TーBOLAN『愛の爆弾=CHERISH~アインシュタインからの伝言~』発売インタビュー
今年2022年7月にメジャーデビュー30年を迎える伝説のロックグループ「T-BOLAN」が、28年ぶりの新アルバム「愛の爆弾=CHERISH~アインシュタインからの伝言~」を3月14日発売する。コロナ禍という未曾有の災厄の中で記念年を迎え、リリースするアルバムの意味は大きい。グループの中心人物・森友嵐士にその重さを聞いた。
- ーー28年というと人間の一世代に当たるような長い時間です。その年月の中で、T-BOLANだけでなく、日本も世界も大きな変化を遂げているはずです。単に「人気バンドの新作」という1行で片付けられるアルバムではないでしょう。アルバムに対する意図や覚悟を伺いたい。
- (森友嵐士)まず、90年代とは作り方をがらりと変えた。90年代はライブのエネルギーを作ることに徹して「書」のようにCDの曲を制作した。書は筆の始点と終点があり、一気に表現する。筆の通らない空間も残る。今作は「絵画」のように作ろうと思った。すべての空間を使い切り、色を塗り重ね、しかも削ってもいける。最終的な表現のイメージに向かって何度も手を加えることができる。もちろん、バンドが生で演奏する絵柄も見えているんだけど、「作品制作」に徹したのがこのアルバム。
- ーーその変化は目的だったのでしょうか、必然だったのでしょうか?
- 90年代のヒット曲量産期は、俺たちは音楽活動以外、何もなかった。見たこと感じたこと、すべての種を作品にした。俺が思い付いたフレーズが翌日には編曲されて届けられる。俺の思いと出来上がりに誤差がなかった。センスが一本貫かれていた。そういう恵まれた環境が整えられていた。
95年に声が出なくなり、99年に一度解散するんだけど、そのことによって、俺は別のジャンルの音楽にも音楽以外の事柄にも、たくさん触れることになった。大震災が起き、ベースの上野博文が倒れ、コロナ禍に襲われる。俺はソロ活動を始め、上野が奇跡的に復活し、17年にはTーBOLANを再始動する。その間には比叡山との出会いがある。
これらがなかったらこのアルバムは生まれなかった。「望まないことがないと、作品は生まれない」ということはないんだが、自分の意図ではないものが血肉になっていると、生まれるものが違うのではないか。 - ーーとすると、新作は必然の流れのままにスムーズに完成に向かっていったのでしょうか。
- いえいえ、30周年アルバムを作ろう!とプロジェクトが始まっても、半年くらい、作っちゃごみ箱、作っちゃごみ箱。「自分の曲に飽きているんだ!」と気が付いた。普段は曲を作ってから楽曲を作り上げる。もちろん、制作中は苦しいんだけど、苦しみを超える「ワクワク」がある。でも、その「ワクワク」が一向に生まれてこなかった。焦るよね。書きたい言葉やテーマはあるんだから。
そこで考えたのが「コンペ」。そもそもT-BOLANは最初から編曲者を入れているし、自作自演にこだわっているわけではない。何も条件を付けずに作家に声を掛けた。と大島こうすけから「NO CONTROL~警告~」の曲が来た。俺にない16ビートの世界。パンデミック社会のテーマはあったから「これだ!」と一晩で書けた。 - ーーそれで、吹っ切れたんですか?
- そう簡単でもなかった。やっぱり、90年代の自分と比べるじゃないですか。無力さを感じていた。悶々とする中、アインシュタインが娘リーゼルに宛てたと言われる手紙を思い出した。あの相対性理論のアインシュタインが「愛こそが存在する最大の力である」と熱弁している。また、アインシュタインは日本に滞在したことがあり、そこで日本の「姥捨て山伝説」を知ったという。自分が子に捨てられるのに、その子を思う親心の描写に、アインシュタインはいたく感動し「日本人の愛情」を心に刻んだというんだ。
「これだ、これがアルバムのテーマだ」と確信した。手紙の中に「私たちにはまだ愛の爆弾を作る準備はできていない」というフレーズがあって、曲がそろう前に「愛の爆弾」のアルバムタイトルが決まった。ただ直訳の「BOMB」ではなく「慈しむ」という意味の「CHERISH」に読み変えた。
あとは、この10年ほどの間に経験した、タイアップ曲や提供曲、映像曲など、新しい試みや出合いの作品を集めていった。「最後の最後に愛かよ!」って思うけど、結局それが俺たちなんだな。 - ーー最後に、ジャケットはよく知られている物理学者・アルベルト・アインシュタインの写真ではありませんね。
- そう、アルベルトの一族のマーク・アインシュタイン。数年前に知り合った俺の釣り仲間なんです。企画を話したら「面白いねー!」って。このアルバム、縁と愛が貫かれているでしょう!
ライター 川崎 浩
- 商品詳細
- 28年ぶりのオリジナルアルバム!
「愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~」3月14日(月)発売!!
1993年12月に発売されたオリジナルアルバム「LOOZ」から、約28年ぶりとなるT-BOLAN 6枚目のオリジナルアルバムが遂に発売。 - メッセージ
- 28年ぶり6枚目のオリジナルアルバムが完成しました。
充実した制作期間を経て、今、やり切った気持ちでいっぱいです。
この作品は天才物理学者アインシュタインが、俺たちに残してくれた伝言、人類が持つ最大のチカラ『愛の爆弾』をテーマとして創りあげたメッセージアルバムです。
俺たちT-BOLANの『愛の爆弾』13曲が詰まっています。みんなの愛へと繋がりますように。
90年代に俺たちの音楽を聴いてくれたみんなが、「やっぱT-BOLAN、期待うらぎらないよね」って感じてくれる作品に仕上がっています。
あの頃、一枚でも俺たちの曲を手にしてくれた全てのみんなに、そして俺たちを知らない世代のみんなにも今届けたい、俺たちからの『愛の爆弾』です。
ライブでみんなと盛り上がれる日を楽しみにしてる。カラオケでも楽しんでもらえたら嬉しいよ。是非聴いてください。
T-BOLAN 森友嵐士 - ●T-BOLAN 30th Anniversary SPECIAL EDITION
- (初回生産限定メモリアルパッケージ)シリアル番号付き
[CD+プレミアムアイテム]JBCZ-9127 / 16,500円(税込)
※シリアルナンバーカード(メンバー直筆)
※T-BOLAN 30th Anniversaryフォトブック(A4サイズ・全40ページ)
※アートデザインポスター(B3サイズ・四つ折り)
※メンバー直筆サイン(プリント)入りフォトカード
※A4サイズ専用BOX仕様 - ●通常盤 [CD]JBCZ-9128 / 3,300円(税込)
- 【楽天ブックス限定先着特典】A4クリアファイル付
- CD収録曲(全形態共通)
- 1.A BRA CADA BRA ~道標~
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 五味孝氏 編曲:五味孝氏
2.NO CONTROL ~警告~
作詞:森友嵐士 作曲:大島こうすけ 編曲:大島こうすけ
3.愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~
作詞:森友嵐士 作曲:五味孝氏 編曲:五味孝氏
4.ずっと君を
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:葉山たけし・T-BOLAN
5.祈りの空
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:小島良喜
6.京恋唄
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:池田大介(Pf.倉田信雄 Vc.四家卯大)
(石川さゆり提供曲:セルフカバー)
7.Re:I
作詞:森友嵐士 作曲:五味孝氏 編曲:T-BOLAN
(石ノ森章太郎生誕80周年記念サイボーグ009コラボソング)
8.俺たちのストーリー
作詞:森友嵐士 作曲:五味孝氏 編曲:T-BOLAN
(Amazon Prime Videoオリジナルドラマ『湘南純愛組!』/ 関西テレビ『湘南純愛組!鎌倉の狂犬編』オープニング曲)
9.ひとつの空 ーno rain no rainbowー
作詞:森友嵐士 作曲:五味孝氏 森友嵐士 編曲:T-BOLAN(St.池田大介)
(映画「ひとつの空」主題歌)
10.声なき声がきこえる
作詞:近藤房之助 作曲:森友嵐士 編曲:増崎孝司
(B.B.クィーンズ提供曲:セルフカバー)
11.Crazy Me Crazy U
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:T-BOLAN
12.My life is My way 2020
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:T-BOLAN
(Amazon Prime Videoオリジナルドラマ『湘南純愛組!』/ 関西テレビ『湘南純愛組!鎌倉の狂犬編』主題歌)
13.ありがとうのうた ~あいのたね~
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:五味孝氏
(#ありがとうのうたプロジェクト フリー音源) - 「T-BOLAN『愛の爆弾 PROJECT♥MESSAGE FROM アインシュタイン』LIVE TOUR 2022」開催決定!
- 第1弾スケジュール(今後のスケジュールは決定次第、発表します)
4月15日(金)千葉・成田国際文化会館
4月23日(土)京都・舞鶴市総合文化会館 大ホール
5月1日(日)神奈川 ・神奈川県民ホール
愛の爆弾=CHERISH~アインシュタインからの伝言~2022年3月14日発売!
楽天ブックス限定先着特典 A4クリアファイル ※数量に限りがございます。お早めにご注文ください。
楽天ブックス限定先着特典 A4クリアファイル ※数量に限りがございます。お早めにご注文ください。
LIVE DVD
『T-BOLAN LIVE HEAVEN 2020「the Best」~繋~ 愛の爆弾= CHERISH』
2022年4月13日発売!
DISCOGRAPHY
CD
DVD
PROFILE
1991年7月シングル「悲しみが痛いよ」でデビュー。森友嵐士(vo)のもとに五味孝(g)、上野博文(b)、青木和義(dr)らが集まり結成されたロック・バンド。1991年12月に「離したくはない」、1993年3月に「すれ違いの純情」など数多くのヒット曲を放つ。アルバム『BABY BLUE』『SO BAD』など名作を次々完成させ、 日本のロック・シーンを牽引していく存在となるが、1994年あたりから表だった活動を停止。幾つか作品を発売したものの1999年12月に解散。2012年、オリジナル・メンバーで再結成。