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| ジミー大西さん待望の画集!13年間の画家生活の集大成 |
| 『まっ白。』 |
| タレントをやめて、スペインに旅立ったジミーさんの目に映った天然色の世界 |
| 『天然色日記』 |
| ひとりぼっちの大きな「木」、生まれかわりの、ものがたり。ココロが暖かくなる絵本 |
| 『トーテンくんのオーケストラ』 |

| 「意外な発想を持たないとあなたの価値は出ない」巨匠・岡本太郎さんの生きかた論 |
| 『自分の中に毒を持て!』 (岡本太郎) |
| もっと元気に、もっと優しくなれる、岡本太郎からのメッセージ |
| 『強く生きる言葉』 (岡本太郎 /岡本敏子 ) |
| 「オレは進歩と調和なんて大嫌いだ」「芸術は爆発だ」圧倒される珠玉の語録 |
| 『芸術は爆発だ! 〜岡本太郎痛快語録〜』 (岡本敏子) |
| 作品や人生を紹介した、エンターテイメント的太郎入門書 |
| 『Be Taro!〜岡本太郎に出会う本』 まだまだあります!岡本太郎関連の書籍はこちらから! |
| 横尾忠則、初小説!誰も見たことがない、永遠の愛の物語 |
| 『ぶるうらんど』 (横尾忠則) |
| 第一線で活躍する芸術家・横尾忠則が「隠居」を宣言!? |
| 『隠居宣言』 |
| 横尾忠則の日常と100点以上の作品を収録した豪華本! |
| 『人工庭園』 |
| ジミーさん永遠の憧れ、破壊と創造の天才画家ピカソの全貌に迫る |
| 『西洋絵画の巨匠 7 〜ピカソ〜』 |
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★「キャンバスからはみだせ」 −−とてもパワフルな画集で、絵の中に引き込まれました。タイトルの『まっ白』はジミーさんご自身が付けたんですか? ジミーさん 「タイトルは何にしよう?」って、スタッフみんなで会議をして決めました。僕も4つか5つくらい考えたんです。『努力は失敗』とか。 −−(笑)。 ジミーさん 編集の方から「ジミーちゃん、何色が好き?」って聞かれて、「白が好きっすね」。それからみんなで「『まっ白』がいいんじゃない?」という話になって。「『まっ白』にしよう」「いいね! 『まっ白』」。全員が「いい!」って言って、決まったんです。 −−ジミーさんの初めての画集にピッタリのタイトルだと思います。意外だったんですが、本格的な画集は今回が初めてなんですね。絵を始められて15年、芸能界を引退されて13年がたったわけですが、こうして画集に作品をまとめられて、どんな感慨をお持ちですか?
ジミーさん 岡本太郎さんから贈られた「キャンバスからはみだせ」という言葉がテーマになっていたから描き続けてきたんだなあ、と思いますね。 どうしたらキャンバスからはみだせるだろう? 第一段階は魚なら魚がキャンバスの四角い枠から飛び出していくように描いていました。次の段階では、物語をつけて、絵が物語のなかへ飛び出していくように。いまは三段階目で、キャンバスの前へ飛び出すような作品を作っています。これ(「野原の窓」2008年・104ページ)です。 −−これは立体になっているんですか? ジミーさん 同じサイズの絵を間隔を空けて前から後ろへ順に重ねています。ぜんぶで三段重ねになっているんですよ。 −−面白いですね。ぜひ実物を見てみたいです。ところで、ジミーさんは小学生の時に先生に絵を褒めてもらったことが原点だそうですね。その後、お笑いタレントとして活躍されて、テレビ番組の企画で描いた絵がきっかけで画家として活動を始めたわけですが、その間は、趣味で絵を描いたりはしていなかったんですか? ジミーさん まったく描いていなかったんですよ。テストのときに、最初の選択問題だけ当てもんのように鉛筆転がして答え書いて、残りの時間、何をしてええかわからないから、答案用紙の裏にずっと絵を描いたりはしてましたけど。 −−(笑)。では、まったくのシロウトとして描いた絵が、岡本太郎さんや横尾忠則といった超一流のアーティストたちに評価されたわけですね。
ジミーさん はい。TV番組の企画で絵を描いたんですが、その絵を見ていただいた岡本太郎さんから「キャンバスからはみ出せ」という言葉をいただいて、ああ、そうやって描いていけばいいのか……と思いましたね。横尾忠則さんは「プロになっちゃいけないよ。趣味のままで描いたほうがいい」とおっしゃっていたんですが、いまになってだんだんとその言葉の意味がわかってきました。プロはちゃんと描かなくてはいけないもんだと思うんですが、ちゃんと描かなアカン、ちゃんと描かなアカンと思っていると、だんだん描けなくなって来るんですよね。だからぼくの場合はプロにならないほうがいいのかもしれない。いまになって、横尾先生の言っていたことがよくわかるなあ、と思うんです。 −−ジミーさんの作品を拝見して感じるのは、テクニックを誇ったり、見る人を感心させようという大げさなところがないことです。まさに、まっ白なキャンバスの中から、描きたいと思われたものを無心に立ち上げているように感じます。プロの手慣れた仕事とは違う新鮮さを感じますね。 ジミーさん やっぱり、自分はプロではないなあ、と思いますね。ほんまに横尾先生の言葉に尽きますね。絵はオリンピックとは違って順位はありませんよね。見た人がいいと思えばいいし、ダメだと思えばダメ。順位がないのが絵やないのかな、と思いますね。 ★描き始めると止まらない −−ジミーさんがどんなふうに絵を描いているのかについてうかがいたいんですが、まず、下描きはされるんですか? ジミーさん 必ずします。クセがついているんでしょうね。小学生の頃に、みんなが雲の絵を描いているのに、僕だけが雲が動物のかたちに見えたから動物を描いた。それでみんなに笑われたとき、先生に「大西くんはそれでええよ」と言われました。その先生に「音楽を聴きながら描いてみたら?」と言われてクラシックをヘッドフォンで聴きながら描きました。いまもそれとまったく同じ描き方です。マル一つ描くにも下描きしないと描けない自分がいて、ものすごい滑稽ですよ。 −−下描きをするということは最初から絵の最終形までが頭の中にできあがっているんですか? ジミーさん 下描きからどんどん「はみだせ、はみだせ」で描いていきます。 −−下描きからもはみ出していくような勢いで描いていくということですか? ジミーさん そうです。物語がどんどん生まれてくるように、はみ出していきます。 −−では、下描きから色を塗っていくという過程のなかでアイディアが生まれたり、物語が生まれて、どんどん絵が広がっていくという感じなんですね。色をつけるときにはどんな画材を使っているんですか。 ジミーさん 最初は水彩でした。スペインに住んでいたときに油絵を始めてみたんですが、僕はテレビ番組の企画で警察犬に勝ったくらい鼻がいいので(笑)、油絵の具のあの匂いがダメだったんです。鼻にできものができちゃったんですよ。いまはアクリル絵の具で描いています。 −−ジミーさんは絵を描き始めた当初、いったん描き始めると止まらなくなって大変だった、というエピソードをインタビューで語っていらっしゃいますが、画家専業になったいま、どんなふうに絵を描かれているんですか? ジミーさん いまでも描き始めると止まらなくなるのは変わりませんね。昼夜逆転していきます。1週間か10日間で1日の時間が一周して元に戻るくらい、生活時間帯がメチャクチャになります。奥さんとしゃべってる時間も10日間の間に3時間とか4時間になりますね。1日一言もしゃべらんこともあるし。海外へ行くときは3カ月、4カ月、1人で行きます。彼女も自分の仕事があるので、海外に来られるのは長くても2週間くらい。夫婦でもなかなか会えなかったりもしますね(笑)。 −−奥様にとっては、ジミーさんが絵を描き始めると、扉の向こうに行っちゃうって感じなんでしょうか。 ジミーさん たぶん、僕が絵を描き始めると、入って来れないんでしょうね。 −−絵を描き終えて、奥様とゆったりとした時間をすごしていると、絵を描き始めることにシンドさを感じたりはしませんか? ジミーさん 1枚の絵を描く前には、ものすごくシンドイですよ。それがどんなサイズの絵であっても。4号くらいの小さいサイズでも30号や100号のような大きいサイズでも、一筆入れたら、そこから自分の世界に入ってまうから。その世界を乱させないためにバーンと外の世界から自分を遮断して、一切、自分を守りきります。「さあ、こっからいくぞ!」って気合いを入れて描き始めますね。 −−サイズは、その絵にあったサイズを考えて決めているんですか? それとも、今回は1カ月くらいあるから大きなものを描いてみよう、とか、時間的な条件からですか? ジミーさん 時間的な問題が大きいですね。それと、僕はイーゼルをよう使わんのですよ。机の上で描くので、机の大きさで絵の大きさも決まりますね。海外で描くことも多いので、いつも同じ机で描いているわけじゃないんです。この机の大きさなら4号やな、とか。この机は大きいから30号くらいイケルかな、とか。 −−大きな絵の場合はどうしているんですか? ジミーさん 大きい絵は、広いところを借りて描いていると思ってくれていいです。 −−ふつうの画家は、大きい絵を描くとき、壁に絵を立てかけて梯子でのぼって描いたりしていると思うんですけど、床において描くってことですか? ジミーさん 床に寝かせて、キャンバスの上に乗って描いてます。 ★絵画と立体作品の違い −−ジミーさんは海外に長期滞在して絵を描かれることも多いそうですね。イマジネーションで描くだけでなく、実際の海の色や空の色など、現実に触れて感じたことを絵にしている。ジミーさんにとって、その場所に行ったり、風景と出会うということは大きいんじゃないですか? ジミーさん 場所は大きいですね。ピカソが好きなので、ピカソが生まれたところ、絵を描いていたところ、最期をすごした場所などを追いかけて旅をして、その場所で描いたりもしています。とくに地中海が好きですね。ピカソはなぜ地中海の近くに住んでいたんだろう? と思って行ったのがきっかけなんですが、行ってみて、地中海って本当にすばらしいな、と思いましたね。いちばん好きな海は? と聞かれたら「地中海」と答えますね。 −−海外に行かれるときには、画材一式を持って行かれるんですか? ジミーさん 紙と絵筆は日本製が一番いい。使っている絵の具も日本のもののほうがいいですね。でも、絵の具の色数はヨーロッパのほうが多いですね。 画材の一つひとつに込めたアイディアは向こうのほうがあるんです。同じメディウムでも、海外のほうが分厚いですしね。 −−ブラジルで金を掘ってオブジェを作るという立体作品(「フェスタ」1998年・16ページ)も作っていらっしゃいますが、絵を描くのと立体物を作るのでは違いますか?
ジミーさん まったく違いますね。三次元になってくると、お金がかかるし。奥さんは、僕が三次元の作品を作り出すと家計を心配するんです。 −−(笑)。 ジミーさん シリコン1缶、7,000円か8,000円くらいするんです。それを簡単に30缶、50缶買うんですけど、失敗したものはすぐに捨ててしまう。「人に習えば早いし、確実にやりたいことに近づけるでしょう。シリコン2〜3缶でできるんじゃないの?」って奥さんは言うんですけど、この失敗が、僕にとっては大事なんです。でも、「このゴミはどこに出すん? 燃えるゴミ?」って怒られますけど。 −−(笑)。 ジミーさん 三次元をやり始めると家庭がギクシャクする(笑)。でも、やり始めたら、ガッサガッサ買ってしまう。 ★何かに似た絵は描きたくない −−描いた絵が気に入らなくて捨ててしまうこともあるんですか? ジミーさん 絵を破る、というのは、ほんまに誰にも見られたくない絵。「努力は失敗」。そういうこともありますね。「破らんといて〜」って奥さんには言われますけど「絶対、嫌や!」言うて破りますね。 −−何が失敗だったんでしょう? ジミーさん 自分で見て、自分の絵じゃないように思うときがあるんですよ。極端にいえば、これ、ディズニーちゃうん? ってときがあるんです。動物をかわいく描いたりするとディズニーの絵みたいになるときがある。そのとき、自分でサブイボ立つくらい、嫌やと思って、破ってしまうんです。 −−何かに似てしまうのが嫌だということなんですね。 ジミーさん そうです。あるものに近づいてくると嫌ですね。そういうときはちょっと休まないと。どこかに行ったりして。 −−ジミーさんはよく知られているように、かつてはお笑いタレントとして人気を博していたわけですが、ジミーさんにとって、お笑いと絵はどうつながっているとお感じですか? ジミーさん 人に喜んで欲しい、ということは共通してますね。お笑いをやっているときにも、人に喜んでほしい、楽しんでほしい、笑ってほしい。それは絵を描いているときも同じですね。 −−ただ、ジミーさんの絵には楽しい、明るい、だけではない、ぎゅっとハートをつかまれたような、強さがあると思うんです。 ジミーさん そうですねえ。ただかわいらしいだけだと、キャラクターみたいになってしまうと思うんです。それは嫌ですね。 ★芸術って何やろう? −−画集のなかの言葉は? ジミーさん この絵を描いたときの自分の思いですね。作品タイトルは僕が描いた絵のイメージを伝えて奥さんが考えた言葉を何個か提案してくれて「これだ!」と思うものを僕が選んで付けているというパターンが多いので。「百花繚乱」なんてタイトル、僕がよう考えんでしょう? −−(笑)。タイトルは美術品らしいタイトルでそれはそれで絵を見るヒントになるんですが、絵に添えられた言葉はもっと生々しいですね。それがお高くとまった芸術作品に収まってしまわないような効果を生んでいると思います。 ジミーさん 芸術って何やろう? って自分でも思ったりしますね。何なんだろう? 自分でもつかめませんね。それで、日記ではないですけど、この絵を描いたときにはこんな思いだったな、ということを入れさせてもらったんです。 −−ワインのラベルや、タンカーの外壁へのデザインなど、依頼されてお描きになられた作品もありますね。ご自身の作品と依頼されたお仕事の違いはどんなところですか? ジミーさん オーダーがあったときには、スポンサーがどんなものを描いて欲しいと思っているかをまず聞いて、それに沿ったものを描いていくようにしています。好き勝手に描くだけだと、これはダメだ、とスポンサーから言われるし。実際、ボツになった作品もありますよ。 −−ボツになった作品も見てみたいですけど。でも、美術館やギャラリーだけでなく、いろいろなところでジミーさんの作品を見る機会があるのは嬉しいですね。ジミーさんが尊敬する岡本太郎さんも美術館を飛び出していったアーティストですよね。大阪万博の「太陽の塔」、「グラスの底に顔があってもいいじゃないか!」という名言を残したウイスキーグラスもありました。ジミーさん グラスの底に顔がある。その気持ち、よくわかりますもん。面白いですよ。岡本太郎美術館に行ったら「坐ることを拒否する椅子」って作品がありますよね。それが太郎先生っぽい、はみでてるっぽいと思いました。 −−はみだしていくこと、はジミーさんの生き方にも、作品にも共通したテーマのような気がします。これからは、どういう作品を作っていかれますか? ジミーさん これからですか? 自分ではわからないんですよ(笑)。タレント生活と絵描きの生活でいえば、絵描きをやっている時間がタレント生活よりも長くなってしまった。これからどうなっていくんだろう? タレントをやめて13年たってこの画集を出せた。いまやっている絵はキャンバスの前に飛び出していく絵だから、1点作るのに3枚は絵が必要。単純に計算すると3倍だから、次に画集を出せるのは20年か30年後ちゃう? という話ですよね。 −−13年かけたからここまでの作品集になった。 ジミーさん ほんまに「ここまで来ました」というのはオビにある通りなんです。でも、僕はそんな難しく考えては生きていないですけどね。悪くなったら人のせいにすればいい(笑)。 −−(笑)。今日はありがとうございました! ■画集出版記念 ジミー大西 夢のかけら展 ‐色彩の渦と創造の軌跡‐ 2008年9月3日より、銀座三越からスタートし、全国12会場を巡回する、ジミー大西さんの展覧会が開催されます。13年間の画家生活の間、ジミーさんの目にはどんな風景が映っていたのか。鮮やかでダイレクト、なのに繊細で心を揺らす、ジミーさんの世界を共有してください。各会場とも初日にジミーさんのサイン会が実施されます。 展覧会場に併設した販売スペースでは、食器や文具、腕時計や手ぬぐいなど会場限定のグッズの販売もあります。
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