「歌詞(のヒント)は、ファンのコメントから」
西野カナ収録曲全解説付!みんなへの感謝を込めて…
西野カナ 待望のNew ALBUM『Thank you, Love』
全曲配信サイトでダウンロード数1位を記録した「if」「君って」「Distance」「Esperanza」を収録した西野カナのNew Album『Thank you, Love』がついにリリース!ラブソングはもちろんのこと、バラードからアッパーなクラブチューンまで多彩なナンバーを取りそろえ、これまでになく温かでポジティブなアルバムとなった今作。
今春大学を卒業し、大人への一歩を踏み出した彼女が『Thank you, Love』に込めた思いをたっぷりと語ってくれました。
「LOVE」は簡単に答えが見つからないから面白い
■いよいよ3rdアルバム『Thank you, Love』がリリースされますね。
西野さん このアルバムはこの春に大学を卒業した直後から短期間で作り上げたこともあって、すごくフレッシュな気持ちがいっぱい詰まったアルバムになりました。大学を無事卒業できたこととか、この4年間支えてくれた周りの人、それに西野カナの音楽を聴いてくれる皆さんへの感謝とか…そういう色んな人への「ありがとう」がたくさん込められてます。
■1枚目の『LOVE one.』、2枚目の『to LOVE』、そして今回の『Thank you, Love』、すべてのアルバムに「LOVE」というキーワードが入っていますね。
西野さん もともと「LOVE」っていう言葉の響きが好きっていうのもあるんですけど、毎回同じテーマで作ることによって自分の成長とか変化がわかるのがいいなと思って。それに「"LOVE"って何だと思いますか?」って言われた時に簡単には答えられないのがまた面白いな、と思うんです。1枚目の『LOVE one.』の時は「LOVE」の意味なんてさっぱりわからなかったし(笑)。でも2枚目の『to LOVE』でなんとなく…色んな問題を解決してくれるものなのかなって思い始めて。今回の『Thank you, Love』ではもっと大きな、日本語で表現するなら相手に対する思いやりとか優しさっていう言葉が合うのかなと。
だからこのアルバムは優しさや温かい気持ちがあふれたアルバムにしたいなという気持ちが強くて、前回よりもポジティブな歌が増えました。
■確かに前回のアルバムに比べて明るい曲調のものが多いですね。
西野さん 今回のアルバムは夏のツアーを意識して作ったものが多いので、みんなで盛り上がれるものにしようっていうのがまずありました。毎回アルバムの「Prologue」から「Epilogue」までを1つのストーリーとして考えるんですけど、今回は「1日」をテーマにしたんです。カーテンをあけた瞬間に太陽が差し込むような明るい朝から1日がスタートして。そして1日の終わりには、大切な人に隣にいてくれてありがとうって感謝できれば同じ1日でもさらに輝いたものになるだろうなという気持ちで作りました。
西野カナ渾身の全曲紹介!
ここからは西野さん自らによるアルバム収録曲解説をお届け!歌詞を書く時は必ずブログに目を通してファンの気持ちも参考にするという西野さん。ここでしか読めない制作秘話も飛び出して、より西野ワールドが身近に感じられること間違いなし!
■*Prologue* 〜Sunrise〜
曲に何か意味を持たせたいけど、雰囲気も大切にしたい…という気持ちを実現した曲。声が一つの楽器みたいに自然に溶け込んでるのに、歌詞を見るとちゃんと意味もあるっていう。爽やかな朝の始まり、カーテンを開けた時のキラキラをそのまま歌にしました。
■Esperanza 動画>> 試聴>>
夏らしく情熱的かつみんなで一つになれる曲にしたかったんです。片思いの曲なんですけど、切ない恋愛をしてる人にも勇気を持ってもらえるような曲にしました。もともとこういうリズムの切り方もすごく好きで、いつも一緒にライブをまわってるDJ Massさんと相談しながら出来上がった曲です。
■Clap Clap!!
ライブを意識して作った曲で、みんなで一緒に歌いながら盛り上がれたらいいなと。私の性格がすごくよく出てる曲でもありますね(笑)。基本的にポジティブで切り替えが早くて開き直りも早いので、そのポジティブさをみんなに分けてあげたいなと歌詞にも表しました。
■Together
一見友達に向けて書いてるように見えるかもしれないけど、実はライブに来てくれるみなさんに向けて書いた曲なんです。みんな毎日色々あると思うけど、ライブの日だけは全部忘れて思いっきり楽しんでほしい、いい夏の思い出作ってほしいという思いで作りました。
■Distance 動画>> 試聴>>
久しぶりに作った片思いの曲だったんですけど、女の子が恋をしてかわいくなっていく瞬間って本当にいいものだなと思って。恋は辛いこともあるけど成長もさせてくれるし、色んな色に染まることもできる。そんな恋のキラキラ感をイメージしました。
■I'll be there 試聴>>
『if』のカップリング曲。私の友達って結構シビアに意見言ってくるんですけどこの曲に関しては全員一致でほめてくれました。失恋した友達を思って書いた曲なんですが、自分が失恋した時も一人じゃないんだなーって感じたし、女の子の結束力って素晴らしいですよね。私はいつでも女の子の味方でいたいと思います。
■Flower
周りに結婚した人が増えてきて「変わらない気持ちってすごいな」と思って書いた曲です。前回のアルバムと比べると自分の成長が感じられる曲でもあります。大切な人がいてくれて幸せっていうだけではなく、その人に対して何かしてあげたいっていう大きな愛情を表現しました。
■Every Boy Every Girl
これは私の趣味が入った曲ですね。最近はこういうエレクトロ系の曲ばかり聴いています。デヴィッド・ゲッタとかブラック・アイド・ピーズ、LMFAOとか。海外アーティストでエレクトロ調の曲出してる人がすごく多いので、その流れに刺激を受けました。
■Where are you?
この曲はファンのみなさんのリクエストに応えて作った曲です。ダメだってわかっていながらもやめられない恋愛、周囲のみんなに止められてもどうにもならない気持ちってあるじゃないですか。だけど恋愛に限らず自分の気の済むまで思い続ける、やってみるって大事なことだと思うし、その分強くなったりきれいになったりすると思うんですよね。
■if 動画>> 試聴>>
私の中では初めて少し大きなテーマを歌った曲。一瞬でも時間がずれたり場所が違えば出会わなかった…そう考えると今その人の隣にいることが奇跡だと思えて。出会えたことに感謝して今その時を大切にしよう、そしてできればこの先の未来も一緒にいたい…という気持ちを込めました。
■Alright 試聴>>
とにかく頑張っている人を応援したいというシンプルな気持ちで作りました。ファンの方から寄せられるメッセージやブログのコメントを見てると、テストや受験、その他にも色んな夢に向けて頑張ってる方が多くて。今、やりたいことがある人って少ないと思うんですけど、だからこそ自分の夢があるのはすごく幸せなことだし、頑張ってる姿はかっこいい。そういうみなさんを少しでも力づけたいなと思いました。
■君って 動画>> 試聴>>
この曲はみんなへのメッセージソングですね。これまでは恋愛の曲が多かったんですけど、いつも私を応援してくれる方々を支えられるような曲を書きたいなと思って。一人一人の心に何かを問いかけるような、そんな曲になればいいなと。伝えたい相手が変化した曲ですね。
■Wishing
この曲は前のアルバムでいうと『You are the one』と同じ様なポジションになります。今回のアルバムにおける「LOVE」の答えを表現した曲ですね。失恋した人向けの曲ではあるんですけど、たとえ恋の終わりが苦いものであったとしてもその恋によって何かしら成長したはずだし、そこに感謝できたらすごく素敵だなという思いを込めて書きました。
まだまだ恋愛では悩んでばかり

■これまで今回のアルバムに収録曲についてご紹介いただきましたが、西野さんの書く歌詞は若い世代の女性から大変な共感を呼んでいますね。その世界観はどのように作り上げられるのでしょうか?
西野さん 基本的には先に音があってそれに対し歌詞を書いていくんですが、曲を聞いた時に写真とか映像が浮かんでくるんです。その後、ドラマに出てくる主人公が決まって、サブタイトルとかつけて…たとえば「彼女がいる人を好きになっちゃった…」みたいな。それに加えて自分が過去に感じた気持ちとか、友達から聞いた話なんかを思い出しながら書いていく感じですね。もちろん煮詰まる時もあるんですけど、一枚の絵が見えると後は早いです。
■西野さんの書く切ない恋愛ソングに対する共感、相談コメントがブログにもたくさん寄せられていると思いますが、ぜひ恋愛のアドバイスを…。
西野さん 私もまだまだ恋愛は勉強中で、友達に相談してばっかり(笑)。でも、片思い中の人だったらその気持ちを大事にしてほしいと思うし、大切な人がいるんだったらよりその人の存在を大事にしてほしいなと思います。当たり前のようにいてくれる人に対して感謝の気持ちを持てるってすごく素敵なことだなと。失ってからじゃ遅いですしね。
■数々のファッション雑誌にも登場し今やファッションリーダー的な存在ですね。
西野さん ファッションリーダーなんてとんでもないです!私もファッションが大好きで、いつも周りの人の意見を聞いて日々研究してるんですよ。アルバムジャケットの撮影時はスタイリストさんと相談しながら洋服を選んでます。今はこのアルバムのジャケットでもつけている「ヒッピーバンド」にはまってて。もともと頭に何かつけるのがすごく好きで、帽子もたくさん持っているんです。今年の夏は久々に髪の毛の色を少し暗めにしたので、ボヘミアンテイストとかちょっとクールなテイストにチャレンジしていこうと思ってます。
■今年の夏は初のホールツアーさらに初武道館ですね。
西野さん 久々のワンマンライブでもあるし、初めて行く場所もあるのですっごく楽しみです!西野カナのライブがあるからそれまで頑張ろう、ライブが終わった後も頑張っていこう、みんなにそう思ってもらえるような楽しいライブにしたいですね。
■最後にファンの皆さんにメッセージを。
西野さん みなさんの笑顔や、キラキラした一日を想像しながら作ったアルバムなので、私のこのポジティブさと元気を皆さんにお届けできればと思ってます。できれば大切な人のことを思いながら聴いてもらえるとうれしいです。
Written by Shinobu Nakagami