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| 心を打つ歌い手、谷村新司が初めて書いた、7編の心に染み入る小説集 |
| 『昴』 1,575円(税込) |
| 日本が誇る名曲「昴」のアンサーソング!谷村さんが28年かけてたどり着いた答えとは |
| 『十三夜/マカリイ』 1,260円(税込) |
| 「昴」、アリス時代の代表曲など、谷村新司入門コンピレーション |
| 『谷村新司 ベストコレクション 〜いい日旅立ち〜』 2,500円(税込) |
| エイベックス移籍後第2弾!2月発売の谷村新司最新シングル! |
| 『桜は桜/夢になりたい』 1,260円(税込) |

| 松嶋菜々子主演で映画化された感動作!娘と母、まだ見ぬ父、家族の絆が・・・ |
| 『眉山(さだまさし)』 520円(税込) |
| 視力を失いかけた隆之はお寺で出会った老人から「解夏」の話を聞く・・・ |
| 『解夏』 680円(税込) |
| 2008年12月、フジテレビでドラマ放映された全盲のテノール歌手・新垣勉の半生記 |
| 『ひとつのいのち、ささえることば(新垣勉)』 1,300円(税込) |
| ECHOES(エコーズ)などで活動後、作家へ。97年『海峡の光』で芥川賞! |
| 『右岸(辻仁成)』 1,785円(税込) |
| 町田町蔵の名義でパンクロックバンドとして活動後、作家として芥川賞も受賞! |
| 『宿屋めぐり(町田康)』 1,995円(税込) |
| デビュー10周年!ルナシー・河村隆一が鉛筆で描いた優しい絵本 |
| 『空を見上げたブルー(河村隆一)』 1,500円(税込) |
−−初の小説集『昴』。2編目の「Yoo No Boy」を拝読して、とても衝撃を受けてしまいました。とてもいい父親と息子のお話だと思って読んでいくと、息子の洋之介が突然の海難事故でなくなってしまうのがとてもショックです。どうして彼が死なないといけないのかと・・・。
谷村さん それは、リアルストーリーだから。僕はあのお父さんと友達なんです。すべてがリアルではないのですが、書き終えた後、「洋之介のことを書いたよ」と電話すると、彼は「息子が何より喜ぶ」といってくれました。 −−とても大きなものを、多くの人の心に残していった様子は感動的ですが、生きていてもいろいろなものが残せる人だったのでは。突然断ち切られると、残されたほうはとても痛いです。 谷村さん 人の命は永遠じゃないとみんな分かっている。なのに、若くして逝った人がいると、周りの人は「どうして(死んでしまったのか)?!」というけれど、僕は逆にそれを「どうして(そう思うのか)?!」と思います。何歳で死ぬって、誰も決められないことですよね。 子供に「心臓止めてごらん」と言うと、「止められな〜い」と返ってくる。自分では心臓は止められないし、自分の命の長さは自分で決められないんです。「誰が決めているのかな」と聴いてみると、子供は一生懸命考えて、「神様?」と。神様が「ここでいいよ」と言ったときに止まるのが命だと僕は思います。硬く言うと、そういう「覚悟」があれば、何歳で終わるかということにこだわりはなくなるんじゃないかと。 心の持ちようを徐々に変えて、さまざまなことにこだわりをなくしていくタイミングに今ちょうど来ているのではと思います。星も、地球も、風も、そういうメッセージを出しているけれど、それを感じられない人もたくさんいる。殻の中に閉じこもってしまい、感性が鈍くなってしまっているけれど、隙間を少しでも作れば風も光も吹き込んできます。 洋之介はたくさんの人々に隙間を開けた人。彼が逝ってしまう理由はそこにあるのでは、と。 僕も、僕の小説をきっかけに、隙間が開く人が1人でもいてくれたら、書いてよかったと思うし、幸せだと思います。 −−谷村さんご自身に隙間が開いたのはいつごろですか? 谷村さん 完全に開ききったのはやはり5年前ですね。多くの人と出会い、きっかけをもらって5年前に全開になりました(笑)。 −−それは何がきっかけですか? 谷村さん 5年前に、ツアーを全部休止して、事務所をたたんで収入をゼロにしてリセットしたときです。何をすれば心が喜ぶかを考える時間を持ったときに、何でもできることに気がつきました。 −−リセットしようと思ったのはなぜですか? 谷村さん ずっと歌を歌ってきて、ツアーをしてきて・・・4,000回以上ステージに立ってきました。これまでもこれからも、こういう生き方・・・つまり、歌で伝える生き方だと思っていたんです。が、6年前に免疫力が落ちて、帯状疱疹が出てしまいました。それでもステージを止めないで続けていたんですが、その年のクリスマスに、カミサンが、「今までとは違う生き方があるのかもしれないよね」とぽろっと言ってくれたんです。「一度、箱の中をからっぽにしてみたら」と。 「歌を歌わない時期があってもいい」なんて発想は僕にはなかった。でも、そう聞いたとたん、戸惑いもなく「そうしよう」と思えました。子供たちも応援してくれた。 それから1年掛けて、いろいろな方々にご挨拶とお礼を言って事務所をたたみました。それが5年前の年末でした。 そうしたら、年が明けて2月ごろに突然「上海音楽学院で常任教授をやってくれないか」という話が来て、「ああ、こういうことだったんだ」と。 これまでのようにスケジュールが3年先まで決まっている状態では決して受けられない。このタイミングでこの話をいただくということは「やりなさい」ということなんだと思いました。そして、上海音楽学院では、僕のほうが学んだことだらけでした。 −−上海音楽学院で学んだこととは? 谷村さん 10代の、音楽の才能溢れる子供たちだけど、彼らに何が足りないかはすぐに分かりました。音楽の技術や理論は素晴らしく高度なのに、「伝えたいもの」がない。とても素晴らしい演奏をしてくれるんだけど、その後に僕は「で?」って聞いてました(笑)。「で、どうするの?何を伝えたいの?それがないと技術屋さんだよ?」と。すごいねとはいわれるけれど、心には響かない。君が目指したいものが何かは教えてあげられないけど、それを見つける手伝いはできるから僕のクラスにおいで、と。 就任して2年目くらいに、日本のテレビ局が上海音楽学院の学生に「谷村先生ってどんな先生?」とインタビューしていました。僕はぜんぜん知らなかったんだけど(笑)。そしたら、「最初の1年間、音楽の話を一つもしなかった。なんなんだろうこの先生、と思っていたけど、2年目に入ったら、先生が伝えようとしたことがとてもよく分かった」と答えていたみたいです。 −−これも隙間ですね。 谷村さん そうですね。技術を使ってうまく組み合わせても意味がない。そのことに気づいている若い子は日本でもすごく多いです。問題は大人。大人がとても閉じている。これは大人の教室をちゃんとやらないとダメかなと思います。 −−今回の書籍と同時期に発売されたシングル「マカリイ」は、28年前の歌「昴」のアンサーソングだそうですね。「昴」で最後に「さらば、昴よ」と別れを告げて、そこから先どこへ行くのか、という答えだと、インタビューで答えていらっしゃいましたが、その答えが28年後に出たということでしょうか? 谷村さん 答えは出ないと思っていたんですが、やはりリセットしたこの時期に見えてくるものがたくさんありました。そして、このタイミングで「マカリイ」という言葉と出会いました。「マカリイ」とはハワイ語で「星の航海師」、そして「スバル」という意味でもあったんですね。そこで、「マカリイ」という曲を作ろうと思ったんです。 天上の「昴」に別れを告げた後、人は目に見えない大切なものに向かうべき。そんなことを小説『昴』と音楽「マカリイ」で伝えられればいいなと。 −−本と曲、いっしょに意味を味わうとより答えが近づきそうですね。 谷村さん そうであるとうれしいです。ただ実はこの小説には、まだ続きがあるんです。『昴』では7編の小説を書きましたが、物語はあと6編あり、13編で全体が見えてくる、という構成です。 −−『昴』で何かを感じた人にとっては、その答え合わせのような小説ですか? 谷村さん ええーっ!?と思うようなことも出てくるかもしれませんよ。構成はほぼ完成していて、あとはどう表現すると一番心に響くのか、伝わるのかをじっくり考えて言葉にしていきたいと考えています。 −−4月ごろ予定の出版が楽しみです。それまでじっくりと『昴』を読んで、答えを探してみます。本日はありがとうございました。 |