『乃木坂46 アンダーライブ全国ツアー2016 〜永島聖羅卒業コンサート〜』レポート
乃木坂46アンダーメンバーによる全国ツアー『乃木坂46 アンダーライブ全国ツアー2016』が3月19、20日の2日間にわたり、愛知・名古屋国際会議場センチュリーホールからスタートしました。この2日間は『乃木坂46 アンダーライブ全国ツアー2016 〜永島聖羅卒業コンサート〜』と銘打って、同公演をもってグループを卒業する1期生メンバー・永島聖羅の卒業ライブとして実施。今回のコラムでは計3公演行われたこのライブの模様をお届けします。

3月19日(土)公演
今回のアンダーライブは永島に加え、14thシングル『ハルジオンが咲く頃』アンダーメンバーのうち、舞台『【最終章】學蘭歌劇「帝一の國」−血戦のラストダンス−』の稽古および出演のためリハーサルから参加できなかった樋口日奈を除く18名の、合計19名にて敢行。念願のアンダーライブ全国ツアーの初日が永島の卒業ライブ、しかも永島の故郷・愛知で開催とあって、チケットは早くからプレミア化。各公演に3000人、3公演で計9000人のファンが会場に集まり、永島のラストステージを見守りました。
初日の影アナは北野日奈子と能條愛未が担当。北野は「らりんさん、卒業させないぞ!」と叫び、開演前から場内を熱くさせます。そして暗転と同時に、スクリーンには「2016年 3/19、3/20 彼女の姿を目に焼き付けろ!」の文字が。そのまま場内にオープニングSE「OVERTURE」が流れ出すと、今度はスクリーンにさまざまな永島の映像が映し出されます。ライブやMV撮影のオフショット、MVの名場面などを目にした会場のファンは、ここで一気にボルテージが上昇。そしてステージ中央に永島が1人現れ、そのまま「君の名は希望」からライブはスタートしました。曲の開始と同時に、ステージ後方からはメンバーが徐々に登場し、そのまま永島を囲むように歌います。客席はこの時点ですでに、永島カラーの黄色いサイリウムで埋め尽くされた状態。早くも感極まり気味の永島は涙をこらえるように、笑顔でいようと努めます。しっとりしたオープニングから一転、2曲目の「制服のマネキン」からは会場の盛り上がりも一気に加速。そのまま「嫉妬の権利」まで6曲連続で披露しました。また曲によっては1階中通路にメンバーが乗ったトロッコが走ったり、2階&3階までメンバーが駆けつけたりと、サービス精神たっぷりのライブとなりました。

最初のMCで永島は「今日は『OVERTURE』のときから、いつになく緊張してました。しかも1曲目『君の名は希望』で早くも涙が(笑)」と、現在の心境を吐露。続いて他のメンバーが永島との思い出を明かしていきます。メンバーの微笑ましいトークに続いては、「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」でライブを再開させました。永島にとっては、昨年末のアンダーライブ武道館公演でソロ歌唱した思い出深いこの曲。永島は今回もセンターに立って、感情をたっぷり込めてこの曲を熱唱しました。そしてライブの合間には、MCの内容、進行について一切聞かされていない永島に対して「卒業するまでに永島にしてほしい7つのこと」と題したコーナー企画を実施。滑舌の悪さを克服しようと早口言葉に挑戦しますが、失敗してしまった永島は罰ゲームとしてセンブリ茶を飲むことに。さらにレポート力を試すことになると、永島を単身客席へと送り込み、ファンとコミュニケーションを図りました。
ライブ中盤では3チームに分かれたメンバーがユニット曲メドレーを披露。ここでは特に、永島を含む2組目(川村真洋、斉藤優里、中田花奈、永島)が存在感の強い歌声を響かせ、観客を魅了しました。再びステージにメンバー全員揃うと、優里の煽りに導かれるように「13日の金曜日」で会場の盛り上がりは最高潮を迎えます。さらにライブ後半では北野&永島が「からあげ姉妹」ならぬ「スマイル姉妹」として「無表情」をパフォーマンス。ラストナンバー直前には永島へのサプライズとして、永島に向けて優里が自身の思いをつづった手紙を読み上げました。優里は「らりんと一緒の選抜曲がなかったのが心残り」「出会えて本当に良かったです。友達になれて本当に良かったです」と涙ながらに手紙を朗読すると、永島も涙を浮かべながら聞き入ります。そして「いやぁ……くるものがありますね……くっそぉ、泣いちゃったわ。この調子でいくと、明日キビぃなぁ(笑)」と、早くも胸いっぱいであることを伝えました。そのまま本編ラストナンバー「悲しみの忘れ方」を、観客と一緒に合唱。黄色一色に染まった客席を前に、永島や他のメンバーは涙を流しながら最後まで歌い切りました。

アンコールを待つ間、客席からは「永島!」「聖羅!」コールが自然発生。そこから「気づいたら片想い」でアンコールがスタートすると、なんとステージには舞台期間中の樋口の姿が。翌日に舞台出演を控えた樋口は「アンコールだけでも」と名古屋まで駆けつけ、永島との最後のステージを涙ながらに堪能しました。MCで彼女は「出る前から2回ぐらい号泣しちゃって。らりんとは今日が最後(のステージ)なんですけど、こうやって一緒の時間が過ごせて嬉しかったです」と、泣きながら思いを伝えました。
そしてアンコール最後の曲に入る前に、永島は「皆さんは今、どんな気持ちなんだろうなって。私も握手会が終わって、『沈金』(永島がレギュラー出演していたラジオ番組『沈黙の金曜日』)が終わってもなお、実感のない自分がいて」と観客に話し始めました。そのまま彼女は「私は乃木坂46に入れて本当に幸せでした。皆さんに出会えて本当に幸せでした。今日という1日は本当に忘れません」と涙まじりに語り、「今、話したい誰かがいる」で約2時間20分におよぶアンダーライブ全国ツアー初日公演を終えました。

<セットリスト>
SE. OVERTURE
01. 君の名は希望
02. 制服のマネキン
03. 狼に口笛を
04. ロマンスのスタート
05. ダンケシェーン
06. 嫉妬の権利
--MC--
07. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
08. サイコキネシスの可能性
09. 心の薬
10. 音の出ないギター
11. 自由の彼方
12. ガールズルール
--MC--
13. メドレー
やさしさとは(かりん、ちはる、相楽、新内、中元、能條、山崎)
でこぴん(同上)
魚たちのLOVE SONG(川村、優里、中田、永島)
隙間(同上)
他の星から(純奈、川後、北野、佐々木、鈴木、寺田、和田、渡辺)
あらかじめ語られるロマンス(同上)
14. 左胸の勇気
15. 13日の金曜日
--MC--
16. 僕がいる場所
17. 扇風機
18. 君は僕と会わない方がよかったのかな
19. 無表情(北野、永島)
20. ここにいる理由
21. ハウス!
22. 走れ!Bicycle
--MC--
23. 悲しみの忘れ方
--アンコール--
24. 気づいたら片想い
25. 転がった鐘を鳴らせ!
26. 太陽ノック
--MC--
27. 今、話したい誰かがいる
3月20日(日)昼公演
一夜明けた3月20日、いよいよこの日をもって永島は乃木坂46を卒業します。ツアー2日目は12時からと17時からの1日2公演を実施。優里、寺田蘭世の影アナに続いて、この回も「君の名は希望」からライブはスタートしました。しかし、2曲目に前日披露されていない「命は美しい」、3曲目に「ここにいる理由」とセットリストは初日とは異なる様子。その後も「人はなぜ走るのか?」「初恋の人を今でも」「会いたかったかもしれない」など、前日に歌われなかった楽曲が次々に披露されていきました。また、初日公演はダンスや立ち位置のミスや振りが揃っていないなどの課題もありましたが、この公演ではそういったポイントも改善され、前日以上に気迫に満ちたパフォーマンスを見せつけました。
最初のMCで、永島は「正直なところ、円陣で一度泣き、『君の名は希望』でも涙をこらえてました(笑)」と告白。また佐々木琴子に話を振ると、「昨日は左目だけ泣いてました。なのでこの公演では右目だけ泣きたいと思います」と彼女らしい回答に会場は笑いに包まれました。さらに永島との思い出を求められた能條は、「『狼に口笛を』のMV撮影のとき、最後のダンスをらりんができなくなって。最後はボロボロに泣きながら踊ってた」と撮影秘話を明かすと、すかさず和田まあやが「でも、あんなに頑張ったのにオールカットになって(笑)」と衝撃の事実を伝えて、会場を驚かせました。
そしてこの公演でも「卒業するまでに永島にしてほしい7つのこと」を続行。リアクションの練習や「乃木坂すべらない話」といったお題で、永島の瞬発力を鍛えていきました。特に「乃木坂すべらない話」では永島が、中元日芽香とのグアムでの出来事をモノマネ入りで披露して、審査員役の鈴木絢音、佐々木、中元を見事笑わせることに成功しました。

昼公演では、ライブ中盤にサプライズ企画を用意。川後陽菜の「今日はあのバンドが来てくれたんです!」を合図に、乃木坂46内バンド「乃木團」のメンバーがステージに登場しました。このために東京から齋藤飛鳥、深川麻衣も駆けつけ、学ラン風衣装を身にまとったメンバー7人(川村、飛鳥、中田、中元、永島、能條、深川)は飛鳥の刻むビートに乗せて、まずは氣志團のカバー「One Night Carnival」を演奏。中元は「ラスト乃木團、盛り上がっていくぜ!」と観客を煽ると、能條とともに力強い歌声を響かせました。1曲終えると、深川が「皆さん、盛り上がってますか?」と挨拶。昨年春の台湾ライブ以来、約1年ぶりに集まった乃木團のメンバーは、アンダーライブのリハーサルや各自の仕事を終えた後に集まって練習を重ねたとのこと。飛鳥は「乃木團の良さは、このガチ感」と自信満々に語るのですが、中田が「乃木團のみんな、本当に大好きで……」などと話していると、突如飛鳥が「乃木團、解散したくないよ……」と号泣する一幕もありました。そして現メンバーでのラストナンバーとして、日本では初お披露目となる「狼に口笛を」乃木團バージョンをプレイ。この最高のプレゼントに、観客は最高の声援で応えました。最後は7人が横一列に並び、マイクを通さずに「ありがとうございました!」と挨拶。こうして乃木團は見事にラストステージを完遂しました。


「僕がいる場所」からライブ後半戦に突入すると、「遠回りの愛情」を中田、永島、能條の「94年組」で歌唱。しっとりとした曲調に合わせて、3人は切ない歌声を聞かせてくれました。そして本編終了前には、川村が永島に向けて書いた手紙を朗読。アンダーライブ武道館公演の前夜、優里の家に集まった際に卒業を告げられたこと、上京してしばらくは2人でホテル暮らしだったことなど、2人の思い出が語られ、最後に「らりんは単なるメンバーじゃなくて、きょうだいのような存在です」という言葉で締めくくられました。前日に引き続き、またも号泣の永島は「昨日も言ったんだけど……マジで泣きたくないんだわ(笑)」と、あくまで笑顔で卒業したいことをアピール。しかし本編ラストナンバー「悲しみの忘れ方」では他のメンバーとともに涙を見せます。さらにこの涙は客席にも伝染し、歌の合間にすすり泣く音も至るところから聞こえてきました。

アンコールが「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」からスタートすると、客席は再び黄色一色に。最初こそ笑顔だった永島も、この光景を前にいつの間にか涙を流していました。そして「本当にこの公演がすっごく、すっごく楽しくて。私が卒業しても、絶対に大丈夫だと思いましたし、気持ち良く、不安もなく卒業できると思いました」とメンバーや観客に伝え、2公演目のラストナンバー「何度目の青空か?」を歌います。この曲では会場が青いサイリウムに染まることが多いのですが、今回は永島の卒業公演ということもあって客席は黄色一色に。最後は「今日1日が本当に楽しすぎて、ずっと続けばなって思っちゃいました」と名残惜しそうに述べて、約2時間40分にわたるライブを終えました。

<セットリスト>
SE. OVERTURE
01. 君の名は希望
02. 命は美しい
03. ここにいる理由
04. ロマンスのスタート
05. ハウス!
06. 嫉妬の権利
--MC--
07. 気づいたら片想い
08. 人はなぜ走るのか?
09. 初恋の人を今でも
10. 会いたかったかもしれない
11. 自由の彼方
12. ぐるぐるカーテン
--MC--
13. メドレー
やさしさとは(かりん、ちはる、相楽、新内、中元、能條、山崎)
でこぴん(同上)
魚たちのLOVE SONG(川村、優里、中田、永島)
隙間(同上)
他の星から(純奈、川後、北野、佐々木、鈴木、寺田、和田、渡辺)
あらかじめ語られるロマンス(同上)
--MC--
14. One Night Carnival(乃木團)
15. 狼に口笛を(乃木團)
--MC--
16. 僕がいる場所
17. 生まれたままで
18. 涙がまだ悲しみだった頃
19. 遠回りの愛情(中田、永島、能條)
20. ダンケシェーン
21. 走れ!Bicycle
--MC--
22. 悲しみの忘れ方
--アンコール--
23. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
24. 転がった鐘を鳴らせ!
25. シャキイズム
--MC--
26. 何度目の青空か?
3月20日(日)夜公演
昼公演が終わってから数時間後、いよいよ永島にとって最後の乃木坂46のライブが始まります。今回の影アナは永島と中元で行われ、中元は最後に「せいらりん、大好きだーっ!」と叫び、永島は「じゃあ『超絶カワイイ 仏の永さん』コール、やってもらっていいですか?」と観客にリクエスト。会場が「超絶カワイイ 仏の永さん」コールでひとつになると、「皆さん、最後まで盛り上がっていきましょう!」と挨拶して影アナを終えました。

オープニングの演出は過去2公演同様。しかしスクリーンのタイトル画面には「永島最終日」の文字が追加されていました。そして永島ひとりがステージに登場する演出までは一緒なのですが、最終回は「制服のマネキン」からスタート。ステージ両サイドからメンバーが続々現れると、全員が並んだところでダンスを開始。と同時に、会場のボルテージも一気に加速します。永島がセンターに立ち、その両サイドには北野、寺田という今後の乃木坂46を支えていくであろう若手メンバーが並びます。会場が黄色いサイリウムで染め上げられる中、メンバーは「命は美しい」を立て続けに披露。鬼気迫るダンスパフォーマンスからは、永島を最高のライブで送り出そうとするメンバーたちの強い意志が感じられました。さらに「狼に口笛を」「ロマンスのスタート」「ダンケシェーン」と元気なナンバーが連発されると、永島は時にシリアス、時に満面の笑みと表情をコロコロ変えていきます。また観客によるメンバーのコールや曲中の掛け合いも、過去2公演以上に力強く感じられました。
最初のMCで永島は「始まっちゃったね、マジで。今は不思議な気持ちなんですけど……」と現在の正直な気持ちを吐露。その後も「傾斜する」「失いたくないから」「世界で一番 孤独なLover」など、本公演で初登場の楽曲が続出します。中でも「失いたくないから」の間奏パートでは、歌唱メンバーと永島との思い出の写真がスクリーンに映し出され、会場は温かな空気に包まれました。さらにこの日は、3月23日発売の14thシングル『ハルジオンが咲く頃』から、アンダー曲「不等号」を初パフォーマンスすることに。「実はまだ私も(パフォーマンスを)観てなくて」という永島の曲紹介に続いて、切なさあふれるミディアムチューンを永島を除く18人で披露しました。カッコ良さと儚さが入り混じったこの曲が終わると、永島は「すごい! めっちゃ良かったよ! みんなカッコ良かった!」と大絶賛。そのまま曲の余韻に浸ると思いきや、突然北野が「ちょっと待った! 私、すごい怒ってるんですよ!」と永島に食ってかかります。依然永島の突然の卒業発表に対して怒っていると述べる北野に対し、永島は「ちなみにまだ卒業、許してくれないの?」と質問。すると北野は「許してませんよ!」と即答し、「卒業するまでに永島にしてほしい7つのこと」コーナーへと移っていきました。
同コーナーでは「後輩からの愛のプライベートダメ出し」「中田プロデュース妄想ドラマ」といった企画を展開。前者では2期生が先輩・永島に対し「卒業までに直してほしいところ」をガチで告白し、後者では永島が中田演出による妄想ドラマを独演しました。
「春のメロディー」「別れ際、もっと好きになる」などこの公演のみで聴くことができた楽曲が続いたライブ後半戦では、昨年末の『NHK紅白歌合戦』出場時の衣装を身にまとった永島が「ひとりよがり」を独唱。ミラーボールから放たれるまばゆい光が会場を照らす中、永島は最初こそ堂々と歌っていましたが、途中で涙をこらえきれずに歌につまる場面も。恋愛をテーマにした楽曲ではありますが、旅立ちを歌っている点が自身の現在と重なり、永島は歌詞をかみ締めながら、気持ちをたっぷり込めて最後まで歌いきりました。
いよいよライブ本編最後の楽曲を歌おうというタイミングで、永島は「私にとってファンの皆さんはもちろんですけど、ここにいるアンダーメンバー、そして選抜メンバーを含めて、すべてが私の希望だと思うんです」と語り、最後の曲「君の名は希望」の曲振りをするのだが、突然スクリーンにサプライズ映像が流れ始める。ここでは永島の母親からのメッセージが、過去の永島の映像とともに紹介された。もちろん永島本人はこのメッセージについて事前に知らされておらず、思わず言葉を失い、ただただ涙するのみだった。映像が終わると永島は、「言葉が出ない……私は正直、アイドルは目指していなかったんですよ。でも親友の一言がきっかけで乃木坂のオーディションを受けたんです」と語り始め、「上京するときも、卒業を決めたときも、『聖羅の決めたことだから、頑張って』と言ってくれたんです」と母親に対する思いを口にしました。
思いもしなかったサプライズを経て、本編ラストナンバー「君の名は希望」を紅白出場時の衣装で歌唱。曲中でメンバーが永島に寄り添うと、永島も他のメンバーも号泣する場面も。エンディングでは客席に向けて銀テープも放たれ、最高の盛り上がりの中ライブ本編は幕を下ろしました。そして「皆さんと過ごした4年半を本当に忘れません。今までありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。私は次の夢に向かって頑張りたいと思います」と挨拶をして、深々とお辞儀をしてからステージを降りました。

2日間で一番の「永島!」「聖羅!」コールに導かれるように、アンコールは「気づいたら片想い」からスタート。メンバー全員、卒業公演用に制作された黄色いTシャツを着用しているのですが、永島が着ているTシャツのみメンバーからの寄せ書きが入ったもので、永島はメンバーの思いを胸に渾身のパフォーマンスを見せました。また「転がった鐘を鳴らせ!」では客席に向けてメンバーがサインボールを投げるサプライズもあり、一部メンバーは2階、3階に移動してサインボールを投げました。さらに「ロマンティックいか焼き」ではトロッコに乗った永島が寺田にキスをするハプニングもあり、観客のみならずメンバーをも楽しませました。
いよいよライブも本当の終わりに近づきました。中元は「卒業するまでに永島にしてほしい7つのこと」がまだ6つしか発表されてないことに触れ、最後のひとつとして永島に「最後まで笑顔でいてほしい」と伝えます。ここで「そうだね」と答える永島ですが、「私、卒業発表してからバレたかもしれないけど、めっちゃ涙もろいやん(笑)」と本音をこぼす場面も。そして「もうすぐ、永島聖羅のアイドル人生が終わろうとしています。親友の一言がなかったらここにはいないし、ファンの皆さんがいなかったら私はすぐに乃木坂を辞めてたと思います。私が過ごしてきた4年半、本当にキツイこと、つらいことのほうが多かったのに、卒業発表してからはいい思い出しか浮かんでこないの」と話してから、改めて観客やメンバーに向けて「私は皆さんやメンバーにとって、どんな存在でしたか? 乃木坂に入ってくれてありがとうって存在になれてますか? この4年半、乃木坂に入れて、大切なメンバーに出会えて、そしてファンの皆さんに出会えて。私にとって乃木坂46はかけがえのない宝物です。こんな私を支えてくれてありがとうございます」と感謝の気持ちを送りました。
すると今度はスクリーンに桜井玲香の姿が映し出され、選抜メンバーからのメッセージ映像が紹介されました。永島は「今日、サプライズ多くない?」と笑顔を浮かべ、「本当に私、仲間に恵まれてるなって思いました」と感慨深げにコメント。続けて「私はたぶん、王道のアイドルではなかったと思うんです(笑)。でも、こんな私に出会ってくれて、見つけてくれて、応援してくれて、ありがとうございました。(私の)この先が不安だと思うファンの方も多いと思うんです。私は一歩一歩進んで、前に出られるようになって、少しずつ恩返しできたらと思います。いつもは乃木坂46を、アンダーメンバーをよろしくお願いしますと言ってきたけれど、今日だけはわがままを言っていいですか?……自分で卒業を決めたんですけど、これからも永島聖羅のことを応援してくれますか?」と、涙を浮かべながら訴えかけました。すると客席からは大歓声と大きな拍手が鳴り響き、これを聞いた永島も「この声が聞けたから私、もう安心して卒業できます。今日の『不等号』のパフォーマンスとか観て、みんなのこと全然心配してないし。私もみんなの希望になれるよう、頑張りたいと思います」と気持ちも新たに宣言しました。さらに卒業公演用Tシャツに記された「1674」という数字に触れ、「私は今日まで、乃木坂46に1674日いたんですよ」と告白。さらに「私は本当に乃木坂46に入ってよかったし、一切後悔していません。本当に幸せでした。こんな私を支えてくださって、ありがとうございました!」と、前を見据えて力強く語りました。
ここで北野が「私、(永島の)卒業を許してないって言ったじゃないですか。でも許す代わりにチューしてくれたら……」と提案。永島が自らカウントダウンして北野にチューすると、気をよくした北野は満面の笑みで永島の卒業を祝福しました。こうして永島らしい涙と笑いが入り混じった卒業公演もクライマックスへ。「皆さん、今日は楽しかったですか? この先、絶対にこの4年半のことを忘れません!」と宣言して、ラストナンバー「乃木坂の詩」に突入。この曲ではステージに立っていない選抜メンバーの映像がスクリーンに映し出され、擬似的に乃木坂46が一堂に会する形で永島の卒業に華を添えました。曲中では永島が、ステージ上のアンダーメンバー1人ひとりと抱き合ったりチューしたりと、スキンシップを図る一幕もありました。そして曲が終わると、中元から最後のサプライズとしてファンの寄せ書きが入った巨大フラッグを披露。ステージ天井から吊るせるほどの大きなフラッグを前に、永島は思わず「これ、どうやって持って帰ろう?(笑)」とこぼしてしまいました。こうして永島は「またどこかで、絶対に会おうね! 会えるように頑張るから!」とファンに伝えてからステージを降りました。

これにてライブは終了の予定でしたが、興奮冷めやらない観客たちはその場を動こうとず、ひたすら「聖羅」コールを続けます。するとこれに応えるように、「ダンケシェーン」でダブルアンコールを開始。メンバーはステージ上を自由自在に動き回り、観客に挨拶をしていきます。そして曲のエンデイングでは、永島自らが「みんなと出会えて幸せだな!」と叫び、これに続くように他のメンバーも観客も一緒になって「だな!」と返しました。
なかなかステージを離れようとしない永島は「やっぱり笑顔で終わりたいから。家に帰ったら、永島ロス、『永ロス』になってほしい(笑)」と話してから、「人生で一番と言っていいほど楽しかったです。この先つらいことがあったら、この笑顔を思い出してほしい」とファンに伝えます。そしてメンバー全員が手をつなぐと、永島はノーマイクで「今まで本当にありがとうございました!」と挨拶。さらに「私と出会ってくれて、本当にありがとうございます。皆さんのことが本当に大好きです。ど素人だった私をここまでにしてくれて、団結してくれて、ありがとうございます。乃木坂にいた意味が今日、みつかった気がしました」と告げると、さらに予定外のアンコールをスタッフに確認します。そして「最後に『好き』って言ってもらいたいから」と、正真正銘のラストナンバー「ハウス!」をプレゼント。最高の声援と最高の笑顔と最高のパフォーマンスがぎっしり詰まった「ハウス!」をもって、3時間10分を超える永島聖羅卒業ライブは終幕しました。最後の最後に永島は、「この先つらいことがあったら、昨日今日のこととかメンバーのこととか、握手会のこととか思い出します。またどこかで会いましょう!」とメッセージを送ってステージを後にしました。
3公演とも異なるセットリストで行われた今回のライブ。実はこのセットリスト、永島本人が披露したい楽曲をセレクトして決めたとのこと。永島の乃木坂46に対する、そしてファンに対する思いが1曲1曲に詰まった特別なライブになっていたことは、誰もが想像できることでしょう。永島の今後が素晴らしいものになることを願いつつ、永島卒業後の乃木坂46およびアンダーライブがどう変化・進化していくのかにも注目したいと思います。
<セットリスト>
SE. OVERTURE
01. 制服のマネキン
02. 命は美しい
03. 狼に口笛を
04. ロマンスのスタート
05. ダンケシェーン
06. 嫉妬の権利
--MC--
07. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
08. 傾斜する
09. 失いたくないから
10. 界で一番 孤独なLover
11. 自由の彼方
12. おいでシャンプー
--MC--
13. 不等号
--MC--
14. メドレー
やさしさとは(かりん、ちはる、相楽、新内、中元、能條、山崎)
でこぴん(同上)
魚たちのLOVE SONG(川村、優里、中田、永島)
隙間(同上)
他の星から(純奈、川後、北野、佐々木、鈴木、寺田、和田、渡辺)
あらかじめ語られるロマンス(同上)
15. 左胸の勇気
16. 13日の金曜日
--MC--
17. 僕がいる場所
18. 春のメロディー
19. 別れ際、もっと好きになる
20. ひとりよがり(永島)
21. ここにいる理由
22. ハウス!
23. 走れ!Bicycle
--MC--
24. 君の名は希望
--アンコール--
25. 気づいたら片想い
26. 転がった鐘を鳴らせ!
27. ロマンティックいか焼き
--MC--
28. 乃木坂の詩
--ダブルアンコール--
29. ダンケシェーン
--MC--
30. ハウス!
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文:西廣智一 WEBを中心に活動する音楽ライター。バンドマン、フリーター、会社員を経て、2005年末に株式会社ナターシャの立ち上げに参加する。翌2006年よりライターとしての活動を開始し、現在さまざまな音楽サイトや雑誌にてインタビューやコラムなどを執筆中。
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- 乃木坂46 11thシングル『命は美しい』ライナーノーツ
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