- 菊池亜希子さん (きくち・あきこ)
- 1982年8月26日岐阜県出身生まれ。モデル・女優。小学館『PS』をはじめ、多くの女性誌でモデルとして活躍。独特の存在感で女優としても注目され、『ぐるりのこと。』『探偵同盟』『東京の嘘』などの映画にも出演。本人が手がける雑誌『PS』での連載は5年を超える。
★『みちくさ』掲載の直筆イラスト原画展★
本著でも使用したイラストマップや絵を集めた原画展を予定しています!
4月25日14:00〜トークショーあり。(11:00〜整理券を配布)
詳細はPS Online http://www.pretty-style.com/ をご覧ください。
- 開催日時:
- 4月24日(土)〜5月9日(日)
- 開催場所:
- 表参道・KDDIデザイニングスタジオ
- 会場時間:
- 10:00〜20:00
- 入場料金:
- 無料
インタビュー

- −−雑誌『PS』で、街歩きの連載をされていた街歩きエッセイですね。イラストもスナップ写真も菊池さん本人の手によるものと聞いて驚きました。この連載以外でもよく一人で散歩に出かけたりするんですか?
- 菊池さんはい、よく歩きます。早く仕事が終わった日など、歩ける範囲だったら、けっこうな距離でもぶらぶら歩いて帰ったりしています。何ももたずに、行き先も決めずにふらっと出かけることも多いんですよ。
- −−歩くのが好きになったきっかけは?
- 菊池さん高校と大学が建築学科で、もともと建物を見て歩くのは好きだったのですが、歩くのが本格的に楽しくなってきたのは、大学のときに「スキマを歩く研究会」という研究会に入ったのがきっかけですね。
- −−スキマを歩く?とても面白そうですね。
- 菊池さんはい!文字通り建物と建物の間の「スキマ」だったり、路地裏も「スキマ」ととらえてみたり、「スキマ」という言葉の定義がとても広かったのが特徴です。街を歩きながら「スキマ」を見つけては、その存在意義や用途を考えたり、面白い写真を撮ったり。最初は建物メインで見ていたのですが、そのうち、建物本体より、そこで仕事したり生活している人のほうが面白くなってきて。私は日本橋など、下町を中心に歩いていたのですが、問屋街などを歩くうち、そこの町内会長さんなどに話を聞いたりするのが面白くて。

- −−人見知りとかしないほうですか?
- 菊池さん 割としないほうです。普通に見知らぬ方にも話しかけて、最初は怪しまれるんですが(笑)、話してみたい、という気持ちが伝わると意外に分かってもらえるというか。下町のおじさんなどは最初はアタリがきついんですが、一度心を開いてもらえると顔なじみになって「また来なよ」って言ってくれたり。『みちくさ』で行ったお店なんかも、取材のあとにも何度も遊びに行ったりしてるんです。
- −− 『みちくさ』ではぶらりと歩きながら取材先を決めることも多かったそうですが、アポなしなのにすごく面白い店や場所を見つけるのが上手でびっくりです。よく知ってる街でも「こんなの知らなかった」という店が地図にのっていたり。「ここ面白そう!」というのはどうやって察知するんですか?
- 菊池さん動物的なカンです。この路地の先に面白いものがありそうだなー、等、最近ではなんとなく分かるようになってきました(笑)。面白そうな匂いが出てるのは、和菓子屋さんと路地裏。だいたいどこの町にも昔ながらの和菓子屋さんがあるので、そういうのぼりを見つけたらとりあえず一個買って食べてみます。路地裏は、私的に「いい路地」というのがあって。
- −−いい路地って、たとえばどんな路地ですか?
- 菊池さんどう考えても私有地じゃなくて公共の道路なのに、自分の家の一部のように、植木鉢などがはみ出してきている路地ですね。しかもそこに隣同士の「ここまではいいよね?」という暗黙の了解が感じ取れる路地。なんていうか、そこに生活があって、人の気配がちゃんとする路地が「いい路地」だと思います。旅行で観光地に行っても、旅のガイドブックに乗っている場所に行くより、そこに住んでいるおばあちゃんが洗濯物を干していたりするような、生活感を感じる場所を探すことが多いです。たまに、知らない間に人の家に入り込んでしまって「あんた誰?!ここは人んちだよ」と怒られたりすることもあります(笑)。

- −−(笑)。観光地に行くと、ほかの土地からその観光地にやってきた人ばかりで、そこに実際住んでいる人にはなかなか会えなかったりしますよね。
- 菊池さんそうなんです。最近では、観光地へ行っても写真もあんまり必死になって撮ったりしなくなりました。カメラに凝りだした当初は何もかもを撮影したかったんですが、それよりも土地の匂いや人の気配を感じることのほうが大切になってきたんです。きれいな景色は撮影するより自分の目で見て、今を感じたい。デジカメで撮ったらもう撮っただけで満足しちゃうので、撮るとしたらフィルムで丁寧に撮影しますね。
- −−『みちくさ』では本当にいろんな町を歩いています。取材中のハプニングなどがあれば教えてください。
- 菊池さん普通に町を歩いて、気になるお店を見つけたらふらっと入って、お店の人といろいろ話をして、面白いなあ、と思ったら「実は取材で回ってるんで、掲載していいですか?」と交渉することが多かったんですが、「たくさんの人に売りたいわけじゃないから、雑誌に載ってたくさん人が来てしまって、本当に欲しい人の手に渡らないというのはとても悲しいので」と断られそうになったことがあります。いろいろ話を聞くうち、ものづくりの真剣な姿勢がよく分かったので、これはカンタンには載せられないな、とこちらも引き締まりました。でも聞けば聞くほど面白くて掲載したいから、「お店の名前も書かないし、地図にもココ!と明記しないでヒントみたいな感じで載せるのじゃダメですか?」とお願いしてOKをいただけたことがありましたね。
- −−歩いていて、オススメの街はありますか?
- 菊池さん谷中・森下・清澄白河などの下町です。下町は下町なんですが、新しいことを始めようとしている若い人たちが入ってきていて、新しいものと下町がうまく溶け合っている感じがとても好きです。例えば、清澄白河には現代美術館があるんですが、それ以外にも、知らないと絶対行かないようなギャラリーがたくさんあるんです。それも倉庫をギャラリーにしていたり、印刷工場だった建物をカフェにしていたり、写真集の出版社がぽつんとあったり…。予想している以上のものが見つかる、歩きがいのある街です。そうやって見つけたものは、街歩きにいつも持っていく自分の地図に書き込んでいきます。もう7年も使っている地図なのでボロボロなんですが。

- −−7年!
- 菊池さん東京へ初めて出てきたときに買った地図です。上京当初は、「東京!」と書いてある地図を見ながら歩くのが恥ずかしかったので(笑)、布テープを貼って表紙やタイトルを隠して、普通の本を見ながら歩いているフリをしていました。7年前なので今は人気スポットなのに、まだ建設されていなくて地図に載っていない建物もあります。でも買い換えようとは思わないし、新しい建物が建ったらそれも書き込んだりして、大事に育てています。
- −−毎日忙しいと、ついつい目的地に向かってまっしぐら。その間にあるものは何も見ていない、という状況に陥りがちなのですが、ときにはみちくさしながらの散歩っていいですね。
- 菊池さんはい。「みちくさ」って、誰でもすぐに始められることだと思うんです。スキマの時間ができたときに、行き場所を決めずに歩いてみたり、「おいしい大福を探しにいく」など、簡単な目的を一個決めて、気負わずにふらっと出かけてみて欲しいですね。この本も、「私のみちくさはこんな感じです」というだけ。ガイドブックじゃないので、「あそこへ行って、次はここへ行って」という風に使うのではなく、同じ町を歩くとしても、「自分なりのみちくさ」を発見してもらえるとうれしいです。

- ★PSで連載されている時から可愛い連載だったので、単行本を心待ちにしていました。他のレビューにもありましたが、PS掲載分全部見たいくらい可愛いです。彼女自身の写真も載っていて、身に付けている洋服も凄く可愛くて参考になります。読み応えある一冊です。
- ★PSを読んでいた頃この連載のファンでした。久々にPSを読んでみると書籍化されたことを知り、レビューの評判もよかったので迷わず購入しました。イラストも文章も写真もとっても素敵です。何度も目を通してにんまりしたくなる一冊です。
















