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★「勉強法」を書いた理由 −−竹中さんはこれまで専門の経済学の本をお書きになっていて、一般向けにお書きになった『竹中教授のみんなの経済学』などのベストセラーも出されています。今回、勉強法について書いてみたいと思われたのはなぜですか?
竹中さん 学問の世界から、思いがけず政治の世界に行って、世の中はいろんな意味で広いと思いました。これまでも経済学についての本は書いてきましたが、これからは経済だけに限らず、幅広い内容の本を書かせていただきたいと思っていたんです。たとえば政治の本も書いてみたいと思っているんですよ(笑)。 もう一つは、いま、みなさん、すごく不安を感じていらっしゃいますよね。年金制度が不安だ、雇用が不安定なことが不安だ、という声は聞えてきますが、では、年金制度が手厚くなり、雇用が安定するだけで不安はすべて解消されるのか? それは違うと思います。不安の源泉になっているのは、世の中がものすごいスピードで変化しているから。その変化に対して自分の能力が対応していけるかどうか、自分に対して不安を感じていると思うんですよ。 では、自分に対する不安をどうすれば解消できるのか。その答えが「勉強」です。そのことはみなさんよくわかっていると思います。僕自身もそう思ってきましたし、いまでも勉強しています。そして、どうやって勉強したら効率的だろう、と悩んでいます。そんなことを素直に書いてみたいな、という思いがあったんです。 私のような未熟者が勉強法を書くなんておこがましい、とは思ったんですが、勉強の仕方について悩んできた過程を正直に話して、読者に聞いてもらおうという気持ちでしたね。 −−読者の多くは子供の頃から「勉強しなさい」と言われて育ってきていると思います。でも、勉強って何? 何のために勉強するの? という疑問も同時に抱いていたと思います。 竹中さん 日本では「勉強」といえば、ほとんどが受験勉強のことですよね。でも、勉強全体を考えると受験勉強はかなり特殊な勉強です。受験勉強で上手くいったからといって、本当の意味で勉強ができるかというとそんなことはまったくありません。いわゆる「学校秀才」で世の中で役に立っていない人はたくさんいるわけです。一方で受験勉強に失敗した人でも世の中に出て自分なりの勉強をして成功している人もたくさんいる。受験勉強でうまくいかなかったからといって悲観することはまったくないんです。ところが、日本では「勉強」といえば「受験勉強」に偏っている。それはまったく違うな、とずっと以前から思っていたんです。 僕自身、大学に入ったときに戸惑った経験があります。経済のことをものすごく知りたいし、世の中のことを知りたいと思って大学に入ったのに勉強の仕方がわからない。しかも、大学は一日勉強しなかったからといってすぐに困るということはない。そんな調子で4年間を棒に振ってしまった人もたくさんいると思うんですよ。 −−耳が痛いですが、その通りですね(笑)。 竹中さん 社会に出たら出たで、日本では「子供は勉強、大人は仕事」と言われますよね。そんなことはないと僕は思います。大人だって勉強すべきなんです。ちなみに、僕がアメリカの大学に留学していちばん驚いたのは、大学に大人がたくさん来ていることでした。アメリカの大学、大学院にエンロール(登録)している人の中で25歳以上は40パーセントなんですよ。 −−キャンパスで勉強している半数近い人が「大人」なんですね。 竹中さん 関西の引っ越し屋さんのテレビコマーシャルで「まだまだ勉強」ってフレーズがありますよね。僕も関西人だからよくわかるんですが「人生、まだまだ勉強やなあ」って関西人はよく言うんですよね(笑)。すごくいい言葉だと思います。 ★勉強には二種類ある −−この本のなかでも勉強の内容を分析して「天井のある勉強」と「天井のない勉強」の二種類に定義して、それぞれを意識して勉強せよと説いていらっしゃいますね。 竹中さん どちらかだけでなく両方必要なんだと自然と考えるようになりましたね。「天井のある勉強」は受験勉強が典型ですけど、資格取得などの目標のための勉強のことです。期限があるから、目的を達成するためにどうやって効率よくやるかを考える。 一方、「天井のない勉強」は一生を通じてやっていく勉強です。たとえば俳句をやっていらっしゃる方なら、俳句をやるうえで、期限はない。天井なんて考える必要はまったくない。天井を考えないからこそ、突き抜けたところまでいけるかもしれません。 この二つの勉強はメンタリティにおいても、方法においても区別すべきだろうなと思ったんです。 たとえば、私が大学に入ったとき、英語とフランス語の授業がありました。いまとなっては英語もフランス語も役に立つことがわかりますが、当時は早く経済のことを勉強したいと思っていました。道具としての外国語を学ぶことと、自分にとって興味がある経済を学ぶことは同じ勉強ではない。区別すべきだと考えれば、どちらにも意義を見いだして集中できると思いました。 −−この本は勉強法という性格上、とくに若い読者にとって気づきのきっかけになると思います。竹中さん自身、若者たちへ伝えたいという思いがあるんじゃないでしょうか。
竹中さん 「少年老いやすく学なりがたし」ということわざがありますが、僕はすばらしい言葉だと思います。僕も、あっという間に時間が過ぎて、まだまだ勉強し足りないと思っています。 勉強はやってみるとどんどん面白くなる。若い人にとっては、そのちょっとしたとっかかりを見つけることが大事です。僕はそのとっかかりを見つけるための手助けをしてあげるのが教育者の仕事だと思うんです。 「教育とは何か?」を一言で言うなら「エンカレッジ(励まし)」ですよね。「キミはできる!」と。豚もおだてりゃ木に登る、って言うでしょ(笑)。 僕は1990年から2002年まで12年間、慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)で教えていたんですが、SFCの環境がまさにそれでしたね。SFCの教育が注目されたのは徹底してエンカレッジしたからです。エンカレッジすれば、学生は放っておいたって24時間だって勉強しますから。 −−どんどん勉強しろ、と励ましてもらえるということは、若者にとっては大きなモティベーションになりますね。 竹中さん ええ。でも、日本ではがんばっている人に対して「分をわきまえろ」とか「ほどほどに」と言いますよね。これは両方とも「ディスカレッジ(意気をそぐ)」する言葉ですよね。若いうちは「ほどほどに」なんて考えなくていいんですよ。 ★経験からつかんだ勉強法 −−竹中さんは日本開発銀行、大蔵省(現・財務省)の財政金融研究所、ハーバード大や慶應義塾大学などの教育現場、そして政治の世界と、とこれまでさまざまな職場でお仕事をされてきました。 竹中さん まだこれが最後じゃないですよ。芸能界に行くかも知れない(笑)。。 −−(笑)。さまざまなお仕事をされてきたことで、そこで出会った方々から受けた刺激についても本書の中に書かれていますね。 竹中さん どこの世界にもすばらしい人がして、そういう人たちとのつきあいは一生続きますね。二年、三年、音信がなくても、いざというときに、電話一本で話が通じる人がいる。それを僕は「志のネットワーク」と呼んでいるんです。 −−竹中さん自身の体験を交えた自伝的内容になっていますが、小泉元首相を始めとして、出会ってこられた方々の印象的な言葉などが書かれているところが、とても興味深かったです。 竹中さん そのあたりは計算して書いたわけではなく、勉強について書いているうちにごく自然に出てきましたね。いま思うと、(ポール・)クルーグマンのことをもうちょっと書いておけばよかったと思いますね。 −−本書のなかにもお名前は出てきていますけど、ノーベル経済学賞を取ったばかりの著名な経済学者ですよね。竹中さんとはハーバード時代からのおつきあいだそうですが。 竹中さん 僕がハーバードとMITに留学したとき、将来のスター候補が三人いると言われていたんです。(ローレンス・)サマーズ、(ジェフリー・)サックス、クルーグマン。30年後にまさにその通りになりましたね。 若い人には、ハーバードのような優秀な人が集まる場所にできるだけアプローチしてほしいと思います。明治維新のときも狭い範囲のところから優秀な人材をたくさん輩出している。サマーズ、サックス、クルーグマンも同じところで勉強していたんですから。 僕自身の経験でも、いま話題の高橋洋一(東洋大学経済学部総合政策学科教授、金融庁顧問)とは大蔵省財政金融研究所で同じ部屋で働いていたんです。僕が30歳で、彼はまだ二十代。夜12時まで仕事をしてからよく飲みに行きました。二人で「歌って踊れるエコノミストになろうな」と言い合っていました(笑)。彼はそのときのことを『さらば財務省!』で書いていますよ。 ★宴会を抜け出す方法 −−また、本のなかではご自身の体験をまじえて具体的なアドバイスを書かれていますね。「宴会の抜け出し方」のような実践的なアドバイスまでユーモラスに書かれていて(笑)。 竹中さん 宴会の抜け出し方はユーモアじゃないんですよ。私にとっては真剣そのものです(笑)。 −−「宴会」などの日本社会特有の「つきあい」は勉強時間を作るうえではマイナスに働く部分はありますよね。 竹中さん そこは日本社会の良さでもあると思いますよ。人間関係に助けられるという良い面もあるから切り捨ててはいけない。 −−だから、最初から宴会を最初から欠席するのではなくて、早めに切り上げて抜け出すわけですね。 竹中さん 僕が面白いなと思うのは「人間」という言葉です。英語ではhuman beingでしょ。「人」だけ。でも、日本語には「間」が入って「人間」。気をつけてみると、日本語には「間」がすごく多い。「間」が違えば「間違う」。抜ければ「間抜け」。悪いと「間が悪い」。この「間」という言葉は日本文化を象徴としていると思います。「人間」という言葉は日本語と韓国語にしかないとも言われているんです。 経済学では「自分の満足を最大化させる」とよく言うんですが、欧米と違って日本では自分だけではなく、ほかの人との「間」も最大化させようと考えている。そこが日本独自の心地良さであり、同時に、意志決定が遅いなど、間柄に縛られるという弱点なんでしょうね。ですから、自分のやりたいことをやるためにはちょっとした工夫が必要だと思いますね。 ★経済環境が悪化するいま、できること −−いま、アメリカのサブプライム問題に端を発した経済環境の悪化で、株価は暴落、景気は悪化の一途をたどっているという状況です。この経済状況のなかで、一個人ができることについて、竹中さんからアドバイスをいただきたいんですが。 竹中さん 常に社会は変化し、歴史が作られていますよね。いま、何が起こっているのか? ということを自分の頭で整理するということですね。新聞やテレビで「いまこうなってる」と報道していることは、ほとんど間違っていますから。 自分の頭で整理するためには、まず自分の座標軸を持つこと。それはそんなに簡単にできることではないし、その座標軸が間違っていることだってある。だからこそ、この本のなかにも書きましたが「よきライバルを持て」。「お前、それは違うよ」と言ってくれる。そういうライバルの存在は必要だと思いますね。 −−自分の座標軸を持つということにも通じるかと思いますが、発想の転換の重要性を本のなかにお書きになっていますね。「『あまのじゃく』は発想力の源」というチャプターで京都大学教授の吉田和男さんのエピソードを紹介されていますね。見方一つで現状のとらえ方が変わる、と。竹中さん 裏表まったく逆に見えますからね。発想の転換の大切さは吉田さんに教えられたことです。 いまの経済状況を考えても、たとえば、いま、下がっている株価をにらみながら「いつ株を買うべきか」を一生懸命考えている人たちもいるわけです。つまり、見方を変えれば、株価が落ちているからこそ、株を安く買えるチャンスでもある。ピンチはチャンスなわけです。みんなが大変だ、大変だ、と言っているときこそ「本当にそうか?」と考えることが大事なんだと思いますね。 投資の世界には「コントラリアン」という言葉があります。「逆張り」のことですね。みんなが買っているときに売る、みんなが売っているときに買う。それと同じで、みんなが批判しているときには「いや、こういういい面がある」、みんなが褒めているときには「いや、ここにこんな問題点がある」──そういう考え方を持つことは必要ですね。100パーセントいい、100パーセント悪いなんてことはない。物事には必ず両面がありますよ。 ★良きリーダーに −−政治家として大臣をおやりになって、マスコミから批判もされたわけですが、そのなかで大臣として決断を下していかなければならない。大変なお仕事だったと思いますが、いま、振り返られていかがですか? 竹中さん 面白かったですね。改革案を出すと「ハードランディングだ」という反対意見もあれば「骨抜きだ」というまったく逆の反対意見が必ず出てくる。ときには同じ人が前とは反対のことを言っていたりする(笑)。そういう場になると、こちらも俯瞰して状況を楽しむしかない。この人はどうしてこんなヘンなことが言えるんだろう? って。 でも、私が5年5カ月政府の仕事ができたのは上司が立派だったからです。つまり総理大臣の小泉さんが立派だったんです。リーダーは重要だと思いますね。それは会社だってそうですよ。 若い頃、サラリーマンだったときにある人が言っていたのが「経理部で経理の仕事がしたい、調査部で調査の仕事がしたい、どこそこで何々の仕事をしたいという希望は大切かも知れない。しかし、誰の下で働くかはもっと重要なことだ」。僕も自分の経験を振り返って、その通りだと思いますね。 −−この本の読者にはそういう上司にめぐりあってほしいですが、同時に、一人でもそんな上司が増えて欲しいですね。 竹中さん おっしゃるとおりです。それは係長でも課長でも、小さなセクションでもリーダー。リーダーとしての責任を果たさないと。ダメな上司は必ず上のせいにしますよ。「部長がダメだからしょうがないよ」。だったら、その課長は部長と戦わなきゃ。 −−戦うためにはまず勉強ですね。今日はありがとうございました!
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