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来年3月に活動停止を迎えるBerryz工房にとって、ラストとなるホールツアー。そして、Berryz工房にとって特別な場所である、中野サンプラザでの最後の単独公演。いよいよ始まるその時間に、会場は一抹の寂しさとスッペシャルな高揚感に包まれました。
早く始まって欲しい、だけど始まってしまえば終わりを迎えてしまう――。突然の無期限活動停止の発表、ラストシングルの発売、そして最後のツアー。あっという間に過ぎてしまった三ヶ月の間に、本当にたくさんのことがありました。最初は受け止めきれなかった現実も、迫り来る3月3日も、最近では少しずつ少しずつリアルに感じるようになりました。そして残されたこの時間を、とにかくもっと大切にしたい。Berryz工房とたくさん笑いたい。そう決心してからは、涙はできるだけ封印することにしました。
なのにやっぱり、「すっちゃかめっちゃか〜」のイントロと共に、七色のお揃いワンピースで現れた色とりどりのベリーズたちを一目見て、すぐに視界がぼやけていくのがわかりました。それは、キラキラ光るティアラが、くるくる回るとひらひら翻るスカートが、はじける笑顔のBerryz工房が、美しくて、楽しくて、幸せだったからです。大好きだからです。これだからベリヲタはやめられない、とびっきりのハピネスに包まれて「Berryz工房デビュー10周年記念コンサートツアー2014秋〜プロフェッショナル〜」が幕を開けました。
『アジアンセレブレイション』間奏に合わせて、「魚貝なしでは生きてゆけない」と紹介される菅谷梨沙子、「アイドル界のスカイツリー」熊井友理奈、「ベリーズのおしゃれ番長」夏焼雅、「心は女に成長中」須藤茉麻、「続かない」徳永千奈美、「可愛すぎて許してにゃん」嗣永桃子、そして「Berryz工房のキャプテン」清水佐紀…。今日も梨沙子は力強く、熊井ちゃんは熊井ちゃんで、雅ちゃんは艶やか、茉麻はあったかく、千奈美は楽しくて、ももちはポップ、キャプテンはキレッキレな、Berryz工房がそこにいました。
ラストシングル「ロマンスを語って」では、いつも以上に大きく聴こえる歌声に、気合十分なメンバーたちがたまらなく愛おしくなり、「愛はいつも君の中に」では、拳を突き上げる振付で会場中がひとつに。
「10年前にBerryz工房が初めて立ったステージ、こうして今も立ってると思わなかったよね」と語るMCに少ししんみりしつつも、懐かしい曲を織り交ぜた楽しいメドレーが始まり、テンションも一気にアップ。次々に現れるメンバーの、お揃いのチェックの衣装も可愛い!身長も体型もバラバラのBerryz工房は、似合うスタイルもコーディネートも七通り!スクールガール風のまあさに、長い手脚を活かしてロングシャツを着こなす千奈美、ジャケットと三つ編みヘアが可愛い梨沙子、セレブ風のハットとワンピースの雅ちゃん、ロングスカートからおヘソがチラリする熊井ちゃん…!「もっとずっと一緒に居たかった」を歌うお姉さんズなふたり(清水佐紀、嗣永桃子)は、同じ歳ながらも対照的な装い。大人っぽいニットにさりげないリボンをあしらい、シンプルで可憐なキャプテンと、赤チェックのワンピースに白レースの靴下、赤いパンプス、魔法で固めたももち結びには赤いリボン!なももち。完全にやり過ぎだけど、完全にかわいい!ピーチッチ!ピーチッチ!ボクのピーチッチ!畳み掛けるような二人の台詞やバランスの良さ、振付の完璧なシンクロ率に息を飲みました。
サビの高音部分が難しい「秘密のウ・タ・ヒ・メ」では、それぞれの成長ぶりに感動。未成熟だったあの頃に比べ、安定感のあるその姿は正に完熟。そしてBerryz工房の代表曲のひとつである「付き合ってるのに片思い」で会場の熱気はピークに。初期の名曲である「恋してるときはいつも…」では、イントロから心のダムが決壊。秋らしい照明の中、ステージ上を散らばるBerryz工房。私、このばらけたBerryz工房って構図、大好きなんです!こんなに個性的なメンバーたちなのに、最高にバランスが良いんです、好きなんです、好き!今回のツアー用に特別アレンジされた「サヨナラ ウソつきの私」ではとびきりセクシーに、「君の友達」では切ないメロディーと台詞で聴かせるBerryz工房。この引き出しの多さも、魅力のひとつ。おヘソがチラチラとする熊井ちゃんの腰つきに目が奪われたり、千奈美のフニャッとした笑顔に全ての邪気が取り払われたり、客席の私も大忙しです(?)
「世界で一番大切な人」は、とにかく可愛いの一言。千奈美のハイパー可愛い歌声が炸裂するし、キス顔や変顔などくるくる変わるメンバーの表情、おどけてみせたり、よろけてみせたり…もうなんでこんなに可愛いんだろう!!!あまりの多幸感に、脳みそがとろけそうになります…。
会場が大きく揺れた「ジンギスカン」のあとは、ハロプロ研修生によるチャレンジアクトの時間。「シャイニングパワー」で熊井ちゃんのパートを任された船木結ちゃんは小学六年生。小さな身体と大きな動き、とびきりの表情で存在感抜群でした。安定の歌声の段原瑠々ちゃん、手脚の美しさが目を引いた野村みな実ちゃん、田口夏実ちゃん、カメラへとしっかりアピールする藤井梨央ちゃん、ピタッと揃った振り付けに研修生のレベルの高さを改めて感じました。「素肌ピチピチ」では、2番からBerryz工房も合流。こっそりと後ろから現れる熊井ちゃんの、シーッと立てた人差し指がきゃわいい!みんながベリーズ先輩に萎縮(?)するなか、果敢に立ち向かっていくのは小さな船木ちゃん。ベリーズ先輩に睨まれ恐怖におののく姿も可愛すぎる!幸せすぎて視界がぼやけるって、一体どういうことだ!フレッシュな研修生のあとは、「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!? 」「I'm so cool! 」で、芸歴12年の「アイドル」がこれでもか、とはじける。「なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?」「愛の弾丸」とカッコいい曲が続いたと思えば、「cha cha SING」では愛を叫びながら平和を願う"踊る阿呆"になる。可愛くて、かっこよくて、楽しい。これがBerryz工房なんです!
ラストスパートは「ライバル」でGo Go Fight!またまた見所が多すぎて、毎回目が追い付かないこの曲。今回は、熊井ちゃんとももちのイチャつきがすごかった!台詞を言っている熊井ちゃんを、ももちが嬉しそうに見上げたり、ステージ上でぐるぐる、キャッキャッ、ウフフ…身長差カップルなピーチベアーズ、最高です!そして本編最後の曲は、ラストシングル「永久の歌」。こんなの、泣かずにはいられないですよ。反則です。「どうもありがとう」挨拶するキャプテンの声が震えていて、健気な姿に抱きしめたくなります…!
メンバーカラーの光が代わる代わるスポットライトから注がれ、鳴り止まない「ベリーズいくべ!」のアンコールの中、「ハピネス〜幸福歓迎!〜」のイントロとともに現れるBerryz工房。寒色系のお花をあしらった白いワンピース、頭に飾った花輪が無垢な少女のようでした。 「ここはベリーズ工房としての思い出の場所で10年経ってこんなにたくさんの方に来ていただいて、サンプラザでできることが幸せだなあと感じました」と語る千奈美や「いつも以上に楽しい、ほんとにほんとに楽しい。」とウルウルしてしまう梨沙子。「ステージから見るこの景色が本当に大好きなんですよ、季節は冬じゃないですか、イルミネーションや綺麗な景色がたくさんあるんですけど、どこよりも綺麗だな、いつまでもずっと見ていたいな」と語る熊井ちゃんはどこか誇らしげ。(全くくまくまトークじゃない!)「みなさん、私のことを『まあさ』って呼んでねって自己紹介してから10年、こんなにたくさんの方に『まあさ』って読んでいただけて幸せだなあ」と深呼吸するまあさ…。みんなみんなキラキラ輝いていました。
そして、本当に本当にラストの曲は、「ちょっとさみしいな」。「♪私 やっぱ幸せだ」というフレーズを幸せそうに歌うメンバーに、暖かい気持ちでいっぱいになったのは言うまでもありません。一文字一文字噛みしめるように、丁寧に愛を込めて歌うその姿は、まさに「プロフェッショナル」でした。Berryz工房に出会えて、私やっぱ幸せだ!!!
コラム記事:塚本舞