2014/02/25掲載
いろいろな色彩を感じてほしい――
ピアノの鍵盤から紡ぎ出されるカラフルなアルバム

photo: ©シュローダーヘッズ
- 佐野元春、柴咲コウ、後藤まりこといった個性豊かなアーティストのレコーディング、ライヴに参加する一方、コンポーザー、アレンジャーとしても際立った才能を示すキーボーディスト、渡辺シュンスケによるソロ・プロジェクト、シュローダーヘッズから、2枚目のフル・アルバム 『シナスタジア 』 が届けられた。デビュー作 『NEWDAYS』 (2010年)がロング・セールスを記録、さらにシンガー、土岐麻子とともに“土岐麻子 meets Schroeder-Headz”としてライヴを開催、昨年12月には打ち込みをメインにしたミニ・アルバム 『Sleepin’Bird』 を発表するなど、活動の幅を広げるなかで制作された本作は、“アコースティックなピアノ・トリオとエレクトロニカ〜テクノの融合”というこのユニットのスタイルを大きく進化させた意欲作となった。
「ピアノ・トリオというとどうしてもジャズのイメージが強いと思うんですけど、僕の音楽の趣味はかなり雑食性だし、EDMをはじめとする打ち込みのダンス・ミュージックも好きなんですよね。もともとシュローダーヘッズは“自分のフィルターを通して、新しいピアノ・トリオの形を表現したい”というところから始まったんですが、今回のアルバムではそれをもっと突き詰めてみたくて。ただ、難解な音楽をやるつもりはまったくないんですよ。ピアノを始めたきっかけは久石譲さんや坂本龍一さんのピアノ曲だったし、しっかりメロディがあるものが好きなので。インタープレイだけではなく、いろいろな曲が楽しめる粒揃いのアルバムにしたかったんですよね」

photo: ©schroederheadz
美しく、穏やかなピアノの旋律が美しく広がっていく「Memento Mori」、バウンシーなシンセ・ベースと生楽器のグルーヴが絡み合う「3 on 3」、情感豊かなアンサンブルとエレクトロ系のビートがひとつになった「Blue Bird」、心地よい疾走感をたたえたアンサンブルのなかでポップなメロディが響く「Follow Me」など、色彩豊かな楽曲が揃った本作。そこには「アルバムを聴きながら、カラフルな色や風景を感じてもらいたい」という意図が反映されているという。
「ピアノという楽器の印象って、絵画にたとえるとスケッチとかラフ画だと思うんですよね。鍵盤もモノクロだし(笑)。でも、受け取る側のイマジネーションによって、共感覚(= Synesthesia / 音に色を感じたりする、特殊な知覚現象)を持った人のように、いろいろな色彩を感じてほしいと思って。映画を観たり、旅をしているような感覚になれるストーリー性も意識してました。やっぱり、音楽を聴いて“楽しい”とか“心地いい”って思ってほしいですから」
また、アジア美しく、穏やかなピアノの旋律が美しく広がっていく「Memento Mori」、バウンシーなシンセ・ベースと生楽器のグルーヴが絡み合う「3 on 3」、情感豊かなアンサンブルとエレクトロ系のビートがひとつになった「Blue Bird」、心地よい疾走感をたたえたアンサンブルのなかでポップなメロディが響く「Follow Me」など、色彩豊かな楽曲が揃った本作。そこには「アルバムを聴きながら、カラフルな色や風景を感じてもらいたい」という意図が反映されているという。
「ピアノという楽器の印象って、絵画にたとえるとスケッチとかラフ画だと思うんですよね。鍵盤もモノクロだし(笑)。でも、受け取る側のイマジネーションによって、共感覚(= Synesthesia / 音に色を感じたりする、特殊な知覚現象)を持った人のように、いろいろな色彩を感じてほしいと思って。映画を観たり、旅をしているような感覚になれるストーリー性も意識してました。やっぱり、音楽を聴いて“楽しい”とか“心地いい”って思ってほしいですから」
また、アジア〜
日本的な叙情性を含んだ「Tokyo Tribal Sacrifice」「Far Eastern Tale」も印象に残る。これらの楽曲に込められているのは、“日本発の音楽を世界に示したい”という意思だ。
「ジャズやダンス・ミュージックもそうですけど、欧米至上主義みたいなものに対するジレンマがあるんですよね。だからといって雅楽をやるのも違うし、“何がいちばん自然なんだろう? ”ということもずっと考えていて。80年代のYMOが表現していたオリエンタリズムもすごくカッコいいと思うし、それを自分なりにやってみたいという気持ちはありますね」日本的な叙情性を含んだ「Tokyo Tribal Sacrifice」「Far Eastern Tale」も印象に残る。これらの楽曲に込められているのは、“日本発の音楽を世界に示したい”という意思だ。
「ジャズやダンス・ミュージックもそうですけど、欧米至上主義みたいなものに対するジレンマがあるんですよね。だからといって雅楽をやるのも違うし、“何がいちばん自然なんだろう? ”ということもずっと考えていて。80年代のYMOが表現していたオリエンタリズムもすごくカッコいいと思うし、それを自分なりにやってみたいという気持ちはありますね」
取材・文 森 朋之(CDJounal 2014年3月号より転載)