2017/4/6掲載
■CDデビュー20年を記念するベスト・アルバムを発表
2014年末にくも膜下出血で緊急入院して、2度の大手術を経て翌年の春に退院。リハビリやトレーニングを続けて仕事に復帰し、2016年は全国各地でコンサート活動などを精力的に行なってきた米良美一。それまでクラシック・ファンにしか知られていなかった、高音域を歌うカウンターテナーの魅力を広く国民に認知させた、映画『もののけ姫』(1997年)主題歌の大ヒットからまもなく20年となる今年、最新ベスト・アルバムをリリースする。
■米良美一 「2年前に倒れた時は本当に命も危なくて、家族が集められて覚悟するようにと言われたほど。自分でも当時の1ヵ月半くらいの間の記憶がなく、意識が戻ってからもまた歌えるようになるかはまったくわからないような状態でした。幸い、お医者様の治療とファンの皆さんが祈ってくださったおかげで復帰することができ、こうして古巣のキングレコードさんがまた一緒にCDを作りましょうって声をかけてくれた。そこで、これから歌手として先へ進むためにもここで一度区切りをつけたいと思い、これまでリリースした音源から(2000年発売のベスト盤『Bridge~ベスト・オブ・米良美一』とは重ならない選曲で)セレクトしてCD2枚に集めました」
――その新たな未来に向けた決意を象徴しているような新録曲が、アルバムのタイトルにもなっている「無言歌」。1939年ジョージア(グルジア)に生まれた作曲家、ヴァージャ・アザラシヴィリが書いたこの楽曲は欧州で「Dgeebi Midian(過ぎ去った日々)」という歌謡曲として、またさまざまな楽器による演奏で親しまれている。今回は人気作詞家、許瑛子による書き下ろしの日本語歌詞としっとり低音域で歌い上げる歌唱によって、美空ひばりの「川の流れのように」を思わせる深みのある佳曲に仕上がった。
■米良美一「いろんな経験を積み重ねてきた人が、過ちや恐れも含む長い人生の悲喜こもごもをしみじみと振り返るような内容の歌ですが、40代にして一度死んだも同然の自分にはよく理解できる。けっしてネガティヴな心境ではなく、人間いろいろあってもまだやり直しができて、いつでもふたたび歩き出せるっていう前向きなメッセージが素晴らしい。それを皆さまにも歌でお伝えしたい」
――ディスク1は昭和の薫り漂う名曲たちから、後半はテレビ朝日系『アニメ週刊DX! みいファぷー』オープニング・テーマとして話題を呼んだ「ウキウキパラダイス」(※これまでシングル盤でしか入手できなかった秘蔵楽曲)を経て、オリジナルのポップス曲が中心。一方のディスク2は日本歌曲を中心としたクラシック・セレクション。故松方弘樹が製作に携わった1998年のアニメ映画『蓮如物語』主題歌「やしょめ」の収録などもファンには嬉しいところだ。
■米良美一「とくに松本俊明さんを始め崎谷健次郎さんや楠瀬誠志郎さんなど、錚々たるメンバーに曲を書いていただいた1999年のアルバム『I'll be there』(※廃盤)から選んだものはどれも、今の時代だからこそまた聴いていただきたい素敵なナンバーばかりです」
――今年はNHKの大河ファンタジー『精霊の守り人』シーズン3(11月放送予定)に俳優として出演も決まり、新境地を開く。
■米良美一 「神と人間の橋渡しをする不思議な牧童で年齢も140歳くらい……(『スター・ウォーズ』シリーズの)ヨーダみたいな役です、お楽しみに。歌のほうでも無理をせず、上手に高いファルセットを出していきたい。今は周囲のいろいろな人のアイディアに耳を傾け、インスピレーションを得るのが楽しくてしょうがない。どうかご期待下さい!」
取材・文 東端哲也 CDジャーナル 2017年4月号掲載













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