- 木堂椎さん (こどう・しい)
- 『りはめより100倍恐ろしい』で第1回野性時代青春文学大賞(角川書店、フジテレビ主催)を受賞。現在、高校3年生。
インタビュー

- −−タイトルにもなっている「いじ“め”」と「いじ“り”」の違い。いまの高校生はみんなその違いを意識しているんですか?
- 木堂さんしてますね。テレビのお笑い番組の影響が大きいと思います。テレビ番組の企画みたいなもので、けっこうベテランの芸人さんたちがいじられて、ひどいこともされてますよね。笑っちゃうんだけど、それって歪んだ笑いですよね。
- −−小説の中に登場する、いじられる男の子は一発芸が得意ですが、木堂さんもふだんからああいうことを考えたりしているんですか?
- 木堂さんお笑いが大好きなんですよ。だけど、自分では一発芸って、なかなか思いつかないですね。最終候補として「野性時代」に載ったときに、そういうのが得意な友だちに「書き足したいんだけど、何か考えてよ」とお願いして考えてもらったんです。
- −−青春文学大賞の選考方法はちょっと変わっていて、最終候補作が「野性時代」やネットに掲載されて、読者投票を募るんでしたよね。その結果を参考に、選考委員が大賞を決める。
- 木堂さんそうです。だから、候補作として「野性時代」に載ったときと、単行本はちょっと違うんですよ。
- −−木堂さん自身、現役の高校生ですが、受賞されて同級生の反応はいかがですか?
- 木堂さんお世辞かもしれないけど、「面白かった」と言ってくれましたね。だけどそのあとで「後味が悪いなあ」とか(笑)。主人公の思想がぜんぶ俺の思想だと勘違いされることがあって、「お前、いつもこんなこと考えてんのかよ」って言われたり。それを「違うよ。これは小説だから」と否定するのが大変でしたね。 いま、書いている小説は、『りはめより〜』とはぜんぜん違うものになるので、それを読んでもらえば誤解が解けると思いますけど。
- −−執筆にはどれくらいかかったんですか?
- 木堂さん3ヵ月です。書けるときにはいっぱい書けるけど、書けないときには一切書かないから、ムラがありますけど。
- −−ケータイで書くようになったきっかけは?
- 木堂さん小説を書く前に詩を書き始めて、なんとなく慣れちゃったんです。中3から小説を書くようになったんですが、まだケータイは持っていなかったし、家のパソコンは親父専用だったので、原稿用紙に手書きで書いていたんです。
- −−原稿用紙に書いていたときと、何が変わりましたか?
- 木堂さん書くスピードですね。手書きだと漢字を調べなきゃいけないし。あと、手が疲れちゃうじゃないですか。ケータイで、本当に書くのが早くなりましたね。
- −−物語の展開はあらかじめきっちり決めて書くほうですか?
- 木堂さん完璧に、ガチガチに決めては書かないですね。最初と、山場でこういうことがあるんだよとかいろいろ考えますけど、終わりは考えてませんね。細い骨組みに肉付けしていくっていう感じで書いていきます。 書いていて、途中でアイディアが出てきますよね。それを書くと、いままで書いてきたものと矛盾するっていうことになっちゃうんですけど、気にせず書きます。とにかく、書き始めたら、振り返らずにどんどん書き足していく。1回書いて、あとで、その矛盾をなくすようなエピソードを書き加えていく。そういう感じですね。
- −−ケータイを使うということで、日常の細切れの時間をうまく活用できたりもしますよね。
- 木堂さんそうですね。小ネタ集みたいなフォルダを作って思いついたことを入れておいたり。
- −−ケータイで書いて、最終的にはパソコンで編集ですか?
- 木堂さんこういうパートを書こうと思ったら、その部分は最後までケータイだけで書きますね。ケータイのほうが書きやすい──というよりパソコンのキーボードが苦手なんですよ(笑)。ケータイだったらブラインドタッチができます。できる人はたくさんいるかもしれないけど。
- −−作家になりたいと思ったのはいつごろですか?
- 木堂さん漠然と思うようになったのは小五くらい。星新一さんの小説に衝撃を受けて、ショートショートを書くようになって。小学校の卒業のときにも、決意表明みたいな欄に「小説家になりたいです」と書いたんですよ。なんとなくなれるんじゃないかと思って。
- −−星新一のほかに、好きな作家は?
- 木堂さん伊坂幸太郎さん、重松清さんですね。作品だと高見広春さんの『バトルロワイヤル』ですね。怖くて眠れなくなりました。自分のクラスでこういうことが起こったら、自分はどうするだろう? 答えが出ないじゃないですか。最善の答えって、ないから。そういうことを考えて、1週間くらい鬱になっちゃって(笑)。ある意味で、いちばん、衝撃を受けた小説ですね。
- −−これから書いてみたいのは?
- 木堂さんまだ学園ものしか書けないですね。もっと年を取ったら、いずれは取材をしたりしていろんなジャンルのものを書いてみたいですけど。 いま書いているものを入れて、4作はとりあえず構想があります。どれも、基本的には明るい話。明るい話のほうが書いていて楽しいですね。なかには、ちょっと暗くて、切ない話になるかもしれないものもありますけど。
- −−次回作以降も楽しみにしています。今日はありがとうございました!











