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「みや、あいり、久しぶり〜!!」
「元気だったか〜!」
単独ライブは実に4年ぶり。
嗣永桃子、夏焼雅、鈴木愛理という、HELLO! PROJECTの中でも歌唱力や存在感において屈指の実力者3人によるロック・アイドルユニット「Buono!」が、2016年8月24日、日本武道館で<Buono! Festa 2016>を開催しました。
2015年末のカウントダウンライブにて開催が発表され、チケットは即完売。
会場は、ハロプロで最も女性客の割合が多いとされる℃-uteよりもさらに多いんじゃないかと思われる若い女性を含めた1万人のオーディエンスの熱気で、独特な雰囲気を醸し出していました。例えるなら、滅多に見られない海外アーティストの来日公演のような。
グッズ購入のための列は朝から炎天下の中とてつもない長さとなり、武道館正面の<Buono! Festa 2016>看板を撮影する人たちも延々と続いている状態でした。
みんな、あのBuono!が帰ってくるのを待ちに待っていたんです。
そもそもBuono!とは…。
遡ること10年近く前になる2007年、Berryz工房の嗣永桃子(当時15歳)、夏焼雅(当時14歳)、そして℃-uteの鈴木愛理(当時なんと13歳!)の3人で結成。大人気アニメ『しゅごキャラ!』のエンディングテーマを歌い、一気に人気ユニットの道を駆け上りました。
当時のハロプロにおいては珍しかったつんく♂さん以外の外部作家の楽曲や、バックバンドによる生演奏を取り入れた、Berryz工房や℃-uteとは一線を画すロックなコンセプトが、当時のハロプロファン以外の人たちにも支持を広げ、アニメ主題歌のための期間限定ユニットに留まることなく活動を継続。
2012年にはパリでの単独公演で海外のオーディエンスを熱狂させたり、日本武道館で行われたAKB48指原莉乃さんのイベント<第一回ゆび祭り>では、他事務所のアイドルのファンたちも圧倒するパフォーマンスを繰り広げるなど、アイドル界最強ユニットとしての呼び声も高くありながら、2013年以降は、ハロー!プロジェクト関連のステージで時折ゲスト出演する程度の活動に止まってきました。
この4年の間に、22歳となった鈴木愛理さんは℃-uteのメンバーとして押しも押されぬトップアイドルに。Berryz工房が活動停止後、嗣永桃子さんは新ユニット・カントリー・ガールズのプレイングマネージャーとしてTVバラエティでも活躍するその手腕を発揮し、そして夏焼雅さんは自らが率いる新ユニットの構築を進めていました。
もはや完全に別々の道を歩んでいる3人が、ついにリユニオン!
Buono!としては初となる武道館のステージに並び立ったわけです!

予定より5分遅れの18時5分、ステージ上を覆い隠した白い幕にBuono!3人とバックバンド「ドルチェ」メンバーのシルエットが映し出されると、会場のテンションは一気に限界を突破。
「武道館行くよー!!」という嗣永桃子さんの叫びとともに登場したBuono!は新曲「ロックの聖地」をはじめとしたアメリカンロックテイストな3曲を畳み掛けるように披露し、<Buono! Festa 2016>は幕を開けました。
会場が再び暗転すると、モニターにはドキュメンタリー風のVTRが流れます。 Berryz工房活動休止後から徹底的にオーディションを繰り返し、今年4月に二瓶有加、小林ひかるの2人と共に始動した夏焼雅新グループの登場です。

ファンクラブイベントを除いてはこの日が初お披露目。「PINK CRES.」というグループ名も発表され、「Warning〜未来警報〜」「ウワノソラ」「Summer Wonderland」の3曲を披露。
ステージ後方には女性DJのDJ JURIがターンテーブルを奮い、future bass等のクラブミュージックをベースにした楽曲と3人のフレッシュかつオトナなパフォーマンスで、ライブハウス武道館をクラブの雰囲気に塗り替えました。
夏焼さんは「(二瓶)有加は今は緊張してるけど、とっても面白い。(小林)ひかるはボーッとしてて、Buono!でいうと愛理」と、新メンバー2人を紹介。音楽用語「クレシェンド」の「だんだん大きく」という意味がグループ名に込められた今後のPINK CRES.3人の飛躍をしっかり追って、もっと彼女たちのことを知っていきたいものです。


続いてのゲストとして、嗣永桃子率いるカントリー・ガールズと、鈴木愛理擁する℃-uteが登場。
新メンバーは初武道館ということでやや緊張気味のカントリー・ガールズは、梁川奈々美さんがお約束の見た目と年齢に全くそぐわない硬いスピーチでBuono!復活を祝福。
解散発表後、自身も9月5日に武道館公演を迎える℃-uteは、もはやホームのような武道館で安定感のあるパフォーマンスで盛り上げ、最後は2組そろってBuono!の楽曲『ホントのじぶん』をカバー。本日の主役にバトンを繋げます。
さて、ゲストコーナーが終わり、ここからがいよいよ本編です。
重低音が武道館を包み、バックバンド「ドルチェ」が登場すると、ステージセットからは炎が吹き上がります。再びBuono!3人の登場ですよ!

のっけから激しいロックナンバー「Independent Girl〜独立女子であるために」が演奏される中、炎の演出も相まって会場の温度は3度くらい上昇したんじゃないでしょうか。
キーボードでバンドのリーダーであるeji率いる名うての女性メンバーによるドルチェの演奏も、4年分溜まった気持ちを叩きつけてくるのよう。そんな演奏に対してガッチリと主役を張る3人のボーカルには圧倒されました。この4年、それぞれスキルアップしてきた3人のキャラクターの違う、華やかで力強い3つの声のハーモニーと、実力が拮抗しているからこそ感じられるぶつかり合い。
「歌」の上に成立するこのスーパーヒーロー大集合感は、なかなか感じられるものではありません。

MCコーナーでは、「Happy Birthday」のピアノ伴奏の中、ケーキが登場します。
8月25日は、夏焼雅さんの24歳の誕生日。「PINK CRES.ではリーダーになったので、私が仕切ったり頑張らないといけないので、皆さん見守っていてください!」と抱負を語りました。
MC後のパートでは9月21日にDVDシングルとして発売される新曲『ソラシド〜ねえねえ〜』(これが3人の伸びやかな歌声を存分に享受できる名曲!)やビートパンクナンバー『ガチンコでいこう!』、軽快なスカナンバー『マイラブ』など、バラエティ豊かな楽曲が披露され、『Kiss! Kiss! Kiss!』ではステージ上目一杯に広がった3人と会場中が「キスミーベイビ〜」とシンガロングでひとつに。最後はステージ上に置かれたベッドに3人が寝てしまい、「眠いからみんな歌って」とオーディエンスだけで合唱という演出で楽しませてくれます。
次に真っ白いドレスに着替えた3人は、ストリングスを加えたアコースティックバージョンで『うらはら』や『君がいれば』を熱唱。センターステージで歌い上げる3人の歌声に、会場は先ほどまでとは別の場所にいるかのような厳かな雰囲気に包まれます。
『初恋サイダー』『恋愛?ライダー』『MY BOY』などの代表曲をまだまだ行くかというくらいハイテンションに盛り上げ、アンコールラストはなんと弦楽器14人のフルストリングスを従えての壮大な『タビダチの歌』でした。
ステージ上には総勢22人。3人の歌声は、それでもしっかり主役を張り、これはさすがに圧巻の一言でした。

開演からたっぷり3時間。嗣永さんはアンコールのMCで、「4年スパンの活動っていうと、大統領選とか、オリンピックとか、ワールドカップくらい」と語っていましたが、Buono!の魅力をいろんな面から見せてくれた演出と、それらを全て100%表現できるように成長した3人の実力に、4年待った意味があった気がした3時間でした。
夏焼さんは「来年もやれたらいいね!」と締めくくった。Berryz工房に続き℃-uteも観られなくなる2017年、ひとつの時代の区切りを感じずにはいられませんが、それでも変わらぬものとして、Buono!の歌声がそこにあってくれたらいいなと思います。
コラム記事:劔樹人