- DJ KOOさん TRFリーダー/サウンドクリエイター
- 86年、本田勝裕(dj honda)らと共にリミックス・ユニット「The JG's」を結成 。日本初のノンストップ・リミックスCDを制作したほか、久保田利伸、早見優、マイケル・フォーチュナティなど多数のアーティストの楽曲リミックスも手がける。93年、TRFとして活動開始。2作目の「EZ DO DANCE」の大ヒットを経て、6作目の「survival dAnce~no no cry more~」で初のオリコン1位を獲得して以降、5作連続ミリオンセールスの記録を樹立。「Overnight Sensation~時代はあなたに委ねてる~」で日本レコード大賞獲得。TRFのCD総売上は2,170万枚超。現在はTVの人気バラエティ番組にも多数出演し、独特のキャラクターで注目を集める。
インタビュー
■ 自分が楽しみたいから、できるだけ準備するんです
- -- 最近はコントや落語など、さまざまなチャレンジをされているDJ KOOさんにとって、初の著書ですね。
- DJ KOO(以下、KOO)さん 僕は日頃からいろいろ見て気付いたことを、メモに書き留めているんですね。ある時、取材に来た編集の方にそのノートを見せたことがあって。「自分はこんなことを考えているんですよ」という話をしたら、すごく興味を持って下さったことがこの本につながりました。
- -- 今日もいくつかノートを持っていらっしゃいますよね?
- KOOさん これはね、今まで書き溜めてきたノートなんですよ。
- -- (中を見せて頂く)うわ~ぎっしり書き込まれていますね!もともとノートを取るのが得意だったのですか?
- KOOさん いや、全然違います。親に「勉強しろ」と言われたことがなく…でも「髪の毛を切りなさい!」とは毎日言われていました(笑)。そもそも勉強の仕方を知らなかったですから。勉強って誰かに「やれ!」と言われてもエンジンがかからないんだけど、自分の中で「やらなくちゃ!」と思うと、驚くほど前向きになれるんですよね。
- -- 学ぶことに目覚めたきっかけとは?
- KOOさん ひとつは妻の妊活ですね。そのための検査をしている時に、妻の甲状腺ホルモンの病気が見つかって。治療をしながら出産できるように、いろんな本を読み始めたんです。そのうちに勉強だけでは学べないこともあると気付いた。その後、娘が無事に生まれて成長していく中で、学校の授業参観の板書を写したり、保護者会などでメモをとったりようになり、さらに勉強熱心になりましたね。
- -- バラエティ番組に出る前には、必ず予習ノートを作るそうですね。
- KOOさん 僕は「バラエティで再ブレイクした」と言われますけど、もし「自分はこれはやらない」と決めていたら、こんなにたくさん呼んでもらえる状態にはなっていなかったと思います。「面白そうだからやってみようか!」と軽い気持ちで一歩踏み出したら、仕事の幅も広がってすごく楽しいんですね。何より、面白いものを作ろうと本気で取り組んでいる芸人さんやスタッフの方たちを見ていたら、自分も応えないと。ただ、僕は笑いのプロではないので、過去の番組を見たりして、できるかぎり準備をするしかないんです。でもまあ予習する一番の理由は、僕が本番を楽しみたいからなんですよね(笑)。
■ まずは目の前のことを「やる!」のがいい
- -- 小学校時代には引きこもり気味で、テレビで見た沢田研二さんに憧れて音楽の道を志したというKOOさん。高校時代には名門ラグビー部でしごかれ、下積み時代にはコインランドリーで寝泊まりしていたと知って驚きました。
- KOOさん この本にも書きましたけど、だからすごく辛かったとは思っていないんです。今振り返ると、やってきたことは全部楽しかった!という気持ちが大きいですね。下積み時代の写真を見ても、これはこれでカッコイイなって。その時だって毎日頑張っていたはずなので。 やる前から、ああだこうだと考えてしまうことがありますよね?それだと自分で枠を決めてしまう。だから、まずは一歩踏み出してみる。目の前のことを「やる!」のがいいんじゃないかなあ。という僕も「やらなくちゃ!」と思いつつ、大変そうだから手がつけられなかったりしますが(苦笑)。でもそれだと言い訳になっちゃうし、大変だとか、忙しいとは言わないように軽く自分を演出したほうが、前向きになれますよね。
- -- この本を読むと、人も、何事も“受け入れる”という、KOOさんの一貫した生き方も感じます。
- KOOさん やっぱり子どもができてから、より受け入れられるようになったというか。あとは、人を疑うよりも信じたほうがいいという考え方なんです。DJの世界も今は30代が主流で、若い人とのギャップはあるけれど、だからといって、何も見ないうちに「甘いな」と思うのではなくて。まずは受け入れてみる。その後で「俺の意見も聞いたらいいのになあ」と感じることはありますけどね(笑)。
- -- 現在は「エイベックス・マネジメント学園」というプロジェクトの校長ならぬ、“KOO長”を務められていますね。
- KOOさん エイベックスの若いアーティストたちの新たな魅力を引き出して、みんなが活躍できるようにするのが目標です。エイベックス所属第一号の僕からすると、最近、若い人たちが窮屈さを感じているような気がして。芸人さんたちを見ていると、先輩後輩のつながりの中で、意見を言い合いながら面白いものが生まれているんですね。そういうつながりをアーティスト同士がもっと持てるようになれば、そこから新たな音楽も生まれると思うんです。
- -- 音楽業界の荒波の中で生きてきたKOOさんから、人生が上手くいかないと感じている人にアドバイスをいただけますか?
- KOOさん 人って気分で変わりますよね?自分の都合がいい時は気分が良くなったりしますし。僕も1日スタジオで作業していると「今日は1回も笑っていないな」と気付くことがあるので。今の質問の答えになっているかわかりませんが、仕事を終えて周りの人に「今日も1日ありがとう!」と言って終わりたいなと思っています。でも「おつかれさま!」だけで終わることが多くて、意外にできないんですよね(苦笑)。
- -- 最後に今後の夢は?読者へのメッセージもお願いします。
- KOOさん さしあたっての目標は、TRFのファンイベントをやることですね。ファンクラブ自体は今はないんですけれど、20年来のファンの方たち、ずっとライブに来て下さる多くのみなさんとは、すでに親類みたいな気でいるので(笑)。一緒に過ごせる時間を作りたいですね。 特に若い人たちに伝えたいのは、「今やっていることだけが、絶対ではない」ということです。過去を振り返った時も、今も「一番楽しい!」っていうのがいいですよね。人生の指南書といっても、身近なことから僕がアドバイスできることをまとめたので、少しでも役立ててもらえたらいいなと思います。
【取材】 宇田夏苗
- 内容紹介
- 「最KOOOO!」にHOTな人生指南書! どんな困難な状況に陥っても「『今』をいちばん楽しもう! EZ DO LIFE!」とシャウトするKOO。苦しくても悲しくても、笑顔で人生が楽しめるようになるヒント満載!













