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昨年のデビュー以降、新人らしからぬパフォーマンスと大人っぽい楽曲で注目を集めるJuice=Juiceが7月30日にメジャー4枚目、通算7枚目となるシングル『ブラックバタフライ/風に吹かれて』をリリース。今回は特に『ブラックバタフライ』について、ご紹介したいと思います
メジャー1作目はブラスラインが印象的な最新型ディスコサウンド、2作目でハウス感強めなダンスナンバー、3作目では情熱的なラテンEDM、と新曲を出す度に進化を続けてきたJuice=Juice。なんと今回は、タンゴ調の楽曲に挑戦です!
タイトルの『ブラックバタフライ』とは、デビューから一年が経ち、さなぎだった少女たちが美しい蝶へと成長したことが表わされているということで、つんく♂さんからメンバーへの愛を感じます。
蝶と言えば、華麗な色彩で花から花へと鮮やかに飛び回るイメージですが、今回は黒蝶。ぐっとテンポを落とし、挑発的な眼差しで大胆な歌詞を歌い上げる姿は、デビューしたのがたった一年前とは思えないほどに大人。だけどもちろん、十代の彼女たちは完璧な大人ではなくて。それでも一生懸命に、幼さを隠しながら「もう大人だよ」と背伸びをする姿が最高にいじらしい!瞬き続ける少女たちの「いま」しか出来ない表現が、年齢以上に大人っぽい楽曲を歌うことでグッと引き立つのです。ああ、愛おしい。
五年後、十年後、本当に大人になったJuice=Juiceでも歌って欲しいなと思いつつ、今の、現在の彼女たちの「ブラックバタフライ」をこうして見ることができたという現実に感謝!
印象的なイントロから始まり、思わず口ずさみたくなるメロディであるサビ頭は、力強いファルセットが重なるユニゾンが迫力たっぷり。凛としていながら、実にセクシーです。そしてサビラストでは「大空までタンゴ」と、つんく♂さんらしいフレーバーも欠かさず。この三日三晩考えても答えの出ない魅惑的なフレーズ、℃-ute『あったかい腕で包んで』悲しき雨降り/アダムとイブのジレンマ(2013)の“ボサノバで愛して”に並ぶほど難解です。このフックに、初めて聴いた人は「うん?」と驚き、そして怒りにも似た違和感を覚え、気付けば頭から離れなくなる。これこそが、ハロプロ楽曲の持つ恐ろしい魅力の一つなのです!
そんなブラックバタフライに扮したメンバーたちが、無機質な空間の中、ビビッドなピンクやクールなブルーの花々を前に歌い踊るMVは超クール。衣装は、スパンコールが施されたシースルーのトップスにティアードミニ、ラインストーンのついたロンググローブ、赤い蝶がアクセントの編上げブーティにシルバーアクセサリーと、全身黒ながらも華やか。リップシーンでは、ひとりひとりの透明感のあるメイクもしっかり確認できます。
今回特に可愛く感じたのは、ゆかにゃこと宮崎由加ちゃん。ゆかにゃの困ったような切ない表情は、見るものの胸をきゅうっと締め付けますね。可憐で健気で、最年長なのに一番ピュア、な印象のゆかにゃですが、楽曲の世界観にナチュラルに溶け込んでる姿は、やっぱり一番大人…かも。さらには、こういう曲調になると「kntm無双」といった感じの、かなともこと金澤朋子ちゃん。声質はもちろんのこと、「表情のタメ」や「雰囲気の残し方」が他のメンバーより数段アダルト。大人になりたくて背伸びしてる女の子、というよりも、すでに大人なソレ!落ちサビ後のこの二人の「苦い蜜なら刺激的」(3:24)で顔を見合わせるシーンは、MV最大の見所と言っていいほど素晴らしいです。見てはいけない!と目を覆いたくなるような、でも指の隙間からじっくり見たくなるような、そんな妖しさ漂うセクシーなシーン。くうううう、お姉さんチームくうううう。
ゾクッとするほどの美しさを魅せる、あーりーこと植村あかりちゃんは、いるだけで全体の絵がぐっと締まる存在感を発揮。抜群の安定感を持つ、さゆべぇこと高木紗友希ちゃんは可愛さと大人っぽさが絶妙のバランスで混在し、表情作りも完璧です。
そして私が一番心を打たれたのが、カリンこと宮本佳林ちゃん。髪を短くし、少しボーイッシュになった佳林ちゃんですが、天性のアイドル性はそんなことでは揺らぎません!ちょっと背伸びしたくて、だけど不器用。現代的な女の子の強い眼差し、ハッとするほど大人の顔だってできる。でもその表情は、もしかしたら強がりかも知れない…。「私は舞い踊る」(1:49)と歌う佳林ちゃんは、『ブラックバタフライ』の歌詞世界の女の子そのままの表情をしています。眉毛を上げて目を細める仕草も全て愛おしい…!
甘い蜜ではなく苦い蜜を求める黒い蝶、つんく♂さんが思い描くJuice=Juicを表した世界観、もちろん更に向上した歌&ダンスパフォーマンスも堪能できる『ブラックバタフライ』MV必見です。
両A面となるシングル二曲目となる『風に吹かれて』では、開放感のあるロケーション撮影とパステルカラーの女の子らしい衣装が印象的。ケルト調のアレンジがドラマチックな、複雑乙女心ソングとなっています。バグパイプの音管のように乙女は色々な顔を持つ…ということなのでしょうか…?
台詞無しのドラマ仕立てとなっているMVでは、メンバーそれぞれの表情に注目。『ブラックバタフライ』とはうってかわって、日常っぽい設定に逆にドキドキ。(こんな可愛い子達が公園にいたら、パニックです!)そして颯爽と走る植村あかりちゃんの、キラキラと輝くキューティクル!早く、あーりーにシャンプーのCMを…!それぞれがメンバーカラーと違う衣装を着ていることも、より新鮮に感じられる理由の一つ。全く違うテイストの衣装やMVを楽しめるのも、両A面ならでは!ですね。
デビューから一年が経ち、大人になった五人の切ない表情がぴったりの『ブラックバタフライ/風に吹かれて』。美しい蝶のように、大空を華麗に羽ばたいていくJuice=Juiceから、この夏も目が離せません!
コラム記事:塚本舞