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あの人に聞く!楽天ブックス 人生お悩み相談室

マナー界のカリスマ『西出ひろ子』さんに
子どものマナーについてのお悩み相談!

西出ひろ子さん

西出ひろ子プロフィール

マナーコンサルタント。美道家。ヒロコマナーグループ代表。「マナーは愛」をモットーにお互いを思いやる心を育む人財教育を学校や企業でおこなうマナー界のカリスマ。子どもも大人もみるみるうちに変化する唯一無二の講義の仕方は、“ヒロコマナーマジック”と呼ばれている。
現役のマナー講師や教員たちがこの講義手法を学ぶため、全国からの受講があとをたたない。英国での生活、起業などもおこない、世界の子育てマナー教育事情にも詳しい。
NHK大河ドラマや映画、テレビ番組でのマナー指導も多数おこない、近年は、マナー評論・解説者としてもメディアで活躍中。著書多数。

テーブルマナーは何歳くらいから教えるのが最適ですか?

西出ひろ子さん 教えて理解できる年齢になったら、日頃のお食事中にどんどん教えてみるのがよいか思います。一般的には、3歳くらいからでしょうか(イギリスでは、3歳なら学びます)。
何歳くらいから、と厳密には考えず、そのお子さんに応じて適した時期は変わってくると思います。

テーブルマナーを教えるコツはありますか?

西出ひろ子さん たいてい、親が「教えたい!」「教えなきゃ!」と、“学ばせられる”ものです。自発的であれば、すんなり言うこともきいて身につきますが、そうでないと、“面白くない”“楽しくない”“どうして、こんなことするの?“と、反発し、なかなか実践しようとはしませんね。
また、あらたまって学ぼうとすると、緊張するほうに意識がいってしまい、身につかないこともあります。

小学生までに教えておくべきマナーはどういうものがありますか?

西出ひろ子さん 小学生までに教えておくべきマナーは、「あいさつをする」「いじめない」「悪口を言わない」「ものを大切にする」「後かたづけをする」「返事をする」「お礼を言う」「謝る」などのコミュニケーション面が大切なことかと思います。
見た目の型でいえば、「姿勢をただす」「足をそろえる」「膨れっ面をしない」「にらんだり、つまらないそうな顔をしない」「だだをこねない」などを徹底させると、あとが楽ですね。

中学生までに教えておくべきマナーは、どういうことだと思いますか?

西出ひろ子さん 中学生までであれば、和食と洋食のひと通りのテーブルマナーを学んでおくと外食時や、家族や親戚などの結婚披露宴などに出席するときにも、堂々と振る舞える子になりますね。和室での立居振る舞いは、最低限、「座布団のマナー」「たたみの縁や敷居を踏まない」などは、身につけていても良いですね。

電車の中のベビーカーのマナーがよく話題になります。バスや電車に乗ったらベビーカーを折りたたむのがマナーと
言われますが、荷物いっぱい載せてたりするから現実的ではありません。

西出ひろ子さん 大事なことは、電車に乗り込むときなどに、周囲の人に「失礼します」「すみません…」などのひと声をかけているかどうかです。
それがないと、「ベビーカーだから、“当然”だと思っているの?」とマイナスに思われてしまうことも…。
謙虚なひと言と態度で、周囲の気持ちも和みますから、「大変でしょうから、たたまなくてもいいわよ」となるのではないでしょうか。

知らない人との挨拶のやり取りや会話は防犯面からは避けるべきだと思うが、
人としての礼儀にかける気もするので悩んでいます。

西出ひろ子さん おっしゃるとおりですね。基本は、知らない人に対しても、エレベーターで一緒になったとき、バス停でバスを待っているときなどには,挨拶をするのが礼儀、すなわちマナーです。
私が英国で生活をしていたとき、朝のバス停では、見知らぬ人同士が、“Good morning”と互いの目を見て、挨拶をしていました。文化や環境の違いもありますが、お互いが気分良くなりますね。
現代の日本では、防犯面から知らない人を避ける、接触を控える傾向にあり、それが身を守る方法になっていることは否めません。
お子様には、このような事情を説明した上で、ひとりのときは挨拶はしなくても、親と一緒にときに、親が挨拶をしたら、子どももする、という柔軟な対応をご指導なさってはいかがでしょうか。

道行く人や電車内で目立つ服装をしている人や、ケガ等で松葉杖をついていたり、
具合の悪そうな人などに、不躾な視線を送るので困っています。

西出ひろ子さん 例えば、松葉杖をついている人であれば、「ケガをしている人だから、優しく、何か手助けできることがあれば、してあげようね」と言ってあげるとどうでしょうか。「見ちゃダメよ」と言うのは、かえって失礼にあたります。
不躾な視線を送るということですが、もしかすると、お子様はそんなつもりはないかもしれません。親御さんが勝手にそう思っているだけの取り越し苦労の場合も多々あります。
今回のご質問のお子さんがおいくつかわかりかねますが、このような場面に直面したら、親御さんがお子様に聞いてみてください。例えば「○○ちゃん、どうしたの?」と、その子の意見、考え方を聞いてみるのです。
大切なことは、お子様がなぜそのような視線、表情をしているのかを確認してあげることです。お子様(相手)の立場になってみることもマナーのひとつなんですよ。

友だちの家で裸足はOKですか?
友だちの家に遊びに行くことになったら、最低限やってはいけないことは、どういうことでしょうか?

西出ひろ子さん そうですね。まず、一般的なマナーとしては、裸足で行かないほうがいいですね。また、あなたが、しっかりとしたマナーをお子さんに身につけさせたいと思っているのであれば、なおのこと、裸足はやめるほうがよろしいと思います。足裏で、お友だちのお家を汚してしまう可能性があるからです。
ただし、学校などで裸足で身体を鍛えるような試みをおこなっている場合などもあります。そういうときは、先方の親御さんも了承済ではないでしょうか。

ゴミを道に捨てている大人を見たとき、「どうして、大人なのにいけないことするの?」と聞かれたら、
どう答えるべきか教えてください。

西出ひろ子さん 私だったら、「いい質問ね。大事なことは、人がどうこうではなくて、自分がどうするか、なんだよ。誰かがゴミを道に捨てたのを見たら、○○ちゃんはどうするの?」と言うと思います*^^*
少し高度かもしれませんが、子どもの頃から、このような受け答えをしてくれる人がいたら、子どもは自ら考えるクセや習慣がつきます。その結果、自身での想像し、自立した人間に成長できます。
お子様からの質問には、真摯に答えてあげたいと思いますが、答えに困ったときなどは、このように、逆に質問をして話の方向を変える「切り返し」も一法です。
ゴミを捨てた大人のことをあれこれ言っても、そこからはせいぜい「○○ちゃんは、道にゴミを捨てないようにね」という、お子様もわかっている話で終わってしまいますよね。お子様のさらなる成長を目指すなら、このようなコミュニケーションも必要です。

マンションで部屋に、和室がないので、襖や畳など和室のマナーを教える機会がなかなかありません。

西出ひろ子さん 和食のファミリーレストランなど、お座敷で食事をするときに教えたり、家族で温泉旅行に行ったときなどに教えてみてはいかがでしょうか。
マンションで和室がなくても、床の上で、座礼の仕方や座布団のマナーなどを教えることはできますね。ふすまの開け閉めは、「エアふすま」などと言って、ふすまを想像させて、その所作だけでも行ってみてはいかがでしょうか?その後、和室に行く機会に,実践してみるとよろしいかと思います。
また、雰囲気を出したい場合は、畳風のカーペットやござを畳代わりにして行ってみることも可能ですよ。私のマナースクールでも、洋室しかない場所で和のマナーをレッスンするときには、このように工夫しながら、レクチャーをおこなっております。

自分の子にマナーを教えても、他の子がマナーに無頓着だと、かえっていじめられたりしませんか?

西出ひろ子さん はい。この問題は、大変心を痛めるところであり、現実問題としても存在しています。
マナーは、双方がその意味ややり方を知ってはじめて、そこにマナーの存在価値が形となって表れます。マナーとは、「相手の立場にたつこと」でありますが、それは一方通行では成り立たないものなのです。
『法とマナーは、義務教育で教えて欲しい』とのお声もよく聞きます。いじめをなくすためにも、『相手の立場にたつ』『自分がされて嫌なことは人にはしない』『自分が言われて嫌な言葉は人には言わない』という真心マナー®を、小学校などの低学年のときから、しっかりとした教育と環境を整えることが必要と感じます。

レストランなどで、大人が頼んだ料理を子供にも取り分けたい場合、何かマナーはありますか?
シェアは違反?とか、気になります。

西出ひろ子さん 基本的にフォーマルな場所では、自分が注文したお料理を他者へ取り分けることは、マナー違反です。しかし、食事はみんなで楽しく美味しいお料理を楽しむことがマナーの原点ですから、最近は、高級レストランでも取り分けをOKとするお店が多くなりました(中国料理や中華料理は、もともとが取り分ける食文化でありますが)。 
子どもに取り分けたいときには、まず、お店の方に、「取り分けたいので、もう一枚お皿をいただいてもよろしいですか」と伺いをたてます。このときに、「私共でお取り分けいたしましょうか」と言われたら、お任せしましょう。

食事の時に足をぶらぶらさせる…など、マナーが悪いことがわかっていることを
「どう」教えたらいいのかわかりません。

西出ひろ子さん 社会人のマナー指導も同様ですが、「〜してはいけません」と言われると、人はそうしたくなる心理が働きます。すなわち、改善しないのです。そこで、どのように伝えていくのと言いますと…。
例えば、足の態度の悪い社会人の研修のときには、「足」とだけ言います。そうして、相手に気づかせます。
子どもに対しても同じように、「足」というヒントだけを与えて、あとは、自分で考えさせるのです。それでも、わからなければ、足を優しく押さえてあげるなどのボディタッチのコミュニケーションで、何がいけないのかを、お子さん自身に気づかせ、今後はしないようにするよう促していくと良いと思います。

ご飯茶碗と味噌汁のお椀の位置も何度教えても覚えられません。言っても言っても同じことを繰り返すので…。

西出ひろ子さん 何度言っても直らないと、親御さんもイライラしますよね。親のイライラは、必ず子どもにも伝わり、よけいうまくいかなくなるので気をつけましょう。
強い言い方が効果的というものでもありません。教えるときは、優しい表情と声のトーン。話し方はゆっくり目に、穏やかに話すようにします。
特に小さいお子さんであれば、「ごはん茶わんは、右?左?どっち?」などとクイズやゲーム感覚で楽しめる工夫をしてみましょう。間違っていたら「ブブブブ〜」。正解すれば「ピンポンピンポン!」と声に出して、さらには、「凄いね〜。大正解〜」などと大げさに褒めてあげてください。
お子様はきっと、親御さんとのやり取りが楽しく、どんどん学ぶようになると思います。

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