるのか?
「優しさと勇気」についての絵本としても、「国際理解教育」の教材としても読める、幅広い層に届けたい1冊。
課題図書選定理由
柔らかな色使いだがインパクトのある絵、現代のグローバル社会を生きる子どもたちにふさわしい内容で、低学年の児童が友だちとの関わりを考えることができる。
放課後クラブが終わった学校からの帰り道。白い家の近くでねこを見つけた。つれて帰りたいなと思ったけれど、お母さんは「だめ」っていうかもしれない。
そのとき、ぽつっとぼくの首に雨があたった。雨がふりだしたら、ねこがびしょぬれになってしまうと思って、家につれて帰った。
課題図書選定理由
主人公の心の葛藤が良く描かれており、猫を飼っていなくても自分ごとのように想像して読める文章がすばらしい。主人公の選択が、生き方として読者に光を与えてくれる。
ぼくとエトは、だいのなかよし。だんボールばこをおかのうえまでひっぱっていっては、はこのなかにはいってあそぶ。これって、さいこうにおもしろいんだ。あるひ、しらないおとこのこがなかまにいれてほしいとやってきた。エトは「いいよ!」っていったけど、ぼくのほんとうのきもちは…。
課題図書選定理由
友だち関係という、子どもにとって身近なテーマで、自分に置き換えて読める。シンプルだが、登場人物の世界の広がる様子が伝わる絵で、読者がわくわくする。
カエルと聞いて思いうかぶのは?ぴょこんと目が出て、緑色のーーそう、ワレワレ、アマガエルだろう!体のしくみや、産卵からおたまじゃくし、冬眠までを、アマガエルたちの自己紹介で、楽しく見せます。
課題図書選定理由
写真が鮮やかで素晴らしく、さまざまなアングルの写真に立体感があって、飛び出してくるような迫力がある。ページのデザインも効果的で、内容も科学的。親子で楽しむことも期待できる。
ゆうとはペンギンの話を、るりは白いヘビのうわさを、ななこは鏡のライオンを、そうすけはフクロウの占いを、聞いたり、見たり、かんじたり…。「ふつうとは?」を決めつけず、それぞれの自分らしさを肯定する、ある町の小学三年生の物語。
課題図書選定理由
登場人物らが友情や相互理解を深めていき、「左利き」といった身近な例から「ふつうとは何か?」を考えさせる内容。やさしい文章で、自分ごととして、思いを巡らせることができる。
バラクラバ帽をかぶった転入生のトミーがやってきた。なぜトミーは帽子をかぶってるの?あの帽子の下には何がかくされている?ぼくとドゥミサニのたいくつな日々は、「バラクラバ・ボーイ」によって大きく変わったんだ。小学中級から。
課題図書選定理由
転校生を迎える、という身近な体験を描いており、意外な転校生へのクラスの驚きから笑顔になるまでの構成、学校生活の面白さ、文化の違い、世界で共通する友情等を知ることができる。
地球の平均気温が2℃あがると、環境災害がはじまる。人間は、野外活動ができなくなる。海の魚たちの大量死、大移動がおこる。海の生きものの種の25%がくらすサンゴ礁がきえる。虫が、ばくはつてきにふえて生態系の混乱がおこる。そして…
課題図書選定理由
読者にとって自分ごとになるよう、身近な話題から、地球環境の問題を取り上げている。タイトルや目を引く絵もインパクトがあり、児童が自ら考えることができるメッセージ性も評価された。
多様性と他者理解について知るSDGs絵本。科学者のママ、ゲーム好きのパパ、音楽家のおじさん…同じ場にいても、見ているもの、その見え方はまったくちがう!?きみには、どんなふうに見えてる?
課題図書選定理由
11人の登場人物によって、同じ場面がどう見えているかが視覚的に理解できる。中学年に伝わりやすい文章と絵で、「色覚異常」から「見え方」をとおして多様性について考えることができる。
「あれ、あれれ。おまえ、チョコレートを食べたのかぁ」ぼくの絵を見て、最初に笑ったのは足立友行だ。「口にチョコレートがついてるよ」口にチョコレートがついているって?ぼくは自分の描いた似顔絵をまじまじと見た。これ、口の色じゃなかったのか。第24回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞作家の最新作!
課題図書選定理由
文章がやさしく情景が想像しやすい言葉で書かれ、高学年の児童が安心して読める。誰もが悩みを抱えていることを児童に考えさせ、登場人物らの成長から、前向きな気持ちになれる。
一九五七年、ロンドン郊外の町。11歳の少年ミックは、近所の森で、ケガをしたニシコクマルガラスのひなを見つけた。父さんや母さん、親友ケンの手を借りつつ、けんめいに手当てをするうち、ひなはすっかりミックになつく。ジャックと名づけられたひなは成長し、やがて、地域のみんなに知られる人気者になるが…?
課題図書選定理由
とかく嫌われ者のカラスだが、本作では主人公とカラスの関係を温かく見守った人々の情愛が描かれ、心あたたまる物語となっている。読書感想文を書くにあたっても読みを深められる作品。
11歳の夏休み、ピーターはすべてうまくやれるはずだった。「生き物発見ノート」を完成させ、認知症のおじいちゃんのお世話をし、けがをしたマナティーを守る。それなのにー。変化に向き合う勇気をくれる、ひと夏の成長物語。
課題図書選定理由
多彩な登場人物から、読者が自身や家族、友だちの姿と重ねて物語の中に入っていくことができる。マナティー保護の描写から、生き物との付き合い方を考え、未来への思いを広げられる。
内気で人前で話すことができないマナミが通う小学校にはただひとつの部活動、合唱部があった。上手なだけじゃない、部員たちの輝く姿を見て、マナミは入部を決意する。でも、4月から顧問になった先生には、ある秘密があったー
課題図書選定理由
練習場面・合唱場面の心理描写が巧みで、熱心に取材したことが伝わってくる。分量や難易度も高学年に適切で読みやすい。高校生向け作品の多い著者だが、本作もクオリティが高い。
小食で食べるのが遅い葵は、食事の時間が苦手。とくに給食は…。「小林さんさ、たぶん君、会食恐怖症だわ」無理に油淋鶏を飲みこんで気持ちが悪くなった葵は、保健室でクラスの問題児、咲子にそう言われる。実は咲子も、食にかかわるある悩みを抱えていた。そんな二人は、新任のイケメン栄養教諭に焚きつけられて、給食改革に乗り出すことに…。
課題図書選定理由
「食」という身近なテーマを扱い、主人公らの設定から、どの生徒にも事情があることを読者に気づかせ、世の中の矛盾を生徒目線で考えられる。大人への戦いではなく、解決を探る努力を描く。
人は、水なしでは生きていけない。でも、ほんとうに必要なのはそれだけじゃない。家族、友情、シスターフッド、大人になるということ…手に汗にぎる!青春ストーリー。
課題図書選定理由
グローバルな視野を与えてくれ、世界を知っていくドキドキ感が、若干のサスペンス的要素とともに経験できる。主人公の行動にどう反応し、どのような読書感想文が書かれるかが楽しみな作品。
人類学者・鳥居きみ子をはじめて描いた人物伝。夫・龍蔵や家族とともに、まるで探検するようなフィールドワーク(野外調査)を進めた鳥居きみ子。人類学のなかでも、昔から伝わる生活・風習・伝説・歌などを調べる民俗学を切り開きました。さまざまな困難に直面しながらも、龍蔵に対する大きな信頼と度胸のよさでつきすすんだきみ子。
課題図書選定理由
明治・大正・昭和時代の女性の活躍を主題にし、鳥居きみ子の情熱に火をつけてくれた人々の描写やフィールドワークについての説明も興味深く、伝記以外の部分でも読後の世界が広がる。
県立野亜高校の図書室で活動する「イーハトー部」は、宮沢賢治を研究する弱小同好会だ。部長だった風見先輩は、なぜ突然学校から消えてしまったのか。高校生たちは、賢治が残した言葉や詩、そして未完の傑作『銀河鉄道の夜』をひもときながら、先輩の謎を追っていきー。物語を愛するすべての人へ贈る、青春小説の金字塔!
課題図書選定理由
先輩の不登校の謎にせまるため、宮沢賢治の作品を読み解く過程に賢治へのオマージュが込められ、登場人物たちそれぞれが抱えている背景から、さまざまな角度の読書感想文が期待できる。
ニューベリー賞オナー賞受賞作!イギリスからの独立とともに、ふたつに分かれてしまった祖国。ちがう宗教を信じる者たちが、互いを憎みあい、傷つけあっていく。少女とその家族は安全を求めて、長い旅に出た。自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。
課題図書選定理由
主人公の日記が『アンネの日記』を彷彿とさせ、日本人にとって縁遠い宗教問題や、高校生にとってアジア史を知り、世界を知ることができる作品。さまざまな気づきを得た読書感想文が期待される。
コーダ(CODA)=聴こえない/聴こえにくい親のもとで育つ、聴こえる子ども。もし、親の耳が聴こえたらーなんて、想像もつかなかった。ときに手話を母語とし、ときにヤングケアラーと見なされて、コーダは、ろう者とも聴者とも違う複雑なアイデンティティを抱えて揺れ動く。映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』原作者の最新エッセイ集。
課題図書選定理由
聴覚障がいの親のもとに生まれた子どもたち「コーダ」を取り上げたノンフィクション。著者の経験から、コミュニケーションとは、言語とは何かを高校生に考えてほしい一冊。
※当ページ内における各商品の内容紹介、課題図書選定理由に記載の内容は、全て該当出版社からのコメントをそのまま掲載しております。