- 金森重樹(かなもり・しげき)さん
- 1970年生まれ。テレビで紹介されていたのをきっかけに、ふるさと納税の魅力に開眼。2014年度は200件以上、300万円をふるさと納税し、食生活のすべてをまかなう、ふるさと納税の達人。ふるさと納税の実績件数では日本一を自任する。『借金の底なし沼で知った お金の味』など著書多数。ふるさと納税の達人としてテレビ、ラジオへの出演、雑誌の取材多数。
インタビュー
■簡単な手続きで、お米が一生タダで食べられる!?
- --“ふるさと納税の達人”としてメディアにひっぱりだこの金森さんが、「ふるさと納税」を始めたきっかけから教えて下さい。
- 金森さんある日、テレビを見ていた奥さんに「節税になるみたいだから、調べてみて」と言われたことがきっかけです。僕は所得税、住民税を合わせて年間1~2億円を納めるので、特産物がもらえることよりも、節税の方法として興味を持ちました。早速いろいろ調べてみると、非常にお得な制度だというのが分かって、「これを利用しない手はない!」と思ったんですね。
- --“納税”といいながら、実際には“寄付”ですよね?
- 金森さんおっしゃる通り地方自治体に対する寄付金で、所得控除と税額控除をしてもらうことで、無料でお取り寄せグルメができる仕組みです。“ふるさと”という名称ですが、出身地にかぎらず好きな自治体を選べて、複数の自治体に寄付することもできるんですよ。近頃、テレビを見て始めたという専業主婦の方達から「ふるさと納税したのに控除されなかった」という声をよく聞きますが、控除されないのは配偶者控除を受けている、つまり納税者ではないからです。そこはぜひ覚えておいて下さい。最近は「ふるさと納税」もどんどん進化していて、納税者が受け取る特産物をお中元やお歳暮といったギフトとして別の人に贈ることができる自治体も増えているんですよ。
- --「ふるさと納税」の一番のメリットとは?
- 金森さん通常の寄付金控除と違って、ほとんど全額が戻ってくることですね。日本赤十字に1万円を寄付すると、その人が税率50%だとしたら、50%分の税金、5千円しか戻ってきません。「ふるさと納税」では寄付の最低条件の2000円を引いた1万円のうち、8千円が戻ってきます。実はその2000円も回収できる方法があるんですよ。鳥取県の日吉津村は1万円の寄付に対して2000円のイオンの商品券、長野県の大町ではクオカードがもらえます。結果、全額キャッシュバックになりますよね?最近の新たな流れとして、カード払いで「ふるさと納税」ができるようになりましたが、楽天カードはポイント率が1%と結構高い上にキャンペーンもよくやっているので、楽天カード払いにすれば、ポイントとして2000円を取り戻すこともできます。
- --いいこと尽くしですね!
- 金森さんだからやったほうがいいんですよ。理論上は「ふるさと納税」の特典だけで生活をほぼまかなうことも可能です。我が家の場合、食費に関してはまかなえているどころか、「ふるさと納税」のおかげで5キロ太りましたから。この本の帯の写真よりも、だいぶ丸みを帯びているでしょう(笑)。
- --(笑)そこまで食生活が豊かになるとはびっくりです。この本では「ふるさと納税」でもらえる特産物の数々も紹介されていますが、魚沼産コシヒカリに宮崎牛、でんすけすいか、松葉ガニ、地ビールまで本当にいろいろありますね。
- 金森さん豪華ですよね。日本生命の調査によれば、納税を始めたほとんどの人が物目当てだそうです。つまり、いいものでないと「ふるさと納税」はされにくい。だから自治体から届く特産物のクオリティはどれも高いですよ。最近は「ふるさと納税」の人気自治体ランキングも発表されていますが、ランキングが高い市町村に人気が集中して肝心の特産物が品切れになることも。狙ったものがもらえなければ意味がないので、トップランキングではなく、中堅どころを狙うのもコツです。あと、果物などは季節によって出るものと、出ないものがあるので、いつ「ふるさと納税」するかの予定を立てることも大事ですね。
■節約は一生の技術。身につけるメリットは大きい
- --「ふるさと納税」を始めるにあたり、何をすればいいでしょうか。
- 金森さんまずは去年の源泉徴収票を見て、自分の収入に対していくらまで「ふるさと納税」できるかを知ることですね。この本ではその計算方法、収入ごとの寄付金額の上限目安も紹介しています。サラリーマンは源泉徴収票ってあまり見ないと思うんですよ。給料の額は気にしても、自分が払っている税金には案外無頓着だったり。確定申告をやる人も少ないですから、ほとんどの人が実は損をしているんです。「ふるさと納税」を始めてから「国税と地方税の違いが分かった」「家計を考えるようになった」という人は多いですし、「子どものマネー教育になっている」という声もよく聞きます。
- --ビギナーが狙い目の特典とは?
- 金森さん“米”ですね。主食だし無いと困るものなので、まず「ふるさと納税」で米を完璧にまかなえるようにしてしまう。この本には特産物ごとに、狙い目の自治体のリストも載せています。米の一押しは長野県の阿南町で、1月に申し込みが始まり、1万円あたり20キロ、何口でも米がもらえます。4月から始まる福島県の湯川村の新米も狙い目ですね。米が完璧になったら、野菜や肉、魚と進めていけばいいのではないでしょうか。果物なら、これからの季節のおすすめはスイカやメロン、マンゴーや佐藤錦を出している自治体もあります。
- --ちなみに今までで一番驚いた特典は?
- 金森さん薔薇風呂とグランド整備用のトンボですね(笑)。鳥取県の倉吉市では50万円で立派な仏像がもらえます。しかも数名の仏師から、誰に掘ってもらえるかが選べるんですよ。
- --仏像ですか!
- 金森さんはい(笑)。食べ物以外では群馬県の中之条町をはじめ、無料で泊まれる宿泊券を出しているところもあります。これは“体験型”の特典ですね。
- --本当にいろいろあるんですね。金森さんが「ふるさと納税」を広めたいと思われる理由は何でしょう。
- 金森さん「ふるさと納税」の活用方法には5段階あって、第1段階はいろんなものを自分がもらう。第2段階はそれをギフトとして使う。第3段階はビジネスで活用する。例えば北海道の上下幌町では20万円の寄付で仔羊を丸ごと1頭もらえます。それで会社でジンギスカンパーティをすれば、社員への福利厚生になりますよね。
そして今、第4段階として僕が取り組んでいるのが自治体の企業の再建です。地元のホテルが廃業しても、自治体が全部買い上げれば再建できる。あるいは地方の第3セクターの青果市場で経営が上手くいっていないところがありますが、自治体が「ふるさと納税」用に産品を買い上げれば、再生できて地元の活性化にもつながります。
さらに第5段階では、「ふるさと納税」制度を使った過疎化対策ができないかと考えています。旅費と食事付きで、地元の若い人たちとお見合いする企画をやって、もしカップルが成立すれば過疎化対策になりますし、カップルにならなくても、その場所を気に入って定住してくれれば人口の流失が止まる。といっても、こうした試みを実現するにはいろいろ調整が必要なので、実現には時間がかかるとは思いますが。 - --一人一人の「ふるさと納税」が日本を変えるきっかけにもなるんですね。最後に、「ふるさと納税」に興味を持っている読者へのアドバイスをお願いします。
- 金森さん消費税が8%に上がった時に洗剤を3万円買いだめしたとか、そんな話をよく聞きましたが、3%得したといっても900円ですよね。しかも得するのは1回きりです。「ふるさと納税」は、多少手間はかかりますが一度やり方を覚えて始めれば、極端に言えば未来永劫、タダでお米が食べられるんですよ。節約は一生の技術なので、それを使わない手はないし、若い人ほど節約の技術を身につけるメリットは大きいと思います。消費税が今後さらに上がる可能性があるわけですからね。しかもタダで何かをくれるなんて、国としてはめったにない政策じゃないですか(笑)。「ふるさと納税」に興味があってもなかなか踏ん切りがつかない人は、まずこの本を読んで頂いて、周囲に「やるぞ!」と宣言して自分の外回りを埋めることで、始めて頂けたらいいなと思います。
【取材・文】宇田夏苗
*「ふるさと納税」の各地特典、特産物に関する情報、データは2014年4月16日時点のものになります。
- 内容紹介
- ふるさと納税という制度。ちょっとした手間でとんでもなく得をする。どうすれば、何をもらえて、どれだけ得をするのか?消費増税分を取り戻すスーパー“節税”メソッド。我が家の食費は年間0円!













