最新の記事一覧
-
- 2017.4.12更新
- ℃-ute『To Tomorrow/ファイナルスコール/The Curtain Rises』
-
- 2016.11.25更新
- こぶしファクトリー『辛夷其ノ壱』【楽天ブックス限定先着特典あり】
-
- 2016.10.14更新
- 演劇女子部『モード』観劇レポート

昨年2015年に8人のハロプロ研修生によって結成され、年末には日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞、さらに今年2月に発売した2ndシングルはオリコンのウィークリーチャート1位を獲得し、その勢いのままこの夏は対バン形式のイベントでも猛威を振るっている、こぶしファクトリーがメジャー3枚目のシングルをリリースします。
今回も全方位にコミカル、しかしなぜかカッコイイというこぶしファクトリーならではの3曲が揃っています。
開催が一ヶ月後に迫るリオ五輪の応援ソングである「サンバ!こぶしジャネイロ」は、2015年の活動開始から一気に現在のハロプロ楽曲の中核を担う作家となった星部ショウさんの詞曲。
リオ五輪で活躍する選手へのエールを歌う1番から、4年後に自国で開催される東京オリンピックを経由すると、いつの間にか自分の人生を鼓舞する2番へと続く構成になっている歌詞は、非常にハロー!プロジェクト的な魅力に溢れています。
恋愛をテーマにしても、オリンピックをテーマにしても、常に自分の人生に置き換えることができる。これはハロプロが一貫して伝え続けてきたメッセージであり、20年近く多くの人に愛されている一番の理由ではないかと思っています。

この楽曲のコンセプチュアルなサンバアレンジは「hasiejaneiro」さんという見慣れない名前ですが…もしかして初めて登場した新しいクリエイター…!?
実はこちらは、現ハロプロの音楽制作部門のチーフディレクターである橋本慎さんの変名。橋本さんはつんく♂さんプロデュース時代のハロプロ初期から、「プレイング・マネージャー」ならぬ「プレイング・ディレクター」として自ら編曲を手がけられたたことがあります(松浦亜弥「絶対解ける問題X=(ハート)」等)。いざとなればアレンジや演奏も自分でできてしまうような、完全なる音楽畑のスタッフが制作しているのも、つんく♂さんによる創設からずっとハロプロがブレずに音楽に軸足を据えたアイドル集団であり続ける理由ではないでしょうか。
ブラジルカラーでリオのサンバを表現したメンバーのド派手な衣装と、本物のサンバダンサーや打楽器奏者のパレードも登場するMVも楽しいので必見です。

3曲の中で最初に発表され、対外的な対バンイベントなど、ライブで既に披露されているのが「バッチ来い青春!」。こぶしファクトリーといえばこれまで「相撲取り」「ラーメン」「応援団」など様々な暑苦しいモチーフの楽曲を歌ってきましたが、今度は高校野球。今ハロプロで最も「青春感」のあるこぶしファクトリーにとって本流となりつつある、こぶしを回しまくる熱血ファンクナンバーです。
作詞はイイジマケンさん、作曲はイイジマさんと炭竃智弘さんの共作。イイジマさんはハロプロにおいてはJuice=Juiceのアンセム「Wonderful World」の作者として知られています。今回の炭竃智弘さんや、浜田ピエール裕介さんらとの共作曲・共編曲も多く、幅広い楽曲制作をされている方です。
すぐに高校野球の応援歌として甲子園で流れそうなくらいキャッチーなメロディも素晴らしいですが、こぶしファクトリーの力強い歌声が「誰かのものじゃないんだ 賞味期限もないんだ」という青春像に説得力を与え、はやくもライブで盛り上がる一曲となっています。
いち早く公開されているMVでは、某市営球場で炎天下の下歌い踊るメンバーの姿が観られます。2パターンのユニフォーム風衣装(ホーム&アウェー?)もいいですが、過去の衣装だったチアと学ランも登場。こぶしファクトリーの外ロケMVにハズレなしです。

そして最後の一曲、アニメ「クレヨンしんちゃん」の主題歌のカバーである「オラはにんきもの」は、テレビ朝日の音楽番組「musicるTV」の企画である「愛踊祭」の課題曲。全国のアイドルが国民的アニメソングをカバーするコンテストであるこの「愛踊際」ですが、こぶしファクトリーはその公式サポーターとしてこの課題曲のモデルを担当するのです。つまり、全国のアイドルたちのお手本になるということですね。昨年は同じハロー!プロジェクトのアンジュルムが「魔法使いサリー」で同じように公式サポーターを務め、高レベルすぎて参考にならないお手本でMCの前山田健一さん、綾小路翔さん(氣志團)の度肝を抜いていましたが、こぶしファクトリーも同じように相当なレベルのパフォーマンスを仕込んできているはずです。
「クレヨンしんちゃん」の「オラはにんきもの」と言えば老若男女問わず馴染みある国民的アニメソングですが、こぶしファクトリーバージョンでは軽快なスカナンバーとしてリメイクされています。過去、ハロー!プロジェクトには「ここにいるぜぇ!」「まじですかスカ!」など、スカを取り入れた楽曲はいくつもありますが、それらが大体スカパンク系以降のミクスチャーされたスカアレンジだったのに対し、この「オラはにんきもの」は東京スカパラダイスオーケストラに代表されるネオ・スカ系のより様式的なスカアレンジになっています。
コンサートでも確実に盛り上がるし、ロック系のDJイベントでも多くのDJたちに好まれそうなダンスナンバーで、カバー曲といえどこぶしファクトリーの定番曲になりそうな予感がする一曲です。
余談になりますが、今回のこぶしファクトリーによるこの曲のカバーに対して、ハロプロ随一のクレヨンしんちゃん好きを自称するアンジュルムの室田瑞希さんがかなりおむずかりのご様子。「ハロー!プロジェクトのコンサートでは乱入する」「来年のバースデイ・イベントで歌う」などと発言していますが、果たしてどうなるのでしょうか…。こちらも密かに楽しみにしていようと思います。
コラム記事:劔樹人