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この夏、続々と発表されたハロー!プロジェクト各ユニットの秋のCDシングルリリース情報。
その中でトップを切って9月28日(水)にリリースされるのがカントリー・ガールズの『どーだっていいの/涙のリクエスト』です。
これまでにオールディーズ、モータウン、カントリー、80sなど、幅広い年代のポップミュージックをベースにした楽曲をリリースしてきたカントリー・ガールズが、前作『ブギウギLOVE』でチャレンジしたロカビリー路線ををさらに突き進めたのが『どーだっていいの』です。
作詞作曲は中島卓偉さん。
「カントリー・ガールズ」と「中島卓偉」という組み合わせは、正直意外でした。
卓偉さんの近年のハロー!プロジェクトへの楽曲提供を振り返ると、2015年、アンジュルム『大器晩成』でその世界観がバッチリはまり、アンジュルムのブレイクの大きなきっかけとなったことが思い出されます。
同じくアンジュルム『友よ』、℃-ute『次の角を曲がれ』など、メロディアスながらも男気あるロックな楽曲ならこの人、というイメージのある卓偉さんですが、Juice=Juiceの『愛・愛・傘』のような耽美でガーリーな楽曲もさらっと作ってしまったりするわけで、カントリー・ガールズと中島卓偉という組み合わせを初めて噂に聞いた時は、そういうカワイイ方へ行くのかなと思っていました。
が、その予想は全くの見当違いでした。
『どーだっていいの』は、いわゆるカワイイ楽曲とは真逆、もう言ってしまえばプレスリーの『監獄ロック』を思わせるドラム・ウッドベース・ギターのシンプルなアンサンブルの、ど真ん中なロカビリー/3コードロックンロールナンバーだったのです。
ミュージックビデオの冒頭、船木結さんが奏でるエレキギターはロカビリーといえばこれ!というグレッチのホワイトファルコン。ウッドベースはバチバチとダイナミックなスラップ奏法を聴かせ、「どーだっていいの」を連呼する歌詞もとってもロックンロールマナーに則ってます。
そんな感じなので、なんならちょっとやさぐれた印象を受けた人も多いのではないかと。
そういえば卓偉さん、2013年のカウントダウンライブに出演した時は、監獄ロックをカバーしてました。
あの時は、なんでアイドルを観に来ていたはずがこんなことになったんだろうと度肝を抜かれましたが、ここへ繋がってしまったのですね。
しかし、このやさぐれた感じが、今までのカントリー・ガールズが築き上げてきたものからかけ離れているかといえば、決してそんな気はしません。
ロックンロールのシンプルさも、「どーだっていいの」という女子っぽいフレーズも、どこかカワイイ。どのグループにこの曲を歌わせるか、と言われたら、やっぱりカントリーのような気がします。
もちろん、MVや衣装はとにかくカワイイ。
バップやジャイブ、ツイストを取り入れたダンスも完全にカワイくなってしまっています。
ハロプロには、強く困難に立ち向かう自立した女性像がよく似合います。それはつんく♂さんのメッセージに多く見られて、ある意味、世の中で言う所の「男気」のようなものに近いと筆者は思っています。
中島卓偉さんというアーティストはその要素が極めて高い人で、対して確かに、初期のカントリー・ガールズにその要素は薄かったと思います。
それが、「どーだっていいの」という、やさぐれながらもどこかキッチュなフレーズによって、カントリー・ガールズにも馴染んでいるのかな、なんて思ったり。
もう一曲はチェッカーズのカバー『涙のリクエスト』です。
いつもこの曲の紹介をするとき、メンバーは「誰でも知ってるあの昭和の名曲」みたいな表現をしていましたが、先日ニコニコ動画で放送された新曲リリース記念イベントのときはみんなしっかり「チェッカーズさんの名曲」と言っていました。
山木梨沙さんが「ミーハーなうちのお母さんが喜んだ」というくらい、とにかく誰でも聞いたことのある1984年の大ヒット曲ですが、カントリー・ガールズの若いメンバーにとっては遠い昔の曲ですよね。
歌唱は全編において6人のうち嗣永桃子さん、山木梨沙さん、森戸知沙希さんの年長組3人がメインボーカルを取り(つまりフミヤさんパート)、小関舞さん、梁川奈々美さん、船木結さんの中学生トリオがコーラス(つまり高杢さん、鶴久さんパート)を担当するスタイルなのですが、特筆すべきは間奏で梁川さんがアルトサックスを吹くところ(尚之さんパート)!
つまり、楽曲に沿う形で、チェッカーズの編成的なところもちゃっかりオマージュされているんです。
過去の名曲をカバーする時、こういう密かな遊び心があるととっても楽しいですね。
また、このMVもすごくカワイイんです。
衣装はチェックのスカートに、チアガール風のアメリカンなジャンパー。
いつもカントリー・ガールズは小柄なメンバーに似合った衣装で最高です。
デビュー当時、渋谷の駅前にはカントリー・ガールズの大きな看板が出されて、そのキャッチが「かわいいだけでなんとかなる、か?」だったことを思い出します。
デビューから様々な経験を経たグループの空気感はもう、カワイイだけじゃないですが、それでもやっぱりとにかくカワイイのがカントリー・ガールズ。
つべこべ言わず、カワイイからとにかく見とけ!と言わんばかりの暴力的なカワイさは、デビューから全く変わらずここにあり続けるのです。
コラム記事:劔樹人