- 大塚 愛さん (おおつか・あい)
- 1982年大阪府生まれ。2003年、シングル『桃ノ花ビラ』でデビュー以降、シンガー・ソングライターとしてヒット曲を多数放っている。グッズやライブDVDのジャケットに寄せたイラストも好評を博しており、このたび、初めて絵本作品を書き下ろした。4月7日(水)には通算20枚目のシングル『ゾッ婚ディション/LUCKY☆STAR』がリリースされる。
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対象期間:2010年6月30日消印有効
当選者発表:当選者の発表は発送をもって替えさせていただきます。
インタビュー
空想とお絵かきが好きだった
- −−絵を描くのは子供の頃からお好きだったんですか?
- 大塚さん好きでしたね。とくに絵が上手だったわけではないんですが、よく描いていました。好きなマンガの絵を真似たり、落書きみたいなものですけど。
- −−物語を作ることはどうでしたか?
- 大塚さん一人っ子だったので、親がいないときに一人で遊ぶことが多かったんです。そんなときは、お人形のセットを使って、一人でぶつぶつセリフを言いながら遊ぶのが好きでした。ドラマを見ていても、次回はこうかな、って勝手に物語の続きを考えたり。それが小説や絵本とつながっているかはわからないですけど、クセみたいになっていましたね。
- −−絵を描くことや物語を考えることは自然なことだったんですね。今回、絵と物語で構成した絵本に本格的に挑戦されたわけですが、やってみていかがでしたか?
- 大塚さん難しかったですね。一枚のポストカード的な絵なら、フォトみたいに止まった瞬間を描けばいいですけど、絵本は、一枚一枚の絵は止まっていても、連続することによって動きが出てくるようなムービー的要素が必要だと思うんです。止まっている絵を使ってムービー的な表現するのはすごく難しいなって思いました。
- −−1枚1枚の絵は静止していても、それが連なっていくことで動きが表現されていく。おっしゃるように、止まっているもので動きを表現するのは難しそうですね。
- 大塚さんそうですね。動きもそうですし、猫の表情がどう変わっていくかとか、時間の経過とともに変化していくことを表現するのが難しかった。ドラマでも、主人公が成長していく姿を描く物語がありますよね。それと同じで、時間の流れを描くのは大変でした。
- −−さくらんぼ」の限定CDに付録として絵本をつけるなど、これまでもCDに絵本をつけたことはあったわけですけど、今回は絵本だけで出版するということは意識しましたか?
- 大塚さんCDにつけていた絵本は、私にとってはお菓子のおまけ的な感覚だったので、あくまでも楽曲がメイン。絵本の仕上がりにそれほど自信があったわけではないんです。でも、絵本に対しても意外な好評をいただけたので、いつか絵本だけで出せたらいいね、という話は以前からスタッフとも話していました。
- −−今回の『ネコが見つけた赤い風船』は、2005年にリリースした「ネコに風船」という楽曲がもとになっているそうですね。CDの発売に合わせて、オフィシャルホームページに曲のイメージから発展した短編小説も発表されていて、それがこの絵本のストーリーの元になったとか。
- 大塚さん「ネコに風船」は、この絵本と同じようにネコが主人公の物語的な楽曲なんですが、それまで物語的な楽曲はあまり書いたことがなかったんです。私にとってはちょっと珍しい楽曲だったので、この詩をそのまま物語に起こしてみたらどうかなっていうのが短編小説を書くきっかけでした。
- −−「ネコに風船」の歌詞は猫から見た世界だけが描かれていますが、絵本にはその猫を取り巻く人間世界まで含まれて描かれています。ネコが風船を持って歩くというファンタジックな内容になったのはなぜでしょうか?
- 大塚さん絵やアニメのいちばんの強みは、リアルでは実現できないことを描けること。ファンタジーを表現できる事だと思ったんです。猫というリアルな存在と、風船が幸せで膨らんでいくという非現実的なこととの絡みが面白く描けたらいいな、と思いました。
子供たちのことを思いながら
- −−大塚さんは歌詞も曲も自分でお作りになっていますが、思い浮かんだときにはメモを取ったりするんですか?
- 大塚さん言葉はメモったりしますね。でも、メロディは何もしません。覚えられなかったら不合格です。
- −−もったいないような気もしますね(笑)。
- 大塚さんできた楽曲に対して扱いは優しくないかも(笑)。
- −−言葉やメロディが浮かぶってことは、そのとき、情景というかイメージみたいなものが思い浮かぶんですか?
- 大塚さん基本的に、楽曲を創るときは絵が思い浮かびます。
- −−絵を描くことは大塚さんにとってはごく自然なことなんですね。絵を描くときには一気に描くってうかがいましたけど。
- 大塚さん下書きのうえに本番の線をかぶせるのが苦手なんです。この線のうえに描かなきゃいけないっていうプレッシャーに耐えられないですよね。鉛筆で描いた細い線のうえになんて無理(笑)。
ふだんから同じことをもう一度やらなきゃいけないというのが嫌いなんです。束縛されているようで。ライブのときも同じことは二度はやらないですね。 - −−絵本は言葉と絵のバランスが重要だと思いますが、その部分で迷ったりはしませんでしたか?
- 大塚さん絵本に関してはシロウトなので、あまり考え込んでもしょうがないのかなって思いました。先に短編小説があったので、その文章の部分で自分に見える絵を描いていこうと思いました。でも、元になった小説は短編とはいえ、絵本にするには長かったので、このページ数のなかに収めるのは大変でしたね。
- −−しかも、全編、大塚さんの手書きですね。
- 大塚さんまさか手書きの文字をそのまま載せるとは思っていなかったんです(笑)。そんなに字は上手くないから、大丈夫かなあ、と思いました。
- −−絵も文字も大塚さんが書いたそのまま。ファンにはたまらないですね。
- 大塚さんそうだといいんですけど(笑)。
- −−ところで、大塚さんは短大の保育科卒だそうですね。大人になってから絵本に触れる機会も多かったんですね。
- 大塚さんそうですね。保育実習で子供たちに絵本の読み聞かせもしました。子供たちが絵本のどんなところに反応して、どんなところに夢中になるか、その瞬間を間近で見ていたので、この絵本を描くときも、子供たちを思い浮かべながら描きました。
ウソや計算は入れたくない
- −−先ほどお話に出た、絵は下書きせずに一気に描くということについてもう少し聞きたいんですが、それは単に下書きの線をなぞるのが嫌だということじゃなくて、ステージに上がったときと同じ「ライブ感」が欲しいという理由もあるんじゃないでしょうか。
- 大塚さんそうですね。あんまり考え込んで、作戦を練ってやると、どんどんウソが入ってくるような気がしますね。感受性が変わってしまうというか、計算が入ってくるような気がするんです。
- −−ウソをついたり、計算したりはしたくない……。それはなぜでしょう?
- 大塚さん自分が思ってもいないことを口に出したり、表現しても、説得力がないと思うんです。少なくとも私は、自分がウソだと思っていることを真実のように伝えることはできないと思います。リアルなものでしか、説得力のある表現をできる自信がないんです。
- −−大塚さんの歌詞や曲から「リアル」が感じ取れるから、たくさんの人から支持されるんでしょうね。今回の絵本のテーマも、かわいい絵だけれど、描かれていることは「命」という重いテーマです。大塚さんの元気のいい曲を知っている人たちから見ると、意外に感じる人も多いのではないでしょうか。
- 大塚さん気分屋なので、すごく幸せだな、と思うこともあれば、どん底だな、って思うこともあるんです。いますぐ世界なんて終わってしまえばいいのに! と思うこともあるくらい落ち込むこともあります。
でも、私の周りにいる人たちは私とは違って、すごくポジティブでいい人たちなんです。小さな幸せでも、すごく喜んで、嬉しいって表現できる人たちがたくさんいます。気分屋の私の周りに、いつも元気な人たちがいてくれるのはすごく幸せですね。恵まれた環境にいると思います。 - −−大塚さんのファンは主に十代、二十代が多いと思うんですが、今回の絵本は子供から大人まで、対象となる年齢層が幅広いですね。
- 大塚さん老若男女、いろいろな方たちに読んでほしいです。どんな反響があるかかも楽しみです。この本をきっかけにたくさんの人たちからご意見をうかがう機会を持って、成長していける一歩になればいいなと思います。
- −−最後にこれから発表される作品の予定を教えてください。
- 大塚さん新曲(『ゾッ婚ディション/LUCKY☆STAR』)が4月7日に発売されます。
- −−この絵本をきっかけに大塚さんの曲を好きになる人もたくさん出てくるといいですね。今日はありがとうございました。
(後記)芸術的センスに恵まれた人には、一つの表現方法だけでなく、さまざまなかたちで作品を作ることができるようだ。この絵本にも、歌や楽曲とは表現方法は違えど、彼女らしさがあふれている。これまで意識して曲を聴いたことがない人にとって、この絵本は彼女の魅力を知る新しい入り口になるのではないだろうか。(タカザワケンジ)

















