
「twitter」に代表されるソーシャルメディアの登場で、ビジネスは大きく変わりつつあります。では、どのように変化が起き、私たちは具体的にこれらのツールをどのように使えばいいのでしょうか?『ツイッターノミクス TwitterNomics』(タラ・ハント著 村井章子訳)ではアメリカやカナダでの著者らの実践例をもとに、そのヒントを提示しています。この本で解説を担当した、日本におけるtwitterの第一人者・津田大介さんにお話を伺いました。津田さんのアドバイスによって、この本の公式ツイッターアカウントtwnomics(http://twitter.com/twnomics)も活動中です。

- 津田大介さん (つだ・だいすけ)
- 1973年生まれ。IT・音楽ジャーナリスト。インターネットや音楽をはじめとするデジタルコンテンツに関する記事を雑誌やウェブで多数執筆。セミナーや記者会見をtwitterで実況中継することが、津田さんの名前をもじって「tsudaる」と呼ばれるようになったことでも有名。近著に『ツイッター社会論』(洋泉社)があり、『ツイッターノミクス』(文藝春秋)では解説部分を執筆している。
津田さんのtwitter:http://twitter.com/tsuda
公式Webサイト: http://xtc.bz/
インタビュー

- −−IT業界だけでなくtwitterが話題になっていますが、どのようなメディアなのでしょうか?
- 津田さんtwitterの特徴は「リアルタイム」かつ「オープン」なメディアです。フォローした人の何気ない独り言や会話、ニュースや議論がツイート(つぶやき)という形で瞬時にフォロワーに伝わります。そしてそのツイートはgoogleでも検索が可能。ユーザー同士のコミュニケーションが、不特定多数の人に可視化されていることが非常に特徴的です。
- −−twitterの醍醐味とはなんでしょう?今後ますますユーザーは増えていくのでしょうか?
- 津田さんtwitter上でのやりとりが、リアルの世界につながることもあるのが非常に面白いと思います。例えば僕の知り合いが興味深いツイートをしていたので、 twitter上で「その話聞きたいからこれから飲みに行こう」と誘ったんです。すると僕をフォローしているユーザーから「僕も興味あるんで参加していいですか?」という問いかけがあって、結局、みんなで一緒に飲むことに。こんなふうに周りの人を巻き込みながら、自分の世界が広がっていくワクワク感を感じられるところが醍醐味のひとつですね。
しかし逆に、そこがネックでもあります。プライベートを切り売りするようなもので、確かにリスクやデメリットも含んでいます。リスクよりもオープンなコミュニケーションを受け入れるほうが、楽しいことが待っているとみんなが思えるかどうかですね。
- −−twitterを活用していこうという企業も増えていますね。
- 津田さんこれから商品のプロモーションや企業のブランディングにおいて、多くの企業がtwitterを活用していくと思います。そうなったときにどのように活用し、twitterのようなソーシャルメディアでどのように振舞えばいいのかが『ツイッターノミクス』に非常に分かりやすく書いてあります。企業やビジネスマンにとって役立つ実例も多く書かれてあり、現在の、そして今後のtwitterの可能性や活用方法が見えてくる一冊となっていますね。
- −−ビジネス上のtwitter戦略は、今後どのように展開していくのでしょうか?
- 津田さんtwitterをはじめとするソーシャルメディア上には、現実とはまた違ったひとつの社会が形成されています。そこで価値を持っているのは、ユーザーが持つ信頼度や好感度。本のなかではそれを「ウッフィー」と呼んでいます。ウッフィーを増やせば、多くのフォロワーを獲得し、発言に強い影響力が生まれる。そして、ウッフィーは他のユーザーと良好なコミュニケーションをとるための資源となります。ウッフィーを多く持っているユーザーの質問には誰かが必ず答えてくれますし、有益な情報も流してくれる。協力的なユーザーを味方につけることができるんです。企業のビジネス戦略は、このウッフィーをいかに増やしていけるか、というところに左右されるのではと思います。

- −−どうしたらウッフィーを増やせるのでしょう?
- 津田さん他のユーザーにとって有益な情報を自分から発信することがキーになります。無理に自分が売りたいものや知らせたい情報を押し売りするのではなく、心地いいコミュニケーションをとる。つまり他のユーザーたちが作り上げたコミュニティーの一員になることが重要です。
先ほども言ったように、twitterでは、ユーザー同士のコミュニケーションは直接関係のない人たちにもオープンで可視化されていますので、そこで無理矢理な宣伝をすれば他のユーザーからの信頼度はどんどん減っていきます。情報提供など、ユーザーに利益をもたらす社会的貢献を続けていけばユーザーは自然と集まってきます。このようなユーザー同士が贈り物を贈りあうことでウッフィーが増えていく、「ギフト経済」という、善意でできた新しい経済圏が、twitterを介してソーシャルメディア上に存在していることをもっと知る必要がありますね。
- −−個人としてのかかわり方や働き方も変わってきそうですね。
- 津田さんいまITやマーケティング業界を中心に、実名で所属企業を明らかにした個人がtwitter上で影響力を持つようになっています。いちビジネスマンでありながらも、twitterで知名度が高いため、その人ご指名で仕事がきたり、twitterでの会話から予期せぬコラボレーションが起きたりといったケースも見られるようになってきました。また「そんな優秀な人材を抱えている企業だ」ということで、好感度・知名度のアップやブランド力が向上するといった効果も期待できます。このようにリアルの経済とギフト経済がリンクする事例が増えていくことで、他業界の企業の人材にもギフト経済の重要性が認知されていくのではないでしょうか。
- −−これからtwitterをはじめようという人に向けて一言お願いします。
- 津田さんその人のツイートは、発言を続けることにより、どんどん過去のものになっていきます。可視化されているという自浄効果もあり、実はtwitterはブログやホームページ、SNSなどに比べて炎上しにくいメディアなのです。
ブログのコメント欄のように発言への批判が目に入ってしまって落ち込むことも少なく(笑)、従来のSNSのようにフォローしたらフォローしかえさなければいけないといった風潮もありません。とてもゆるいつながりでコミュニティーができあがっている。なによりもはじめるのはタダですし、まずは使ってみることをおススメします。その際に『ツイッターノミクス』がガイドブックとして役に立つはずです。


- 「あっ、そういうことか!」の連続!
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