2013/10/16掲載
ひさびさの来日公演を11月に控えるポール・マッカートニーが、オリジナル・アルバムとしては2007年の『追憶の彼方に~メモリー・オールモスト・フル』以来、じつに6年ぶりの新作『NEW』を10月14日に発表する。親子ほど年の離れた4人のプロデューサーとともに制作されたこのアルバムは、ポール自身が“バック・トゥ・ザ・ビートルズ”と語るフレッシュな輝きに満ちたものとなった。その背景について、今月ロンドンで行なわれたばかりの最新インタビューをお届けします!(編集部)

photo: ©2013 Mary McCartney
- ――新アルバムのタイトルは『NEW』ですが、あなたにとってどういった新しさのあるアルバムなのですか?
- 「新しい曲、新しい試み、新しい姿勢、新しい演奏方法、すべてが新しいんだよ」
- ――アルバムの聴きどころは?
- 「皆に気に入ってもらえたらと思う。曲や、僕の歌い方や、演奏などを気に入ってもらえたらいいね。そして聴いた人に喜びをもたらせるようなアルバムであると望んでいるよ。それが実現したら嬉しいね」
- ――このアルバムは着手してから完成させるまでに6年かかったそうですが、なぜそんなに長くかかったのですか?
- 「6年かかった理由は、途中でほかのプロジェクトをやったからだ。いろいろなオファーがくるからね。良いオファーならイエスと言う。面白いと思えばすぐに引き受ける。たとえば、“ニューヨーク・シティ・バレエのために曲を書いてもらえますか?”と言われた時は“イエス!”だった。やりたかった。時間もかかった。また以前から父親の世代が愛したスタンダードを録音するということも考えていた。子どものころに聴いて育った曲の数々。特別な愛着があるんだ。父親との思い出、子供のころの思い出。僕にとって特別な、あのころが甦ってくる。それをアルバム『キス・オン・ザ・ボトム』でやった。それにも時間がかかった。ツアーもやったし。その間にちょっと時間ができたので、今が新しいアルバムをやる時かなと思ったんだ」

photo: ©2013 Mary McCartney
- ――最初は4人のプロデューサーを試すというつもりが、最終的には彼らと一緒にアルバムを完成させることになったそうですね。4人の作法に驚きを感じましたか? 4人はプロデューサーというより共作者的な存在だったのでしょうか。
- 「そうなんだ。最初は、4人のプロデューサーを起用した場合どんなことが可能か知りたくて、試しにスタジオに入ろうと思ったんだ。一緒にやってみて彼らの作業ぶりをみたとき、4人ともすごく面白いと感じたんだよ。それぞれ異なる理由でね。ポール・エプワースは実験するのがすごく好きで、スタジオに行くとアイディアがすでにあって、それを試してみる。マーク・ロンソンは、僕の曲をベターなサウンドにしたり、ベターなパフォーマンスを引き出しながらやった。イーサン・ジョンズとはとても自然体で歌いそのまま録音した。心配になって、“あれでいいのかい。ヴォーカルは大丈夫?”って聞くと“完璧だ”って。ジャイルズ・マーティンの場合は、何度もテイクをやって曲を完成させていく。4人とも一緒にレコーディングするのが楽しかった。それでそのまま4人全員を起用することになったんだよ」

photo: ©2013 Mary McCartney
- ――あなたにとって、最近感じたNEWなことは何ですか?
- 「僕にとって“NEW”にはたくさんの意味がある。孫がいるが、彼らの言うことすべてが新しいんだ。子どもの言うことには毎回驚かされるばかりだよ。また、10歳の娘がいるんだけど、彼女の言うことも何もかもが新しい。先日も“パパ、アルバムのタイトルのNとEとWにはそれぞれ終止符を入れるべきよ”って言われた。それで“なぜだい?”って聞いたんだ。そうしたら、“終止符をいれたら、これは何の短縮形か? って質問されるからだよ”って。それで僕は“では〈N.E.W.〉は何の短縮形なのかい?”と尋ねたら、娘は“Numerous Epic Words(数多くの広大な言葉)!”だって。びっくりしたね。まさに新しい驚きだったよ」
photo: ©2013 Mary McCartney 取材・文 / 高野裕子
提供 / ユニバーサルミュージックジャパン
(CDJournal.comより転載)












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