- 東川篤哉(ひがしがわ・とくや)さん
- 1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒。2002年カッパノベルスの新人発掘プロジェクトで長編デビュー。著書に『館島』『密室の鍵貸します』『完全犯罪に猫は何匹必要か?』『放課後はミステリーとともに』など。『ここに死体を捨てないでください!』が「2010本格ミステリ・ベスト10」の8位に選出。前作の『謎解きはディナーのあとで』は2011年本屋大賞受賞。
インタビュー
■どうしてこんなに売れたのか…理由を教えてもらいたいくらい(笑)- −−前作『謎解きはディナーのあとで』から約半年、早くも第2巻の発売となりました。前作はついに175万部突破、今秋から人気キャストでドラマ化されるなど大変な注目を浴びていますね。
- 東川さん 僕自身も前作がこれほどヒットするとは夢にも思わなかったんですよ。前作は売れるかどうかわからない、むしろ売れない可能性のほうが高いと思いながら書いていました。でも今回の第2巻は相当数の人に読んでいただけることがあらかじめ想定されている。1巻を読んでいただいた方の期待を裏切らないようにというプレッシャーを感じながらの執筆でした。
- −−「本屋大賞」第1位を受賞されてから東川さんを取り巻く状況もかなり変わったのではないでしょうか?
- 東川さん おかげさまで仕事量がかなり増えたのでスケジュールがきつくなりましたね。だからむしろ書きにくくなった(笑)。あとは読者の反応をダイレクトに感じられるようになった。これは大きな変化ですね。前作がヒットするまでは僕のところに読者の方の声が届くことはほとんどなかったんです。でも今ではファンレターをいただいたり、行く先々で生の声を聞く機会が増えました。
- −−東川さんご自身は前作のヒットをどう受け止めてらっしゃいますか?
- 東川さん どうしてこれだけ売れたのか、僕自身もはかりかねてる部分があるんですよ。理由を教えてもらいたいくらい(笑)。中村佑介さんの装丁が素晴らしかった、「執事探偵」というアイデアが受けた、っていうのはあるんでしょうけど…。あとは時代がユーモアミステリを求めていた、ということになるのでしょうか。
- −−先の10月から櫻井翔さん、北川景子さんら人気タレントによるドラマも始まりましたね。
- 東川さん ドラマ化の際はぜひとも美男美女に演じていただきたいと思っていたので櫻井さん、北川さんのような美しい方に出演していただけるのは本当にうれしいですね。まさにイメージ通り。でもまだドラマは見てないんですよ。僕はあまり自分の作品を見たくないタイプでして(笑)。出版前の校正刷りを見るのでさえ怖いくらい。映像と原作とは別物だと頭ではわかっているんですが、やはり自分の創造したキャラクターがセリフをしゃべってるのを見るのはちょっと怖いんですよね。
■影山の「愛ある毒舌」には毎回苦労してます
- −−先ほどのお話にもありましたが執事が探偵であるということ、そして2人の大富豪刑事、キャラクター設定が大変ユニークですよね。
- 東川さんまず「執事探偵」という発想が先にあって次に麗子、風祭の順にキャラクターを構想したんです。少し前に「執事喫茶」が注目を浴びていた時期があったと思うんですが、「執事探偵」のアイデアはそこから生まれたんですよ。
- −−影山が麗子に対して言う毒のある決めゼリフも毎回楽しみです。
- 東川さん 毒舌でも本当に相手を傷つけるようなものではなく、愛のある毒舌になるよう意識しています。「馬鹿」ではなく「アホ」という言葉を使うことでユーモラスな雰囲気を出したり。でも毎回同じセリフというわけにもいかないので、苦労してるんですよ。第2巻書いて出尽くした感はありますね(笑)。
- −−大富豪でありながら刑事、という麗子のキャラクターはどのように考えられたのでしょうか?
- 東川さん執事が探偵なので、当然仕える相手はお嬢様であるべきだとは思ったんですが、令嬢であっても愛されるキャラクターじゃないと話が成り立たない。でもお金持ちってそもそも一般庶民から愛される存在ではないですよね(笑)。だから大富豪の令嬢なのに刑事、しかも上司から虐げられている駆け出しの刑事という設定にしたんです。
- −−なるほど。およそ庶民の生活とはかけ離れた華やかな麗子の日常を描くのは難しかったのでは?
- 東川さん やっぱり女性を描くのは難しいですね。でもユーモアミステリは女性視点のほうが面白くなるんじゃないかと僕は考えているんです。赤川次郎さんの作品も女子高生が主役だったし、ユーモアミステリを書く以上は女性の目線で書きたいと以前から思ってたんですよ。
- −−そして麗子にことあるごとにアプローチしてはフラれている風祭警部。彼もまた麗子と同じく大富豪というのが面白いですね。
- 東川さん当初はいかにも刑事ドラマに出てくるような人物にしようと思ってたんですが、それだとあまり面白くないなと。というのも麗子と風祭がやり取りする中で、風祭が庶民的な警部だと釣合いがとれないと思ったんですよ。大富豪である麗子を説得力を持って虐げられるのはやはり同じく大富豪の警部なんじゃないかと(笑)。
- −−今回の作品では風祭警部の活躍が前作に比べて目立つような気がします。
- 東川さん風祭警部はこの作品の「鍵」だと僕は思っているので、少しくらい活躍する場面があってもいいかなと(笑)。ミステリーって極端に言えば誰が探偵役やってもいいんですよ、それなりに推理を語れれば。むしろ難しいのは終盤まで持っていくことであって、その中盤を引っ張っていってくれるのが風祭警部。彼が面白くなければ全体が面白くならない、という意味では僕の中では風祭警部はとても重要な存在なんですよ。
- −−麗子が乗るリムジン、風祭のジャガー、作品中に車の描写が多いように感じるのですが、もしかして東川さんも車がお好きなのでしょうか?
- 東川さん僕は残念ながらペーパードライバーなんですが、僕の作品には車がよく登場するんですよ。『館島』だったら黒いジャガーとか。というのも、登場人物のキャラクターを車でより明確にできるという便利さがあるんですよね。
- −−作品の舞台を国立周辺の街にした理由は?
- 東川さん自分の知っている街だから書きやすいかなと思ったんですけど、国立って実は結構狭いんですよ。僕も書き始めるまで気付かなかったんですが、少し行けば国分寺、立川になる。だから国立だけで物語を構成するのには無理があるので、立川、国分寺を含めた周辺地域を舞台にしたんです。
- −−今後影山と麗子、もしくは風祭の麗子の仲が進展するようなことはあるのでしょうか?
- 東川さん進展はしないです(笑)。影山はあくまで麗子の執事であり、風祭はあくまで麗子の上司、この関係に変化はないと思いますね。
- −−第3巻を心待ちにするファンも多いと思いますが、今後どれくらいのシリーズを予定されていますか?
- 東川さん3巻についてはまだ構想すら練ってない状態ですので、それ以降の予定もまだよく判りません。僕の中では1巻は影山の話、2巻は風祭の話だから、3巻は麗子の話になるのかなと思っています。主人公が3人だからちょうどいいんじゃないかな(笑)、とも。
- −−『謎解き…』以外の新作も楽しみなところです。
- 東川さん2005年に出版した『館島』の続編を書きたいと考えているんですが、何しろこ忙しくて(笑)。でも僕はデビュー以来一貫してミステリーを書いてきたので、今後もミステリーを書き続けていきたいですね。
Written by Shinobu Nakagami
- ★『謎解きはディナーのあとで』が面白かったので、しばらく、東川篤哉ばかり読んでいた。『謎解きはディナーのあとで 2』が出るなら、面白いに決まっている!!1で、お嬢様がだんだん壊れていったような様な気がしたのは、私だけ?
- ★普段 読書をしない息子が第1巻を大変気に入って・・・2巻目が出たから買ってくれと言われて・・・ちょっと高いけど 確かにおもしろいです。本当は文庫本が出るまで待ちたかったですけど やっぱり旬じゃないととも思ったんで 買いました。















